表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

第一章 ラノベ同好会(前編)

「はぁ、なんで俺が! ラノベ好きなやつぐらいどこにでもいんだろ」


「別にいいでしょ。嫌なの? 」


少しがっかりしたような顔をする新川美空。俺はそんな新川美空を見て、すこし可哀想だと思ってしまい新川美空に問いただした。


「で、何で俺なんだ? 」


すると不機嫌な顔をし、


「別にいいじゃない」


と新川美空が俺に対し、聞こえるか聞こえないか曖昧な声でそう言った。そのとたん新川美空が我に返ったような顔になり、


「私は、あなたに借りを貸しているのよ。だから、私に反抗しないで私のいうこと聞きなさいっ!何、あなたもしかして私に借りを貸しさせといて返さないとでも言うの! 」


と言い切った。

すると、俺の顔をムスっとさせ見てきた。このとき俺は、新川はこういうキャラだということに気ずいた。


そして俺は、その顔に威圧されながら


「あぁ……あん時はありがとう。でも、それとこれとは……」


と多少弱めがちになりながらそう言った。


「何よ! その間は! あなたにとって悪い話じゃないでしょ! 何がそんなに嫌なの? 」


「だって俺、高校生活ぐらい普通にしたいし……いや、それよりお前の態度が最もの原因だ」


「お前ですって!普通、新川様様大統領でしょ! 」


俺はこんな新川のキャラを見ていると、ふと気づいた。これは、世間でいうツンデレというやつなのではないのか。それなら、俺は前からツンデレという性格が嫌いだったため、今起きているこの状況は俺にとってデメリットでしかないのではないか! いや、今思ったがこの新川美空には一切デレの部分がない。これは、むしろツンツンだ。




『うんそうだ! これは、ツンツンなのだ! 』



そんなことを頭の中で考えていると、俺を見ていた新川美空が顔色を悪くし


「何、私の顔をじーとニヤニヤさせながら見てるの? 」




と問いかけてきた。


俺は、そんな新川を見ておどおどしながら


「いや。そんなんじゃ」


と言い張った。

すると、新川美空は、顔色を戻し「別にいいわ」と一言。


そんな新川を見て


「いいのかよっ! 」


と頭の中で突っ込んでしまう俺。


すると、そのとたん新川が急に顔を赤くし、可愛い声になりながら


「私が連れていくところについて来て」


と俺の顔を上目遣いで見ながら恥ずかしそうに言ってきた。俺は、少し興奮気味になりながら言われるがまま「う、うん」と返事をした。


「あのさぁ、ずうずうしいお願いなんだけど」


「目を閉じたままついてきてほしいの。いい?」


「別にいいけど」


困ったような顔をしながら頼んでくる新川に、興奮しがちな俺が返事をする。そんな中、俺は妄想が膨らみ始めていった。新川美空に告白されるのではないか、そんな場合は、どう返事をすればいいのか、俺の好みは純粋かつ清楚な女子なんだけどどうすればいいのか、ていうか展開早くね、でもさっきのようなツンツンさがないからガチなのか?、いろんな妄想が頭を埋め尽くしていくなか新川が


「じゃあ目閉じて」


と頼んできた。俺は、新川に言われるがまま目を閉じた。すると、新川の手らしきものが俺の制服を掴みどこかに連れ出し始めた。それと同時に俺の妄想も激しく膨らみ始めた。どこに連れていくのかな? 屋上かな?それとも体育館の裏かな? 意外と運動場のど真ん中だったりしてエへへとニタニタ笑う俺。 


そのとき



「もう開いていいわよ」


という新川の言葉が聞こえた。


だから、その言葉通り俺は目を開いた。するとそこには、新川美空を先頭に眼鏡をかけた小太りと本を読んでいる清楚系女子がいた。考えていた展開と違いすぎて言葉が出ない俺。そんな俺を見た新川が


「何ぼーっと突っ立ってんの? 」


と真顔で言ってきた。


俺はその瞬間、新川への怒りが積み上げてきて大声で


「ふざけんなぁ~! 」


と怒鳴ってしまった。


すると、新川が


「どうしたの?そんなに怒鳴ったりして」


と相変わらず真顔で答えた。


俺は、それだけじゃ抑えきれず怒りを新川に思いのたけぶつけた


「どうしたの? そんなに怒鳴ったりしてじゃねぇよ! あの雰囲気は、告白する感じだっただろ! っていうかなんで顔赤くしたんだよ! あと何だよあの可愛らしい声は! っていうかなんで俺の前に眼鏡かけた小太りと本読んでる清楚系女子がいんだよ! ってか、ここどこだよっ! 」


そう言い切ると眼鏡をかけた小太りがイライラしている俺を落ち着かせようと


「まぁまぁ落ち着くでごわす」


と優しく俺をなだめる。


「ほら、源五郎が落ち着けと言ってるから落ち着きなさい昴君」


「何だよ! このデブは! あと語尾につける『ごわす」てなんなんだよ! 」


と口を荒くする俺。


そんな俺を見て新川が、なぜ俺にこういうことをしたのか一から説明し始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ