37話
本来なら神様のかばんと高校デビューを上げるつもりでしたが、近くに『でちゃう』の編集者が実践来店してたのでサインを貰いに行ってて、こっちだけになりました(笑)
読んでて、気になった人用
1章の15話と17話です。捜す手間を省けるように告知しておきます。
やっほー、剣太郎です。
えっ? この出だしは何話ぶりだったかって?
ごめん、俺もよく覚えてないし、どうでもいいよ!
今、俺の足元で頬をコケさせて目の下に凄いクマをまさにパンダかよ、と突っ込みたくなるような顔をして目を瞑る俺がいたりします。
そんな俺を黒いマント姿の人と幼女が必死に何やらやってるけど、かなり絶望してるのが良く分かる。
「カバン、これは最悪のケースを覚悟しておけ。最善は尽くすがな」
「お前をもってしても、難しいのか!」
幼女にガーゼで必死に汗を拭われている顔の一部の皮膚の色が黒く白髪が混じる男が必死に処置しながらカバンに覚悟するように伝えていた。
そう、今、俺は絶賛幽体離脱中だったりする。
壁抜けも余裕だから女子更衣室だって覗きたい放題だが、賢者タイムを通り過ぎて枯れた死にかけの老人のようにしたいとも思わないけどな。
というか、本当に危ないしな!
それはそうと、走馬灯って知ってる? アレを見るのって魂が抜けそうになってるから体から伝えているのか、魂から伝えてるかは分からないが、別れを惜しむ感情だと思うんだ。
だって、走馬灯が赤ん坊の頃の俺が母さんに抱かれてるところまで見たら、自分の体の上でプカプカと浮いてたからな!
(これは剣太郎の個人的な感想です。個人差がありますので良い子は確かめたりしないでください。普通は帰って来れませんので! これはコメディだからぁ!)
「くっ、患者のバイタルの下降が止まらない! 輸エリクサー投与!」
「坊主ぅ! 戻ってくるのじゃぁ!」
カバンの紐が俺の胸を叩く振動が止まりそうになっている俺の心臓を動かし始める。
あっ、ただでさえ希薄だった俺の体が薄くなってきた。
それと同時に何かに引っ張られるように体があるほうへと引き寄せられる。
ああ、なんとなくこのまま天国に連れて行って貰った方が俺の為な気がするが……
「ワシをおいて逝くなぁ! 逝くには早過ぎるのじゃ!」
相棒が泣いている。
まだ逝く訳にはいかないよな?
俺はニヒルな笑みを浮かべると引っ張られる力に抵抗せずに身を任せた。
▼
「早急な対策が必要だっ!」
アウトローギルドの裏口から出た場所の路地裏で俺は誰もいない事を良い事にカバンと向き合い熱く語る。
昨日、夜は交代制で嫁を相手にすると決めているのに、「出会って、多分、3カ月記念日!」と言った3人に襲いかかられた。
俺の記憶でも3カ月以上は経っており、若干、4カ月寄りだと分かっている。だから、3カ月記念日と言ってるが3人、クリカは違うかもしれないが、細かい事がしっかりしている美砂とチャロンの2人揃って勘違いなど有り得ないだろう。
だって、多分って言ってたし、確信犯だぁ!
きっと抜け目のない美砂とチャロンの事だから、「ごめんなさい。前が間違ってて、今日は正しい記念日のやり直しで、4カ月記念日をしましょう」と言って襲われそうだと俺は思っている。
これは火急になんとかしなくてはならない。
マジで死んじゃうからぁ!!
「そうじゃな、さすがに坊主の底上げをせんと本気で逝ってしまうのぉ。実はさっきこっそりと坊主の嫁達のステータスを調べて恐ろしい事が分かったのじゃ。まずは坊主のじゃ」
橘 剣太郎 ♂
職業:剣士 レベル 3 ポイント 0
称号 神のかばんの継承者 異世界人
天国と地獄を味わいし者、やや地獄寄り
スキル 剣術1
ユニークスキル 魔人の体力
インスタントスキル なし
「おお、レベル3になってるな。なんか称号が駄目な感じになってるような……」
「で、お前の嫁達じゃ」
篠山 美砂 ♀
職業:アサシン レベル 23 ポイント 0
称号:フレイヤの加護 糸を操りし者
底という定義を忘れた一途な少女
スキル: 弦術5 薬学5
ユニークスキル: 七星神拳正統継承者
インスタントスキル: 房中術1
チャロン ♀
職業:サキュバス レベル 19 ポイント 0
称号:アルプの愛し子 魔性力の寵児
こう見えても年は3ケタ
スキル: 精霊魔術3 配膳5
情報収集(女性相手限定)
房中術3
ユニークスキル: ドレインタッチ
インスタントスキル: 熟練主婦の夜の秘術1
クリカ ♀
職業:格闘家 レベル34 ポイント0
称号:超人 知力がカンスト
呪いと体力の上限から解放された少女
スキル: 格闘技6 見取り稽古7
ユニークスキル: 気功術
インスタントスキル: 伝説の娼婦のテク5
「……」
「……」
俺とカバンはそのステータスを見つめて黙り込んでしまう。
決して平静でいれてる訳ではない。
あかーんやん!
レベルの上がり方半端ないですやん!!
カバンがご丁寧に以前のステータスを横に表示してくれてるけど、大変な感じになってるし!
美砂は増えてるスキルも問題はあるが称号がヤバい。
あの称号は駄目だろ?
チャロンのインスタントスキルは絶対、情報収集、井戸端会議で夜の話をして先輩にアドバイス貰いまくったな? 俺の恥ずかしい話をどれだけばらまいた!!
前回は一番、許容できたクリカのステータスだったが、今回は一番アウトだぁ!
称号も不味いわ、新しく発現したスキルは一気に格闘技を抜いてる上に、インスタントスキルがカンストしてる……
どんなけ……本来は男に言うセリフだが、出歯亀してきたんだ、クリカァ!!
「まあ、レベルだけでもこれだけ差が開くと魔神の体力も毛が生えた程度の違いしかないわい」
「アウトローギルドを始めて、だいぶ余裕が出始めたと言っても修行する程の時間なんてないだろう……? ま、まさか……」
驚愕に口をワナワナさせる俺にカバンが嘆息してくる。
「おそらく坊主が思ってる理由だとワシも思うのじゃ。夜を交代制にした事で自分の時じゃない嫁達が部屋を後にして、どこで何をしてたか? それが答えじゃないかのぅ」
つまり憂さ晴らしに修行してたら、こんな恐ろしい現実が生まれたのか。
ガクガクと震える俺はカバンに縋りつく。
「ど、どうしたら俺、生きていける? た、助けて、カバン様!」
「ふぅ、本来はいかん事なんじゃが、さすがにこのまま放置は気が引ける。じゃから、素晴らしい方法を授ける」
そんな力強いセリフを言うカバンに後光を感じる俺は両手を組んで涙ながら見つめる。
「どのような素晴らしい方法なのでしょうか!」
「時々、現金な坊主に教えるのはどうかとは思うんじゃが……まあ、いいわい。神々のタネと呼ばれるモノがあるんじゃ。そのタネの中で体力のタネというのがある」
なんだろう……なんとなくパクリ臭がするのは気のせいだろうか?
うん、きっと気のせい!
一番大事なのは俺の命!
「それを食せば飛躍的に体力が上がるのじゃ」
「そのタネはどちらにあるのでしょうか、カバン様!」
自分の命の為ならいくらでも卑屈になれる俺が可愛い。
「人の生きるこの世界と神の世界の狭間にあるんじゃ。しかも良い事にセイドンから割と近い場所にその狭間にいける場所がある」
「おお、すぐに行こう、今、行くのがジャスティス!」
そう言うとカバンを抱えると3階の部屋に行き、寝室のテーブルの上に置き手紙を用意する。
「何日ぐらいで帰ってこれるかな?」
「3日もあれば帰れるじゃろうな」
そう言われた俺は言われた通りに、『少し出ていきます。帰りは3日後になる予定なので心配しないように』と書くと最後に剣太郎より、と書き加える。
書き終えると誰にも見つからないようにアウトローギルドを後にする。
正直に言おう!
ちょっと、ドキドキした!
僅かな罪悪感と背徳感を背負い、嫁3人に対抗できる体力を手に入れる為にセイドンから出発した。
▼
カバンに案内される形で歩き続けて半日経った頃、小さくも大きくもない滝の傍に到着していた。
俺はカバンに出して貰った木刀を肩に背負い、辺りを見渡す。
「どこに狭間への入口があるんだ?」
「それはな、滝の裏に洞穴があってそこに開けるポイントがある」
そう言われた俺は滝裏に続く道を探すが脇から入れるほど通り道はなく、濡れていく事を覚悟する。
そして、滝を潜ろうとした時、ムズムズした。
今、俺は木刀を持っており、自然の滝が目の前にある。
つまり、日本男児ならどうしてもやりたくなる事がある、きっとあるはず!
「ん? 坊主、何をやろうとしておる?」
木刀を構えた俺は滝に向かって跳躍する。
「必殺、稲妻切り!!」
スキルやレベルが付いた事で以前なら、こんな弱い滝ですら腕を持って行かれそうになっただろうが、見事に切り裂いた。
「きゃあぁぁぁ!!」
手に伝わる柔らかいモノを叩く衝撃と共に若い女の悲鳴が響き渡る。
「うわぁ、ごめんなさい!」
反射的に謝り、慌てて滝に突っ込むと顔を地面に突っ伏す形で可愛らしいお尻を突き出す格好でお尻を撫でている騎士風の少女と男装の麗人というのがピッタリの少女で同じように騎士の出で立ちを少女がお尻を押さえてるのを見下ろしていた。
「大丈夫ですか? ミゼット様」
青い髪を短く纏めた男装の麗人というのがピッタリの少女が金の長い髪を後ろで綺麗に纏めている少女、ミゼットに声をかける。
「ああぁぁぁ……なんですの、この駆け巡る甘い痺れは……は、初めての感覚ですわ」
突っ伏した格好のまま顔を横に向けた顔は愛らしい童顔の少女であったが、今は顔を赤くし、蕩けるような顔をしていた。
この顔、凄く見覚えがある! 俺の危険センサーがバリ3だぁ!
昨日の夜、悪夢のレベルで見せられた顔に類似するモノに俺は一歩後ずさる。
男装の麗人は、ウンウン、と先程から変わらない表情で頷きながらミゼットに話しかける。
「ミゼット様、分からない事があったらどうするんでしたか?」
「そ、そうだったわね。分からない事があったら何度も聞くか、分かるまでやるだったわね。有難う、セレナ」
そう言った瞬間だけ、おそらく通常の凛とした表情に戻ったミゼットだったが、すぐに蕩ける表情に戻ると俺をお尻を突き出した格好で見つめてくる。
そして、おもむろにズボンを降ろして可愛らしい白の下着を突き出した状態でお披露目すると興奮して荒い息で言ってくる。
「さあ、もう一度お願いしますわっ!」
「変態だぁ!!」
「変態じゃな……」
温度差はあったが、俺とカバンの心が1つになった。
感想と誤字がありましたら、気楽に感想欄にお願いします。




