33話
多少、意固地になって更新してしまいました(笑)
やや、短めですが許してね?
今日もアウトローギルドは盛況だ。
商人達はランクを上げたい、維持をする為にせっせと依頼を落として行ってくれるが、どうしても偏りが生まれ、アウトロー達にもマンネリが起こる恐れと依頼を受けれる者の受けれない者の格差が生まれる危険があった。
だが、カバンの案で地理、史跡、つまり、ダンジョンなどの情報もギルドで買い取りをするのを勧められて実行したら大当たりであった。
それまで戦いに向かない能力とみなされて見向きもされなかった者達が脚光を浴びる結果になった。
なので、頭の良い者は、近接戦闘者2名、魔法が使える者1~2名、探査に強みがある者を1名のパーティを組んで持ちつ持たれつという依頼を選べる範囲を広げる事に成功している者達が出始めた。
勿論、ソロで情報屋として独自に動く者もいるが、それぞれに自分を活かす場所を見出して行った。
また、ダンジョンの中の詳細なデータも買い取りも始めた事で、そっち専門でトレジャーする者が増え始めている。
「よーし、今日は海岸傍にある洞窟でスライム狩りだ。弱いと言っても油断すると怪我ぐらい、いくらでもするからな?」
そういう、若いアウトローが子供達に注意をするのをロビーで見かける。
アウトローの言葉に子供特有の高い声で、「は――い!」と唱和される。
ここから出てすぐの港を端に昔から洞窟があったらしい。
入口に近づいてもスライムがいて、特にこの辺りに逸話があった訳ではないので敢えて突入しようという者がいなかった。
だが、ギルドが中の詳細のデータを買うというのが分かるや否、調べ尽くされ、中にはスライムしかいない地下2階層の罠も何もない変哲もない場所だった。
これに、しっかりと報酬を払ったのを見たアウトロー達が各地を巡る為に飛び出すキッカケになったのだが……
それはともかく、スライムしかいないので戦闘訓練や商人でも体を少しは鍛えようと思った者が参加するには丁度良いという事で、別名『初心者の洞窟』と呼ばれている。
「うんむ、上手く回っておるようで良かったのぉ~」
「ああ、カバンさまさま、だな」
相変わらず、調子だけは良いな、と苦笑交じりにカバンがぼやいてくる。
俺はカバンのお小言を聞き流しながら、若いアウトローに引率されて出発していく子供達を見送っているとカウンターが騒がしいので近寄ってみる。
近寄っていくと美砂とチャロンが難しい顔をしながら、包帯を巻いたアウトローの姿があった。
「どうしたの?」
「あ、だん、ゴホン、マスター。以前から問題になってた神殿跡地の探索をギルドからの指名依頼した件で問題が発生しまして」
美砂の話を詳しく聞くと、何度も調査に行った者が、犬型のモンスターに撃退されて帰ってくるという話が話題になった。
そこで、現状、最高ランクの8で4人のアウトローパーティに調査を依頼したという事らしい。
聞いてた話より性質が悪かったという事で、見舞金ぐらい出してくれという話のようだ。
まあ、このアウトロー、リーダーのジャンを始め、割と見かける顔で、優良なギルド員だ。揺すりタカリの心配はないだろうと判断した俺は、
「見舞金を出すとそれを目当てにする者が現れたら困るから、家のギルドの回復魔法を無料で受けれるという事で手を打たないか?」
「ああ、それでいい。俺達の力不足も否定できないしな。何より、しばらく仕事ができないのがキツイから直訴してたんだ」
ホッとした様子の4人に頷いてみせた俺は、辺りを見渡すと見つけたツキノを手招きする。
「お呼びですか? マスター」
「ああ、特別処置で、後ろの4人を癒してやってくれ」
俺が後ろにいるアウトローに指差すと「はい」と気持ち良い返事と笑みを浮かべる。
ツキノが取得したユニークスキルは回復系のスキルであった。
だが、回復と言うのはそれだけで必要とされるので、ギルドを通して依頼という形でしかしないように伝えている。
ちなみに、ツキノの癒しは腕が切れても繋がるレベルであった。
ツキノに案内されていくジャン達は安堵の顔をして着いていく。ツキノの回復魔法の凄さを知っているから、すぐにでも仕事ができると信じている為であった。
う――ん、しかし、あのジャン達は腕は確かだったと思うんだけどな……
「まあ、そうじゃな。ワシが見た中でも今いるギルドのトップ3じゃろうな?」
だよな、このまま放置してギルド員に被害が増えていけば、ギルドの信用にヒビを入れかねないよな……
「動くか? 坊主」
良し、決めた。
「なあ、美砂。この調査、俺が行ってくるよ」
「い、いけません。旦那様だけで行かれるような事があっては!」
「そうなのだっ! 行くなら私が着いていくのだ」
脊髄反射で反対された……
「まあ、愛されてると受け取っておくのじゃ。坊主の精神衛生上のぉ?」
被り振った俺は、心を強く持つ。
「いや、クリカとミケを連れて行こうと思ってる。俺以外でギルドで暇を持て余してるのは、あの2人だけだろ?」
それに、3人の内、1人がいれば、大丈夫と思ってると伝えると色々反論が苦しいのか、苦笑いしながら視線を交わす美砂とチャロン。
ぶっちゃけ、魔王が現れない限り、3人の内、1人いれば何とかなると割と本気で思ってたりする!
「分かりました。ですが、決して無茶はされないでくださいね?」
「ああ、勿論だ。ところでクリカとミケの姿が見えないけど、どこに?」
「散歩に出かけてるのだ」
俺の質問にチャロンが呆れを隠さずに、溜息混じりに伝えてくる。
アイツ等、自由だな!
確かに、無理矢理に事務仕事させたりしても余計な仕事を量産するのは、ギルドメンバーはみんな知っている。
それなら警邏と言って、ウロウロさせてるほうが建設的だという残酷な結果が弾かれた2人であった。
「まあ、いいや。アイツ等、2人捜して旅支度をするよ」
そう言って、ギルドを出ようとするとアウトロー受付の3人、美砂、チャロン、アオの3名に笑顔で、「いってらっしゃいませ!」と見送られる。
輝かんばかりの笑顔を背にした瞬間、目端に涙を浮かべる。
アオ、3階でも、その笑顔で居てくれたら、君の好感度鰻登りよ?
そんな切ない事実に背中を押されて俺はアウトローギルドを後にした。
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