表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様のかばん  作者: バイブルさん
1章 ギルド設立編
29/46

28話

 単純に書くのが遅れました……

 途中までは書いてたんで起きたら、と思ったら目を覚ましたら8時過ぎてた(笑)

「旦那様、私は信じておりました……」

「うんむ、勿論、私も信じてたのだ!」


 目頭にハンカチを充てる美砂、ない胸を張るチャロンの2名は、感極まるようにウンウンと頷いてみせる。


「お姉ちゃん、石板10枚作ってきたのぉ!」

「もう必要なくなったのだ。海にポイしてくるのだ」


 元気良く、ハ――イ! と返事したクリカがそのまま外へ走っていく。



 どんな大物女優であろうと誤魔化し切れない場面というものがあると思う。


 俺は今日初めて、これがそうだと言い切れる現場に立ち会う事ができた。



「言い訳してる暇があるなら、紐を解いて石をどけてくれ!! 誤解だと分かったんだろっ!!」


 顔を真っ赤にして美砂とチャロンに声を張り上げる。


 俺の限界が近いと理解したようで、慌てて美砂は俺を縛り上げた紐を外し、チャロンは俺の膝の上にある石板を2枚どかせる。


 そう、俺はこの2人にお侍さんの時代の拷問を受けていた。


 所謂、『石抱き』である。



 俺は美砂達と遭遇した時に事情を説明しようとしたら、一瞬で美砂に紐で縛り上げられ、生まれて初めて亀甲縛り体験させられた。


 それに呆けてた俺をそのまま、そろばん板に載せると抵抗する間もなく石板を載せられて激痛が襲いかかって悲鳴を上げた。


 その時のチャロンの闇に落ちた目が忘れられない。


 拘束を解かれた俺は、スネを摩りながら激しく思う。


 今回は胸を張って違うと言える状況だったから良かった。だが、これが良い訳が出来ない状況なら……



 地獄へ連れて行かれるねっ!


 しかし、美砂達って他に嫁などを持つ事に寛容な考えを持ってると思っていた。実際にチャロンやクリカの時は美砂は仲間外れは嫌がったが、反対する気がなかったような気がする。



 なんでだろ? と思っていると今まで沈黙を保っていたカバンが話し始める。


「まったく坊主はボンクラじゃのぉ。あの2人が入る段階では、あの3人は坊主の事は『いい人』じゃった。言うなれば好感を抱いてたじゃな」


 肝心なところでダンマリしたカバンにボンクラ呼ばわりは我慢ならん、とばかりに拳で叩いてやる。


 続きを促すと拗ね気味のカバンが続ける。


「せっかくここで下手を打たんようにアドバイスしてやろうとしとるのに……まあ、いいわい。今のあの娘達は、本気で坊主に惚れとるんじゃ。じゃから、いきなりの事で頭が真っ白になったんじゃろうな」


 真っ白と言う割には的確に動いて過激な事をやってる気が……


「あの娘達がオーバースペックなだけじゃ。坊主を思っての行動じゃった。だから、気をつけろよ? 叱り方を間違うと禍根になるからの。基本は感謝して諭すじゃ。諭すだからな? 叱るじゃない事を肝に銘じておけ」


 カバンと話をしてるとクリカが帰ってきて解放されてる俺を見てびっくりして顔をした後、怒ってますという顔を作る。


 申し訳なさそうにする美砂とチャロン、まだ事情を把握してないクリカの拗ねたような顔を見た俺は、なんとなくカバンの言いたい意味を理解した。


 だから、俺はまず行動する事にした。



 右にいる美砂からギュッと抱きしめていく。次にチャロン、クリカと続いて離れると3人を見渡して告げる。


「俺を想ってくれる気持ち、嬉しかった」


 3人は怒られると思って身構えてたようで、ビックリした顔をしている。


「でも今回はちょっと行き過ぎてたよね?」


 そう言うとまた申し訳なさそうな顔をになるとコクリと頷いてくる。


 俺は3人に笑いかける。


「俺の事を想ってくれるぐらいに俺を信じて欲しいんだ。嫁を増やしたかったら絶対に相談する。中途半端な体だけの付き合いなんてしない。だから、信じて欲しい」


 俺は美砂、チャロン、クリカの順に見つめていく。


「俺も3人の事を大好きだからっ」


 目端に涙を湛えた3人が俺の胸に飛び込んでくる。


 それを優しく抱きしめながら、美味く纏まったようで良かったと安堵の溜息を吐く。


「坊主、想像以上じゃ。120点じゃ!」


 何故に120点? と思っているとカバンが後ろを見てみろ、と言ってくる。


 素直に後ろを振り返ると獣人の少女達の熱い視線が向けられていた。あのクールそうなクウコですら頬を染めている。


「良かったな、坊主。20点分の好感度アップじゃ」

「いや、この子達は解放してあげるつもりだから、好感を持たせると良くない気がするんだけど……」


 カバンに呟くと、カバンが何かを思い出したかのように声を上げる。



 そういえば、何かを言おうとしてたような……



「その、なんじゃ、ワシは坊主の意気を汲んだだけで悪い事は何もしとらんことは理解してほしいんじゃが」


 短い付き合いだが、カバンがこういう言い回しを選ぶ時は決まって碌でもない事である事は身を持って体験済みであった。

 しかも、回避不能という意味合いで……


「この世界の法での? 奴隷を買ったら解放は勿論、殺したら罪に問われるし、一度奴隷になった者はその身分は剥奪できんのじゃ」




 やっぱりかぁ――! カバンがこういう反応の時は決まって碌でもないとは気付いてたけど、後で言うのは卑怯だろっっ!!




 まあ、待て。


 落ち着いて、あの時の事を思い出すと苦虫を噛み締める思いにさせられる。



「じゃ、俺だけなら問題ないだろ?」

「それは文句は言えんが、奴隷をどうする? 奴隷法で処分はできんだろ?」



 奴隷商と船員のやり取りで言ってた事を思い出す。


 あのクソ野郎が処分ができないなら解放という手段を取らなかった。つまり出来なかった事に気付けたはずであった。


 この世界の男どもの身勝手さは知ってたし、過去に大きな問題になった事があるのであろう。


 だから、あの時も安いとはいえ、獣人の少女のリスクを考えて買うのを避けた事を理解した。


 つまるところ、今回は俺が気付けるポイントはあったが頭に血がのぼって見逃した。



 無責任にカバンを責める訳にはいかないという結論に行き着いた事もあるが……


 その事実を事前に気付けたとしても、あのまま見逃したか? と問われても同じ事をしただろう。



 はぁ……カバン、今回は俺の負け。



 素直にそう思っていると怒られると思ってたカバンが逆に戸惑いを見せる。


「ぼ、坊主? 呆れてワシを見捨てたのかの? 待ってくれ、ワシらは、と、友達じゃろ?」


 俺は苦笑してカバンに呟く。


「違うさ、なんだかんだ言いながらも、俺に世話を焼いてくれてるカバンに当たるのは違う、と思っただけだ」


 そう言って、ギュッとカバンを抱き締める。


 感激したようでカバンは身を震わせる。


「ぼ、坊主ぅ!!!」



 どうやら、カバンの好感度も100点貰えたようであった。



 ただ、女の子は何をしてるのだろう? と首を傾げてこちらを見つめられ、変な人というレッテルが貼られた恐れが生まれた。




 みんなにもう一度、状況説明をし終えると各自、納得がいったようで落ち着きをみせた。


 すると、美砂が俺に向き直り、1つ頷くと話しかけてきた。


「結果論ですが、これで良かったのかもしれません」

「何が、良かったんだ?」


 美砂がいきなり言ってきたので、今度は俺が首を傾げる。


 チャロンも理解してたようで言ってくる。


「人員不足の件、そうなのだ?」


 チャロンの言葉に美砂が頷いてみせる。


「旦那様は、奴隷を買うのはお好きではないのは、ポポロンの奴隷市に行くのを避けられた事で知っていたので、この案を使う事はできないと思っておりました」


 確かに避けてた。


 それは間違いではないが、美砂が思う理由も否定はしない。


 だがっ!


「これ以上、嫁が増えたら坊主は死ぬかもしれんと避けたのが一番の理由じゃったな?」


 そう、カバンが言うようにそれが一番の理由だった……


 どうして、人とは後から悩み、悔むのだろう……


「だから、後悔と言うんじゃ」



 そんなテンプレ解答いらねぇ――――!!



 とはいえ、美砂の言ってる通り、人員確保には問題がなくなったであろう。


 うん、腹を括ろう。


「なぁ、奴隷だからってこんな格好をしてないといけない法はないよな?」

「えっ? はい、ありませんが……あっ」


 俺が言わん事に気付いた美砂は優しげな笑みを俺に向ける。


 なんとなく照れ臭くなったが、もう引っ込める訳にはいかない。


「当面のこの子達の服や下着など、靴もだな、買いに連れていってやってくれないか? 俺はそういうの良く分からないんだ」


 そう言った後、どれくらい費用がかかるか問うと「銀貨10枚ほどあれば」と言ってきたので金貨1枚渡す。


「中途半端な服じゃなく、しっかりしたのを買ってやってくれ。それとな?……美砂達も何か見てくるといい。女の子だもんな?」


 照れ臭くて頬を掻く俺に嫁が3人抱き付いてくる。


 嬉しそうにする3人を直視できずに明後日に視線を向ける。


 咳払いをすると、ミケ達の寝る為の寝具などの同じように頼むと快諾された。


「俺はこの子の面倒を見てるから、頼むな?」


 眠ってる赤毛の少女を指差し、美砂達を見送る。


 ミケ達にも着いていくように言うと何故かクウコが最後に残ると俺に言いたげな顔を向けてると思ってたら、話しかけてきた。


「もしかしたら、問題はないのかもしれませんが、奥様にお薬を渡さなくても良かったのですか?」

「ああっ! 忘れてたぁ! すぐに発病する訳じゃないけど、早いほうがいいな。有難うな、クウコ」


 慌てて飛び出して美砂達を追いかけた。


 その後ろを好意的な笑みを浮かべるクウコに気付く事もなく、向かう俺にカバンは呆れた溜息を零した。

 感想や誤字がありましたら、気楽に感想欄にお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ