27話
バイブルが悪いんじゃないんです。
何がって? 更新が遅れた事ですよ!
だって、『でちゃう』が動画配信を固めてやるから見てたら書く時間が大幅に削られたのですよっ!
ねっ? バイブル悪くないでしょ?
という訳で2週連続見直ししておりません(笑)
「ただいまぁ~」
我が家に入ってそう言うがそこには誰も居ず、周りを見渡しても隠れてる様子もない。
「まだ3階にいるのかな?」
獣人の少女達は、殺風景な場所にある良く分からない魔法器具が気になるようで挙動不審になっていた。
見慣れないモノに不安を感じているのも事実だろうが、奴隷という身分が辛いのだろうと胸を痛める。
「奴隷の身から解放して国に返してあげるからな」
そう、俺は獣人の少女達に聞こえないように呟く。
獣人の少女達には届かなかったようであるが、傍にいるカバンにはしっかりと聞こえたようで、何やら、申し訳なさそうに言ってくる。
「あぁ~坊主? そのなんだ……その事なんじゃがな?」
カバンが何かを言いかけたところで、幼い、とは言っても12歳ぐらいに見えるネコっぽい獣人の少女が震え出す。
それを見た俺が駆け寄り、少女を抱えたまま屈む。
「ど、どうした? 薬が合わなかったか? そんなはずはないんだが!」
そう聞く俺に小柄の少女が被り振る。
「ち、違うにゃ、ミケは、ミケは、おしっこがしたいにゃ……お、お外行っていいにゃ? ご主人様」
「行っちゃ駄目とは言わないけど、できればトイレでしてくれないか?」
びっくりした顔で見上げる三色の毛色を持つ少女。
間違いなく、ネコ種だよな? だってミケって名前みたいだし。
「使っていいにゃ?」
「種族的にトイレは嫌だというなら強制はし辛いけど、使って欲しいかな?」
そう言うと俺はトイレを指差す。
ミケはいいのかな? と首を傾げるがかなり我慢してたようで限界が近いようだったので、俺はいいんだよ、と伝えると飛び出すようにしてトイレに駆け込んだ。
その様子を見て、そこまで我慢してまで躊躇しなくてもと苦笑してると大柄な女の子が声をかけてくる。
「ご主人様、本当に良かったのですか? ミケが気にしてたのは獣人の奴隷はトイレを使わせないという暗黙の了解があったからなんですが……」
必死に大きな体を小さく見せようとしてるのか体を丸めるようにしてる耳の形から熊っぽい少女が言ってくる。
ちなみにそれでも俺より大きい。
それを聞いた俺は、本気でこの世界の男共は最低だな、と思わされる。
ヨシ! 俺が作る互助会で獣人差別するヤツには、査定マイナスを付けるぐらいのペナルティを何か考えようっ!
それがキッカケに何かが変わる事を期待したいなっ!
「そんなアホが言う暗黙の了解なんて俺が気にする理由はない。だいたい、外と行っても道路や路地裏でしたとしても、家の周りの環境が悪くなるだけで誰が得する話だ」
熊っぽい少女は周りの獣人の少女を見渡し、困惑した様子を見せる。
「まあ、腰を落ち着けて話をしよう。ミケが戻ってきたら、この子を寝かせてあげられる場所を捜そう。何せ、さっき買ったばかりの場所だから何もないんでな」
何かあるといいんだが、と腕の中の少女を見つめて呟いていると、トイレからスッキリした顔をしたミケが帰ってくる。
「間に合ったか?」
「ま、間に合ったにゃ!」
「坊主、お前、意外とデリカシーが欠如しとるのぉ」
確かに年下だと思って気軽に言ってしまったが悪手であったと心で猛省する。
顔を赤くするミケに先程の説明を済ます。
「1階は見たままだが、2階は部屋が一杯あるから各自散開して寝れそうな場所を捜して来てくれ。俺は3階を見てくるから。もし、女の子と遭遇したら、剣太郎に連れられてきたと言えば問題ないから」
「他にどなたかおられるのですか?」
髪が長く耳が尖った感じがキツネぽい大人びた少女、学級委員とか風紀委員をしてそうな綺麗系の少女が俺に聞いてくる。
「嫁が3人な。さっき言ったように俺に連れてこられたと言えば、問題ないから」
嫁が3人いるという事を少し驚いた顔をするが、すぐに納得したような顔をされる。
何故だろ?
そう思ってるとカバンが、
「そりゃ、金貨を投げつけてこの娘達を買えるなら、不思議はないと思われたんじゃろ」
まあ、俺の甲斐性ではないんだが、と少しへこみかけるが、「ハッ!」とドヤ顔を連想させるカバンの声にイラッとして持ち直す。
「まあ、色々、話したい事はあるけど、病人のこの子を寝かす場所を捜すのを最優先にしよう」
俺がそういうと少女達は頷き合うと2階に登って行く。
それを見送った俺は3階に登って行った。
3階に登って行った俺だったが、そこには美砂達の姿はなかった。
壁も何もないから隠れる場所などない。
「あれ、いないな?」
「これは予想以上に気合いが入っとるな……まだ、下にいる可能性はあるがの」
どうやら、カバンには3人がいない理由に心当たりがあるようである。
それを聞こうとした時、階段の所にミケがやってくる。
俺の前に来ると嬉しそうに飛び跳ねながら説明してきた。
「ご主人様! ソファがあったのにゃ、そこでなら寝かせてあげられるのにゃ!」
喜びを見せるミケを見て、家に住み着いた野良猫がネズミを咥えて帰ってきた時のドヤ顔を連想してしまい、笑いが漏れる。
俺が笑い出したのを見て、首を傾げるミケ。
「なんでもない、そこに案内してくれないか?」
「分かったにゃ」
ミケは嬉しそうのクルッと廻るとスキップするようにして俺を先導を始めるので後を追った。
2階の奥の一室に確かにソファがあり、他の獣人の少女達も集まっていた。
眠る赤い髪の少女をソファに寝かせる。
「本当はベットがいいんだが、美砂達は出かけてるようだから、帰ってきたら、その辺りの相談をするか」
とりあえずは、出来る事はしたので、獣人の少女達と向き合う事にする。
「まずは自己紹介をしよう。俺は剣太郎。先日、このセイドンに来たばかりだ。家もさっき言ったように買ったばかりの新参者だ。じゃ、右のミケから自己紹介してくれ」
そうミケに伝えると満を持してとばかりに鼻息を荒くしたミケが前に出る。
「ミケはミケなのにゃ!」
それだけ言うと後ろに下がる。
それだけかよっ!
と、叫びそうになったが、ある意味、説明を求めなくてもどういう子か分かり易い……
色々、諦めた俺は次にその隣にいる大柄のクマ科ぽい少女を見つめる。
「わ、私はブラックベア族のツキノと申します。よろしくお願いします」
ペコッと頭を下げながら、体も縮ませる。
だが、無駄な努力と周りが見えてない。
自分の体を小さく見せたいなら、ミケの隣に立つのは愚策である。対比が凄い事になっていた。
そういう、おっちょこちょいな所がある少女である事が分かる。
次に先程の委員長タイプのキツネっぽい少女を見つめると綺麗に一礼してくる。
「私は妖孤一族のクウコと申します。ふつつかなモノですが、よろしくお願いします」
もう一度、丁寧に頭を下げてくるクウコに礼儀正しい子だな、と感心して頷いて、次の子の紹介を頼もうとした時、部屋の扉が開く。
そこには、半眼のチャロンと人が一杯と騒ぐクリカ、そして、目元が暗くなって分からなくなってる美砂。どんな目をしてるか決して見たくはない。
あれ? この状況ってかなり不味くない?
男1人とみすぼらしい格好をした少女が12人。
みすぼらしい = 露出の激しい格好
そこに踏み入る嫁。
うん、完全にアウトだねっ!
顔中から汗を噴き出すのを抑えられない俺は、震える手を上げて、3人に手を伸ばそうとする。
「ケンタロウ、これはどういう事なのだ?」
「ちゃうねん!」
俺が思わず、関西弁になる事を誰が責められるだろうか?
否、いない……ハズッ!
助けを求めるようにカバンを叩く。
だが、カバンは只の屍のようであった、返事はない。
肝心な時は役に立たないカバンを呪いながら、カバンの持ち主だった神様に真摯に助けてと祈ったのは言うまでもなかった。
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