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神様のかばん  作者: バイブルさん
1章 ギルド設立編
24/46

23話

 今週も土曜日~心配しなくてもそのうち間に合わなくなって日曜の夕方とかに更新する日がくるさ(笑)

 ダダンの商館にやってきた俺は、昨日と同じ受付? の男に話しかける。


「昨日の件で伺ったんだが、ダダンさんと会えるかい?」

「はい、お待ちされておられます。ですが、昨日は居られなかった、この方は?」


 強面が敵視するようにロレンスを見つめるが当のロレンスは暖簾の腕押しと言わんばかりにニコニコと笑みを浮かべたまま、たいした反応を見せない。



 こいつ、ハート半端じゃなく、つえぇぇ



「それを込みでダダンさんに話させて貰いますよ」


 俺がそう言うと俺の気分を害したら面倒だと思ったのか引き下がってくれる。そして、「こちらです」とダダンの部屋まで案内してくれる。


 強面がノックして対応すると扉を開かれて中に通される。


 中に入ると咥えていた煙草を吸いがらで消すのを見て、俺が煙草の煙が嫌いというのを覚えてたようだ。


 これからの話し合いに気合いを入れようしたダダンが深呼吸をする動作の途中で俺の隣にいるロレンスを見て動きを止める。

 そして、目を細めて俺に聞いてくる。


「そいつは誰だ?」

「こいつは……自己紹介ぐらいは自分してくれ。事情説明は俺がするから」


 そう言うと匙を投げられたとばかりに悲しむ子供のように振る舞うロレンスの頭を後ろから叩く。


 それに、てへへっと笑ってみせるのを見て嘆息する。

 何故なら、このやり取りを見せる事でダダンに俺とロレンスの距離感を知らしめるつもりでやったのが理解出来た為である。


 こいつ、本気で食えないヤツだ……早まったか?


 内側に入れた事が間違いじゃないかと不安に誘われるのを後押しするようにダダンから熱い視線がビシビシと送られる。


「初めまして、僕はロレンス、しがない行商人です。以後お見知りおきを」


 小粋に腰を折って会釈をする。


 意外と様になってるし、もしかしたら、どこかの貴族の次男とかもしれないな。


 そんな事を思っているとイライラしたダダンがディスクを叩きながら俺に説明しろ、と目で訴えてくる。


「そんなに睨まなくても説明するって。昨日、ここに来るまでに俺達のする仕事の宣伝を兼ねて、薬草採取を10束、銅貨30枚でしますよ、と商店や露天商などに声かけて廻ったんだ」

「ああ、資料にあったアウトロー達の仕事の適正金額を決めるとか書いてたあれか?」


 ダダンの言葉に頷いてみせる。


「その行動してる事に疑問を覚えたようで俺達を尾行したらしい。そこで拾った情報で儲け話を嗅ぎつけてやってきたという訳だ。とりあえずは話が聞きたいらしい」

「余計な事を、と言いたいところだがセイドンの商人の目の節穴っぷりを知るきっかけとしては悪くはなかったな」


 大袈裟に肩を竦めるダダンにロレンスが可愛いさを前面に出した笑みでお願いしてくる。


「僕が気付いたのはたまたまですよ。それより、先程言われた資料というのが気になるんですが見せて貰っていいですか?」


 見た目と違って油断ならないとダダンも思ったようで舌打ちするとディスクの上に資料を放る。


 それを受け取って、「有難うございます」と会釈をすると熟読を始める。


「えっ? カードに物が仕舞える、しかも、鮮度が維持されるって本当ですか?」


 分厚い皮が張り付いていたロレンスの表情であったが、さすがに驚いたようで素の表情で驚いてみせる。


「まあ、俺もそれには驚いたが、昨日、実演されたからな。しかし、昨日、その資料を読んでもっと驚いたモノがある。それを今日を最初に確認しようと思ってた」


 ダダンが呆れるようにそう言うのを見て、これ以上の驚きがあるのかと興奮から頬が紅潮させるロレンスを見た俺は思う。



 こいつ、絶対、男装した女だろ!



「坊主、あれは間違いなく男だから血迷うなよ?」


 それとなくカバンに諭される。



 やだなぁ、そんな気はさっぱりないよぉ~

 でも……


 俺を見つめる美砂の目がメッサ怖くてそちらに顔を向けられないのぉ!


 カバンとそんな三文芝居をしているとダダンが言う部分に行き着いたらしいロレンスが幽鬼のようにふらついて俺に近づくと資料を落としたと思ったら両手で俺の腕を引っ張る。


「お兄さん、このお金を預けたら、どこにいてもカードから預けた分のお金は出せるって本当なのっ!」


 やはり、そこに食い付いてくれたかと、ほくそ笑む。


 俺はカバンに手を突っ込むとカードを取り出す。


「多分、それを聞かれると思ったから1日しか持たないカードだけどお試しで持ってきた」


 そう言いながら、ダダンのディスクにカード製造機も取り出して置く。俺の持つカバンから出てくるのに驚いた様子であったが、ダダンは昨日、カードで仕舞うのを見ていたので立ち直るのは早く、カード製造機にご執心であった。


 ロレンスは初めてなので、興味ありげにカバンを見つめて、カードの収納機能がある事を納得したようである。


 カードをカード製造機にセットする。


「勿論、お試しはダダンさんどうぞ? 試したいでしょ?」

「あ、ああ、どうしたらいい?」


 手を翳す場所を教え、終わるまで動かさない事を伝える。


 そうすると振り子が振れ出して、2人はビクっとびっくりした様子を見せるが踏み止まる。


 そして、カードができて、名前の記載が間違ってないかと聞く。


 問題ないとの事だったので、ダダンに手を差し出す。


「出るかどうか試す為には預けないとできないんで、いくらかを俺に預けて?」


 そう言うと引き出しから革袋を取り出して俺に放る。


「剛毅な事はいいけど、いくら入ってるか分かってるのか?」

「ああ、ちゃんと分かってる。だが、今、教える気はない」


 俺はおどけて、適当な事を言わないでくれよ? というとカバンに革袋に仕舞う。


 仕舞うとダダンにカードに金額が記入されてるか確認して貰おうと思っていたら、半笑いのダダンが汗を滲ませていた。


「本当に正しい金額が記載されてるじゃねぇーか」

「それは良かった。資料に書いてる通り、本来は一日、金貨50枚上限でしか下ろせないけど、それは無制限だからある分下ろしてくれてもいいんだけど、少しだけ残しておいて」


 事情が分からないようだが、出し方を教えると早速、試し出す。


 本当に出てくると分かり、カードを見ると金額が減っているのを見ると出た金貨が本物が調べ出す。

 その辺りも調べて貰いたかったから言う前にやってくれて大助かりである。


 一通り調べたのを見計らった俺が声をかける。


「どう?」

「本物だ。本当にどれだけ離れててもできるのか?」


 そう聞いてくるダダンと横から僕も試したいと子供を演じてるのかマジか分かりにくくなってるロレンスが拗ねていた。


「少なくとも、この大陸では使える保障はできるな。海を渡ったらどうなるかは今後の調査次第で」


 本当は使える事は分かってるが、まだ、それは開示する段階ではないとカバンに言われていた。


 唸るダダンにそのカードをロレンスに渡すように指示する。


「何故だ、まだ出してない金貨があるんだぞ?」

「その辺の問題を解決する為だ。ロレンスは金貨10枚や20枚をネコババして満足するような愚か者じゃないさ」


 ダダンが渋った顔をしたまま、ロレンスにカードを手渡す。


 嬉しそうに受け取ったロレンスにカードの使い方は覚えてるか、確認を取ると自信ありげに頷かれる。


「全額出してみてくれ」


 そう言う俺に「オイッ!」と怒鳴るダダンを無視するとロレンスは与えられた玩具を楽しむようにカードを振ってみせる。


 しかし、金貨は出てこず、いくら振っても出てこないのでロレンスが涙目になる。


「出なくて当然なんだ。これはカードの持ち主じゃないと基本出せない。例外は俺達側の運営が例外になってる。家族ですら出せない安心設計だ」


 それを聞いたダダンも驚いたようであるが、ロレンスの驚きようは凄かった。


「凄いよ、お兄さん! 行商人にとって大金を持ち歩くのが一番怖いんだ。でもこれだったらその心配がいらない!」


 ダダンぐらいになると商隊を組む事で防衛ができるが、行商人は基本、一人で馬車が使えるようになって一人前と言われる程で、大抵は歩きで狙われやすい。


「そうだろう、そうだろう、この機能の名前は『ATC』と言うんだ覚えておいてくれ」



 Automatic = 自動

 Teller = 窓口

 card = カード



 みんな覚えたか? 明日のテストで出るぞ!(決して出ません)


 楽しげな空気が流れるなか、ダダンが手を組んで口許を隠すようにしてロレンスに問う。


「で、ロレンスといったか? それでお前は俺からどうやってランク1のカードを奪おうってんだ?」


 危うく、カード自慢に酔って本題を忘れかけていたが、この2人は浮かれていても忘れてなかったようで、ロレンスは商売用の笑顔を浮かべる。


 おどけた仕草をしながらロレンスは降参するポーズをする。


「まさか、ダダンさんからランク1のカードを奪う方法なんて思いつきませんよ。だから、僕はランク6のカードを希望します。勿論、条件はつけさせて貰いますけどね」


 ダダンとロレンスは交わし合う視線に火花が散ってるように俺の目には映る。


 疎外感を味わう俺は頬を掻く。



 あれぇぇ? 今の俺……空気じゃねぇ? いなくても特に問題なし?




「結構前からそんな感じじゃったぞ?」


 ですよねぇ~


 俺は涙をちょちょぎらせる勢いで流しながら、静観するしかなかった。

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