17話
双子の親を更新した後、また寝ちまったよ……
あれから、長い事悩むかと思えば、意外とあっさりとユニークスキルの載ってる本を読んで決めた3人。
今は、自分のユニークスキルの感じを掴む為に外で試す為に移動中である。
3人のステータスはこんな感じに変化した。
篠山 美砂 ♀
職業:アサシン レベル 10 ポイント 0
称号:フレイヤの加護 糸を操りし者
底なしな一途な少女
スキル: 弦術5 薬学3
ユニークスキル: 七星神拳正統継承者
インスタントスキル: なし
これを選んだ時の美砂は嬉しそうに微笑み、俺を見つめた瞬間、目がぎらついたのを俺は見逃さなかった。
「これで旦那様は死んでも……そうだ、薬学を高めるモノでも良かったかもしれません」
そう言うと楽しそうに本を読み始めた美砂の本のタイトルが『死人にも効果がある薬草学』と書いてたように見えたが、どうやら昨日の疲れがポーションでも癒されてないようで幻覚を見たようである。
ステータスの職業も疲れがあるようで変な風に見える俺は、カバンから目薬を取り出して癒しを求めて使った。
チャロン ♀
職業:サキュバス レベル 9 ポイント 0
称号:アルプの愛し子 魔力の寵児
こう見えても年は3ケタ
スキル: 精霊魔術3 配膳5
情報収集(女性相手限定)
房中術1
ユニークスキル: ドレインタッチ
インスタントスキル: なし
チャロンのステータスを見た俺は固まる。
「な、なんだと? ユニークスキルを付けて何故、スキルが増える……」
しかもなんて恐ろしいスキルが発現してると震えてる俺の視線の先では、嬉しそうに増えたスキルを見つめているチャロンの姿があった。
「お、おそらくじゃが、アルプの愛し子として素養があったが吸ったり、与えたりする事ができなかったのが、ドレインタッチにより目覚めたんじゃないかのぉ……しかももっとも恐ろしいのはスキルの後ろに数字が出ているという事は成長するんじゃぞ?」
そう、ユニークスキルのスキル値というものは存在しないが、スキルとインスタントスキルには存在する。スキルは上限が10でインスタントスキルが5まで上がる。
心労からか、動悸と再び、職業欄がおかしいように感じた俺はカバンから救○を取り出すと迷いも感じさせずに服用する。
そんな俺に嬉しそうに抱きついてくるチャロンが上目使いしながら言ってくる。
「早速、試すのだ!」
「ま、待て、もう出かけてるんだぞ?」
俺の言葉に少し不満そうに眉を寄せるがすぐに気を取り直したようで、「じゃあ、じゃあ」と言ってくる。
「じゃ、お外で……」
「それだけは駄目だぁ――!」
腕で×を作って叫ぶ俺の目の前のチャロンはふくれっ面をする。
そんなチャロンの小さな肩に美砂が触れ、振り返るチャロンに言う。
「私もお外はどうかと思いますし、何より、日がまだ高いです。慌てなくとも夜に試されたら良いのです」
それを聞いてた俺は心で呟く。どうにかしてこれを回避する方法はないかと必死に頭を巡らせる。だが、そんな都合の良い展開を描く方法が浮かばない。きっと今日、俺は死ぬんだと涙する。
そんな俺にカバンが言ってくる。
「あの娘のスキルが本物じゃったら、坊主は死ぬ事も許されんじゃろ―な」
うん、気付いてた。
美砂は俺の体内から強化する事で死なせないようにするだろうし、チャロンは外部から俺を死なせないようにする方法を身に着けたようであるからな……
良くある異世界転移モノで死と隣り合わせというのは、あまた数あるだろうが、嫁に絞り殺される命の危機を毎回味わうというのは少ないはず。嫁が沢山囲う主人公にはきっとそれでも有り余る体力を得るスキルなどを手に入れるのだろう。
切実に欲しいっ!!!
俺は心で魂の叫びを上げた。
色々、諦めた溜息を吐くと俺達が離れた所で拳などを光らせるクリカの姿が見える。
あれはクリカが手に入れたユニークスキルである。
クリカ ♀
職業:格闘家 レベル13 ポイント0
称号:超人 知力がカンスト
呪いから解放された少女
スキル: 格闘技6
ユニークスキル: 気功術
インスタントスキル: なし
クリカ曰く、殴ったり、蹴ったりする時に気を送りこむ事で体内から破壊する事ができる。しかも、魔法生物やアンデットなどにも効果的でアンデットなどには治癒の力を送りこむ事で劇的な威力を発揮するらしい。
まさになんでもありである。
きっとそのうち気を飛ばしたり、空を飛んだり、それこそ髪の色が変わるのだろうと遠い目をしているとクリカが嬉しそうに振り返る。
「これでケンちゃんを疲れを取ってあげられるのぉ!」
「クリカは優しいな……」
涙する俺にクリカは万歳して喜びを示す。
「今日から全開でいくのぉ~」
「待つのだ、いきなりはマズイのだ」
「ええ、まずは手探りでこのスキルがどの程度効果があるか調べてからです」
だと思ったよぉ!!!!
3人はとりあえず加減をミスしても大丈夫なモンスターや害獣を探そうと意気込む。
そんな3人を見送るように遅れて歩く俺にカバンが声をかけてくる。
「坊主、お前の嫁達は将来、何と戦うつもりなんじゃろーな? 魔王か?」
「俺に聞かないで……」
泣きそうな俺は両手で顔を覆う。そんな俺をよそにカバンは「この世界に魔王なんぞおらんはずだがのぉ」と気楽そうに言っていた。
それからしばらく嬉しそうに歩く嫁達の後ろ姿を眺めながら歩いていると後ろから大きな声がして振り返る。
「やっと見つけたぞ、このクソガキがぁ!」
「お、お前はっ!」
振り返った先には大きな犬を従えた男が踏ん反り返って睨みつけていた。
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