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砂漠の星 郵便飛行機乗り  作者: 降瀬さとる
第3章 ラシェット・クロード 時の試練編
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カフェでの接触 1

辺りの喧騒も、一瞬、僕の耳から遠ざかったようだった。


目の前を歩く人々の姿も、随分ゆっくりに見える。


しかしその男の姿だけは、はっきりと景色の中に浮かび上がって見えた。


僕はスコットに気取られぬよう、さりげなく視線を前へと戻す。

思わず足を止めそうになり、それを堪えて歩き続けるのも、かなり骨が折れた。


幸い、僕の焦りは気付かれていないようだが、これがもし横にいるのが、鈍いスコットでなかったらと思うと僕はゾッとする。

やはり監視役を彼一人になるように仕向けておいてよかったと、僕はつい一時間程前の自分を褒めた。


そうやって僕は、なんとか平静を保つ。

そして、手のひらの汗をギュッと握りしめ、


「ナーウッド・ロックマン……なぜ彼がここに……?」


と、その理由を咄嗟に考えていた。

でも……


「彼は確かに僕の方を見ていた」


それだけは間違いなさそうだった。


それは、彼が僕の顔を正しく認識し、さらに僕をどこの誰だか、ちゃんとわかっているということの証左に他ならなかった。

どこで僕の顔を知ったのだろうか?

可能性はいくつか考えられる。しかし、何の確証もなしに推測してしまうのは、あまりに危険だと思われた。それは、彼が僕の敵か味方か、まだ判断できないという観点においても同様だった。


それに……なぜ彼は僕がアストリア城にいるのを知っていたのか?


そうだ。まるで知っていたようではないか。

知っていなければ、わざわざあんな所に座ってなどはいないはずだ。彼が無事だということは、おそらくショットに狙われているのだろうから。こんな城の近くにいては、捕まえてくれと言っているようなものだ。


いや。もしかしたら彼の目的は僕ではなく、ケーン達なのかもしれない。


だとすれば、少しは話がわかる。

そこまでして、彼がここに来る価値も意味も。

ということは僕は彼に、偶然発見されたのだろうか?


彼は、僕の顔を知っていた。そして、何気なくカフェで休憩していたら、偶然、道を歩く僕を発見してしまったという可能性。


なるほど、そういうこともあるかもしれない。


「……いや」


違うな。そんな感じじゃあなかった。


彼の目つきはそんな生易しいものではなかったではないか。


あれはハンターの目だ。


獲物が来るのを草陰でじっと身を潜めて待っている獣の目。

僕はそれを感じ取ったからこそ、こんなにも狼狽しているのではなかったか。

「そうだ…」

それで僕は結論した。


「間違いない…やはり彼は僕に会いに来たのだ」


と。


でも理由は?

もちろんケーン達のことはあるだろう。でも、それだけか?

サマルのことは? ショットのことは?

もしかして、手紙のことも知っているのか?


僕はまた、たくさんのわからないことに、ぶつかってしまった。

でも歩みを止めるわけにもいかない。ペースを落とすわけにも。そんなことをしたら、いくら鈍いスコットでも、気付かれてしまう。


「ちっ……」

僕は心の中で吐き捨て、歩く。


ナーウッドのいるカフェは僕の後ろにどんどん遠ざかっていった。

振り向くことはできないが、たぶんもう、ナーウッドの姿も人混みに紛れてしまって、見えなくなってしまっているだろう。そして、僕の数メートル先には、薬局の方へと進むための曲がり角が迫っていた。


「ダメだ。これ以上考えている時間はない。会うか会わないか、今決めなければ……!」


僕はポケットに手を突っ込み、そう思う。しかし、答えはわかりきっていた。


ここはとにかく、なんとかして一度会ってみるべきなのだ。


でなければ、僕の疑問には、いつまで経っても答えは出ない。

それに、こんなチャンス、次にいつやって来るかわからない……


「せっかく彼がリスクを冒して姿を現したのだ。その意味は、何としても確かめなければ……けど、スコットにナーウッドと会っているところを見られてはダメだ。僕がナーウッドから、何かしらの情報を得たとショットに知れれば、今までのようにのんびりとはいかなくなるかもしれない。まぁ、ナーウッドがどんな情報を持っているかは知らないが、とにかく、このことが原因で、あの3人に危害が及ぶようになっては本末転倒だ。スコットなら、ナーウッドと話しているところさえ見られなければ、後でいくらでも誤魔化しがきくだろう…だから。まずはなんとかして彼を巻かなければ」


僕は必死に頭の回転を速め、考える。

しかし、そうこうしているうちに、僕らは次の曲がり角まで来ていた。

その右方向をスコットが覗き込み、指を差す。


「見えた。あそこだ。あの大型店なら、なんでも揃っているはずだ」


見るとその薬局は、道を曲がってから十数メートル先の場所にあった。その斜め向かいには、例のカフェ『キャット』の裏口に通じる路地が見える。おそらく厨房か何かの入口だろう。カフェに忍び込むとしたら、あそこから入るのが最短距離だ。


僕がそう考え、黙っているとスコットが、

「どうした? 何か気になることでもあるのか?」

と聞いてきた。

だから、僕は努めて冷静に


「いや、ちょっと。今思えば、僕が買おうとしている化粧水とかは、全部ボートバルブランドのものなんだ。だから、アストリアにはあるのかなと思ってさ。まぁ、なかったら似たようなものを探すだけだが……」


と応えた。


「ふむ。どうだろうなぁ。大きい店だから輸入品も多少扱っているだろうが……おそらく、品揃えはまちまちかもな。望みの品で、無いものもあるかもしれん。しかし、私はアストリア製品の方が優れていると考える。だから、何の心配もないと思うぞ」


それに対し、スコットはそう言った。

僕はそれを聞き、相変わらず、すごい自信だなと思う。これも愛国心の表れなのだろうか? たかが、化粧水じゃないか。


僕は呆れたが、

「そうだな。ま、とりあえず入ってみよう」

と言い、スコットを伴って、その大型の薬局に入っていった。


石造りの建物に似つかわしくない、近代的なガラス扉を潜ると、中は思ったよりもずっと広かった。

案内図を見ると、3フロアあるらしい。

一階が生活用品。

二階が医薬品。

三階が化粧品とある。


「この広さで三階まであるのか……ここを利用しない手はないな…」


僕はそう思いつつも、スコットには

「すごいな。確かにここなら、何でもありそうだ」

と言う。

すると、スコットは得意げにふんっと鼻を鳴らし、

「では、さっさと目的の物を買ってしまおう。化粧品は……うむ。三階だな」

と、早速買い物を済まそうと言う。

いつもの僕なら、もちろんそうしたいところだが、ここは駆け引きが必要だった。だから、


「いや、その前に一階を見たいんだが…」


と試しに言ってみた。

その僕の発言に、すぐにスコットは眉間に皺を寄せる。


「一階に何があるというのだ? 用はないだろう」

「いや、言っただろ? できれば掃除用具も欲しいって。あと、タオルとかも」

「掃除用具は城の備品で足りると確認したはずだ。それに、タオルはここには置いていないと思うが?」


スコットは幾分落ち着いた様子で言った。

彼もいい加減、僕に対して、いちいち目くじらを立てても仕方がないと思ったのだろう。

僕としては、今こそ頭に血を登らせて欲しかったのだが……


「いや、一応見てみてもいいだろう? もし、ここにあれば手間が省けるぞ?」

「ダメだ。お前はまたそうやって、無駄に時間を引き延ばそうとする。タオルなら他の店を案内する予定だ。だから、さっさとここでの買い物を済ませろ」


そう言われると、僕は渋々、はいはいと答える。

そして、指示されるがまま、スコットと一緒に階段を登った。


三階に着くとやはりそこも広かった。見渡す限り色々なブランドの化粧品が並んでいる。これなら、僕の探しているボートバルのものもあるかもしれない。

そう思い眺めていると、フロアの奥の方にその、僕の探しているブランドのロゴマークが小さく見えた。だから僕は

「あ。あった。あそこだ」

とスコットに言い、ずんずんとフロアを横切る。スコットもぴったりと、後からついてきた。


見ると、狭いが確かにボートバルブランドのコーナーがある。でも、棚に化粧水はあったが、どうやら乳液は輸入していないようだった。それだけは、代わりのものを探さなければならない。


「何かおすすめはあるかい?」

「私が知っているわけないだろう」


僕が聞くとスコットはそう言った。そりゃ、そうか。普通、男はそんなことは知らないよな。


「お前こそ、何でそんなに詳しいんだ?」

スコットがもっともなことを聞いてきた。だから、僕は

「昔、ちょっとね」

とだけ、適当に答えておく。

そして、辺りをキョロキョロ見渡し、


「仕方ない。店員さんに聞いてみるか……ちょっと待っててくれ。呼んでくるから」


と言い、その場からさりげなく立ち去ろうとした。

すると、スコットが目つきを変え、


「ちょっと待て!」


と声を張り上げる。

僕はその声に不思議そうに振り向いた。


「どこへ行くつもりだ?」

「どこって、店員さんを呼びに行くって言っただろ? 確か、さっき二階に一人いたから、二階に行くんだよ」

「貴様、一人でか?」


スコットは鋭く言った。でも、僕は何食わぬ顔で、


「ぞろぞろと二人で行く必要もないだろ。僕が行けば済む話だ」

と言う。すると、スコットは


「なら、私が呼びに行こう。貴様がここで待て」


と、僕を手で制して言った。

なるほど、そう来たか。

確かにそれならば、彼が階段から目を離しさえしなければ、それだけで僕の逃げ道はなくなる。


本来ならばな。


「はぁ、わかったよ。僕はよっぽど信用がないんだな。もしかして、まだ鼻を折ったことを怒っているのか?」


僕がそう言いながら、元の位置に戻ると、スコットは


「当然だ。ショット様の厳命がなければ、貴様の鼻もへし折ってやっているところだ」


と言い、すれ違いに歩き始めた。


「いいか? 大人しくそこで待っていろ。くれぐれも自分の立場を忘れるな?」

「はいはい。わかってるよ」


僕はそう言い残し階段を下りていくスコットに、にこやかに手を振った。


そして、スコットが僕を怪しみつつも消え、完全に引き返してくる気配がなくなったところで……


僕は素早く行動を開始した。


まず目指すはこの階の正面、左奥。

そこにある非常用扉だった。


それがこの店の案内図に載っていなかったのは覚えていた。そして、載っていないにも関わらず、店の横にはちゃんと非常用の階段が付いていたことも。


火災等の緊急時には、おそらく店員が案内するのだろう。普段は万引き防止のために、その存在に触れていないのかもしれない。しかし、その扉があることは、このフロアに足を踏み入れた時に確認済みだった。


僕はすぐに扉の前に来た。

視線の奥には一人、化粧品を選んでいる女性客がいたが、知ったことか。今は時間がないのだ。

僕はノブを回す。

しかし、やはり鍵は閉められていた。しかもここの鍵は、鍵を使ってしか開閉できないタイプのもので、つまみが内側にも付いていなかった。これでは、開けることができない。


「くっ、何か…何か使えるものはないか?」


僕は周囲の棚を見回す。

すると、そこに女性用のヘアピンが売っているを発見した。僕はそれを躊躇わず取り、開ける。


「すいません。いつか絶対に金は払います!」


そう思いつつ、僕はその袋からヘアピンを二本取り出し、真っ直ぐに伸ばした。そして、その伸ばしたヘアピンを使い、ピッキングを試みる。僕は軍人時代に、こういった技術は一通り習得していた。


「ちっ、思ったよりも複雑な鍵だな……」


が、焦る気持ちも相まって、なかなかうまくいかない。女性客の怪しむ視線も気になった。彼女がスコットに何も話さないことを願う。


「もう少しっ…よしっ!開いた!」


それでも僕はおよそ30秒で鍵を開けることができた。際どいタイミングだ。早ければ、そろそろスコットが戻ってきてもおかしくない頃だ。

僕はすぐに扉を開けると、するりとその隙間から外に出た。


そして、そっと扉を閉めると、猛烈な勢いで階段を駆け下りる。


目指すはあのカフェの裏口に通じる路地だ。


そこにさえ、見つからずに入ってしまえば、きっとスコットは巻けるだろう。なにせ、彼は僕の目的地がカフェであることを知らないのだ。あとは、ナーウッドに会ったのち、何食わぬ顔で薬局のどこかのフロアに戻ればいい。さも、ずっと薬局にいたかのように……


「そううまくいくとは思わないが、目撃さえされなければ……何も証拠は残らないっ!」


僕は三階分の階段を一気に駆け抜けると、人混みに紛れ、転がるように路地に飛び込んだ。

そうして、ゴミ箱の裏に身を潜め、薬局の入口の様子を伺う。


すると案の定、10秒後くらいにスコットが目を吊り上げて出てきた。間一髪だった。


スコットは見るからに怒っている。顔は真っ赤だ。

彼は左右を素早く見渡すと、何やら大声で吐き捨て、カフェのある方とは逆方向へと走って行った。

確かにセオリーとしては正しかった。なぜなら、その方向が城から遠ざかる方向だったからだ。僕もただ逃げるだけであれば、おそらくそちらへ逃げただろう。

でも今回の場合、スコットはもっとよく店の周辺を探ってみるべきだったのだ。それに店内のチェックと聴き込みも。

こんな短時間で遠くまで行けないのは明らかなのだ。それに、うまくすれば先程の女性客から証言を引き出せたかもしれない。


「ふーっ、しかし、僕としては助かったな……」


僕はそう思うと、ほっと胸を撫で下ろした。

ひとまず、スコットはうまく巻くことができたのだ。

果たしてこれで、何分くらいの時間の余裕ができたかはわからないが、たぶん、10分程度はナーウッドと話せるだろう。


だとすれば、こうしているのもタイムロスになる。

僕はそう思うとスクっと立ち上がり、辺りを警戒しつつ扉を開け、カフェの厨房へと入った。


僕が厨房に入ると店員は皆、きょとんとしてこちらを見た。

僕はその視線を、


「すいません。客です。入口、間違えました」


と言いながら、足早に掻い潜る。

はっきり言ってかなり怪しかったが、「客」と聞いて、皆の判断が鈍ったらしく、簡単に店内まで抜けることができた。


そして、店内に出ると、僕はテラス席のナーウッドを探す。

すると彼はまだ、あの席に座っていた。


「よし。まだいた……」


僕は、密かな不安材料だった彼の移動が行われていなかったことを知ると、今度こそ安堵した。

まだ油断はできないが、どうやら接触することは叶いそうだ。


僕はそのナーウッドの後姿をずっと視界に入れつつ、カウンターに行き、アイスコーヒーを注文する。


「どちらのお席でしょうか?」

マスターが聞いてきた。だから

「あそこのテラス席。金髪、長身の男の連れさ」

と、僕は席を顎で示す。

すると、マスターはコクッと頷いた。品は後で、運んできてくれるらしい。


僕は代金を置くと、ナーウッドのいる席へと向かった。


一歩一歩近づくにつれ、視界の中の彼の背中がだんだん大きくなる。


そして、僕がテラスへ出、彼の前に回り込み、向かいの椅子に腰を下ろすと、まるで僕がここに来るのをわかっていたかのように、ナーウッドは不敵に微笑み、


「来たな。ラシェット・クロード」


と言った。


なるほど。やはり知っているのだ。僕のことを。だから、僕は余計な自己紹介などなしにして、


「はじめまして。ナーウッド・ロックマン。でも、どうしてここに?」


と聞いてみた。

すると、ナーウッドはニヤリと、より一層瞳を強く輝かせて

「あんたに会いに来たんだ」

と言う。


会いに来た。

わざわざ捕まっている僕に。


色々と細かく聞きたいことはあったが、時間がない。だから、僕はなるべく質問の的を絞って、話しをしようとする。


「なるほど? でも、どうして僕がここにいると? それに、なぜちょうど城から出てきたタイミングでここにいたんだ? 」

「タイミングが良かったのは、俺の相棒が城を見張っていたからだ。それであんたが城から出たことを知った。そして、そもそも、あんたがここに捕まっていると知っていたのは、他でもない。キミさんから聞いたからだ」


「なっ! キミに会ったのか!?」


そこで僕は驚かざるを得なかった。

その声にナーウッドは、

「ああ、会った」

と言う。


「まさか……」

まさか、ナーウッドがキミから情報をもらっていたとは、予想もしていなかった。

ということは、少なくとも彼は僕の敵ではないのか? いや、まだ確信できる材料が足りない。それには、キミ達とどのように接触し、行動したのかも聞いてみなければ……


そう僕が、驚きのあまり次の質問ができないでいると、ナーウッドが姿勢を改め、


「……ところで、時間はどのくらいある?」


と、聞いてきた。だから僕も顔を上げ。


「あまりないな。保ってあと、7、8分というところだろう」


と正直に答える。

それにナーウッドは頷き、


「わかった。こりゃ、お互いに時間がなさそうだな。だから、簡潔に用件だけ先に言っておこう」


と言う。

僕はその言葉に引っ掛かった。

用件? と。

やはり、ナーウッドには僕に会う目的、頼み事があったのだ。そして、それはおそらく、十中八九……


「ラシェットさん。ヤン達は無事なのか?」


やはり。そのことだと思った。

僕は予想通りの質問に、素早く


「ああ。大丈夫だ。皆、無事だよ」


と、きっぱりと答える。

すると、それを聞いたナーウッドが初めて、表情を和らげてくれた。


「でも、素直に喜べる状態じゃない。今のところ助けるための糸口もない」


でも、僕はあえて事実を口にした。


なにも僕だって状況を悲観しているわけではないが、根本的な解決については、やはり見通しが立っていないことを認めざるを得ないのだ。だから、僕はそう言った。


しかしそれに対し、ナーウッドは


「いや、大丈夫だ。なぜなら、もう一つの用件はそれだからな」


と、落ち着いた様子で言うと、足元のリュックから何やら取り出し、僕にチラッと見せた。

「なっ…!」

それを見て、僕はまた驚かされた。


それは、形は微妙に異なるが、確かにあの三人が被らされている機械だったからだ。


ナーウッドは僕がそれを見たのを確認すると、周囲を気にし、機械をまたリュックに収めた。そうしてから、僕を真っ直ぐ見つめ、


「これは、キミさん達とアスカ遺跡で見つけたものだ。そして、そこで俺達は、これを使ってヤン達を助ける方法も知った」


と語った。


「同じ機械を使って、助ける?」


僕はそれを、半信半疑で受け取る。

その疑問を悟ったのか、さらにナーウッドは


「信じられない気持ちはわかる。でも、信じてもらうしかない……もしくは、この数分間で信じてくれるようになるしかっ…! だから、まずは情報交換だ」


と続ける。

その意見には僕も賛成だった。このままでは、あまりにも材料が足りない。

だから、僕も


「そうだな。まずは情報交換。信じる、信じない。協力する、しないはそれからだろう」


と、それに応じた。


こうして、なんともピリピリとした午後のティータイムは始まったのだった。


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