緋色 1
アストリア王国の城下町を出、さらにその周りの郊外を抜けると道は一気に広くなる。
そこからサウストリアまではずっと、所謂田舎道だ。
途中途中には、昔ながらの面影を感じさせる小さな村が点在し、それらは大きな風車小屋や石造りの教会を有している。そして、村はその教会を中心に円を描くように形作られているのが遠目から見るとわかった。
そういった村がある以外の土地は大体、畑か牧場か、はたまた何もない草原で、山は見渡す限りはない。土地が高くなっている所があるとすれば、それは丘か古墳だった。
アストリア大陸の中部から南部。
この辺りは一面広い平野なのだ。
そんな平和な田舎道に激しい砂煙りばら撒き、うるさいバイクのマフラー音を響き渡らせながらカジ・ムラサメは
「こういった景色はどこも変わらねぇものだな」
と故郷、ボートバル大陸にある懐かしい片田舎のことを思い出していた。
でも、ふと思い立ち、今度は道沿いの野原をただぼんやりと見るだけでなく、注視して見てみた。
すると、一見どこも変わらなそうな景色でも、自生している木や雑草、野花の中に初めてみるような種類のものが混じっているのが見てとれた。
なるほど、よく見ると違うところもあるんだなとカジは感心する。世界の多様性と類似性とはこういうものかと。まぁ、類似性の方は主に人間が、多様性の方は主に自然が作りだしているのだが。カジは意外にもこういうことを考えるのが好きだった。
地平線の向こうからは朝日が昇り始めた。
カジはそれを目を細め、眩しそうに眺める。
そして、しばらくするとまた前方を睨み、運転に集中した。そんなふうに余所見運転をしてもまるで平気だった。なにせ、昨夜一晩ですれ違った車はわすがに二台で、最も危ないと思った瞬間は猫が道に飛び出して来た時という有様なのだ。
しかも、広い一本道ときている。これなら多少居眠りをしてしまっても無事にサウストリアに着くのではないかとさえ、カジは思った。
実際、彼はとても眠かった。
カジはショットの追っ手を振り払ってからここまで、一晩中走り続けてきたのだから。
それは、追っ手からより確実に逃げ切るためということもあったが、それよりもラシェット・クロードへの伝言と援護のために、早く彼と合流しなければという使命感が働いていたことの方が大きかった。
そして、その使命感とは主に彼らの上司への思いからきている。彼らは上司のことを信頼し、尊敬していたのだ。
が、その上司が異動になった。しかも、突然の不当な左遷だった。しかし、上司はそれに対し文句一つ言わず従った。
そして異動の前日、上司は彼らに最期の指令を与えたのである。即ち、上司の友人でもあるラシェット・クロードと合流し、彼を助けてくれないかと。
彼らはその指令に驚いた。なぜなら彼らはラシェット・クロードを尾行するという簡単な任務を、一度失敗していたからだ。にも関わらず、彼らの上司であるリー・サンダース少尉は自分達を信頼し、命令してくれたのである。それも、自分の友人を助けて欲しいという、とても個人的なお願いを。
彼らはリーの気持ちが嬉かった。だから、今度こそ任務を全うしたい。そう強く思っていた。
それに、自分達もリーと一緒に調査をしていて感じたのだが、この件の裏には何かとてつもなく大きな事が隠されているような匂いがする。
だからこそリーは飛ばされたのだろうとも容易に想像ができた。ということは、この件に関わっていけば、いずれリーの不当な扱いを解くこともできるのではないかと、彼らは考えていたのだ。
それも彼らがこうして田舎道を爆走している、大事な理由の一つだった。
「ちょっとカジッ!飛ばし過ぎよ!サイドカーに乗ってる私の身にもなってよね。こっちはそっちが思っている以上に揺れるし、地面に近くて怖いんだから!」
カジが運転に集中していると、相棒のミニス・マーガレットは言った。どうやら、知らず知らずのうちにアクセルを開け過ぎていたらしい。
それを聞いてカジは横に乗っているミニスの方を見る。そして思った。そういえば、こいつのことを全然気にしていなかったなと。
見るとミニスは自分が貸したライダーズジャケットを着て、なにやらこちらに抗議の視線を送っていた。しかし、それを見てカジが思ったことは「こんなギャーギャーうるさい女にも怖いとかいう心があったのか」ということだけだった。なので
「うるせぇ。お陰で思ってたよりもずっと早く、サウストリアに着きそうじゃねぇか。ちっとくらい我慢しろ」
と言った。
実際、彼らの乗るバイクはサウストリアのもうすぐ近くまで来ていた。
でも、ミニスが言いたいのはそんなことではない。それはいいが、もう少し配慮しろということだったのだ。が、それ聞いた後でミニスは「あ、こいつに配慮とか言っても無駄だったわね」と思い直した。少しでも気を使ってくれるのではないかと期待した私がバカだったわねと。
「はぁ」
ミニスはため息をついた。まぁ、いつものことなのだが、こんな援護もない異国での任務をこいつと二人だけで、無事にやり遂げることができるのか。ミニスは先行きに不安を感じずにはいられなかった。なんでリーは私をこんなやつと組ませたのだろう。しかもコンビを組んで、もう三年になる。その間、相棒変更のお達しは気配すらなし……これでは、私の活躍の機会は永遠にやって来ないのではないだろうか。ミニスは思っていた。
「私だって、リー少尉に良いとこを見せたいのに……」
「ん?なんか言ったか?」
カジはあっけらかんと言う。すると、ミニスはかちんと来て
「何でもないわよバカジッ!わかったなら、もっと飛ばしなさいよ!今度こそリー少尉の期待に応えなきゃいけないんだからっ」
とヤケになって叫んだ。
「は?なんだよ、それじゃさっきと言ってることがまるで逆……」
「いいから、さっさとするっ!これは命令よっ」
カジはその剣幕に呆れてしまった。実はちょっとスピードを出し過ぎていたことを反省し、速度を緩めていたのだ。それなのに、ミニスはまた謎の癇癪を起こしている。カジには不可解だった。しかし、結局は
「またそれかよ。へいへい、わかりました。じゃあ飛ばすぜ、ビビんなよ?」
と、カジはいつもミニスの命令には絶対に従うのである。なんだかんだで、いいコンビなのだ。だからリーはこの二人を組ませているのであった。
カジはアクセルを回す。すると彼の愛車はますます激しい音を鳴らし、このまま空へ飛んでいってしまうのではないかという勢いで疾走する。
ミニスは激しい風に目を瞑りながら
「そういえば、ラシェットさんの滞在先。あんた、調べるとか言ってたけど、調べはついたわけ?」
とカジに聞いた。するとカジは得意げに言う。
「ああ。俺様のスーパーネットワークを持ってすればお茶の子さいさいさ。さっき連絡をもらった。それによるとラシェットさんはラファイエット・サウストリアっていうホテルに3日間部屋を取っているらしいぜ。ラファイエット系列といえば中々の高級ホテルだ。いい所に宿をとったもんだね。まぁ、それにもなにやら事情がありそうで、ラシェットさんはなぜか女の子を連れていたらしい」
「女の子?」
ミニスは驚いて聞いた。
「なに?ラシェットさんは旅の途中で彼女を引っ掛けたってわけ?」
「いや、どうもそういうわけでもないみたいだ。なにせ、連れていたのはせいぜい14、5歳の女の子だったらしいからな」
カジがそう言うと、ミニスはなおさら嫌な顔をして
「えっ!?なに、ラシェットさんって少女趣味なわけ?」
と言った。
「は?いや、そんなことは知らねぇけどよ。ま、普通に考えればそうじゃなくて、他に事情があるんだろう?」
カジは言う。が、ミニスは
「いや、わからないわよ。最近の男どもは若い子、若い子って言って、大人の女の魅力ってやつがまるでわかってないからね」
と何やら自論を言い出し、聞く耳を持たなかった。
「うーん、そうか?俺はそんなことはねぇと思うけどな」
それを聞いてカジは首を傾げる。
「ま、でもよかったな。それなら、少なくともリー少尉は完全に違うぞ。なんたって少尉の入れ込んでるクラブ・スウィートのマリアちゃんはボンキュッボンの大人の魅力溢れる女性だからな。しかも、どっかの誰かさんと違って優しくて包容力もあるし、なにより聡明ときてる。ほんと、お前には不利……」
「ねぇ、カジ?」
その恐ろしい声色にカジが振り向くと、ミニスはサブマシンガンをカジに向けてぴったりと照準していた。
「それ以上マリアちゃん話を続けて御覧なさい?その口、利けなくしてやるわよ?」
ミニスは言った。
マリアちゃんの話をすると、いつもこんな反応をするのだ。でも、カジはそれをわかっていて、恋愛が話題にのぼると毎回、わざとこの話をした。で、いつも
「へいへい。すいませんでした。もうしませんよ」
と謝るのである。
これはリー少尉が一年程前にマリアちゃん通いを始めた頃からの、お決まりのネタだった。カジはミニスがリーに思いを寄せているを知っているので、それをからかっているのだ。
でも、本当はカジも心苦しかった。こんな感じでしかミニスを励ましてやれないのが。
なんといってもリーはミニスに本当に興味がなさそうなのである。
「はぁ」
カジは息をついた。
こればかりはどうしようもできない。自分にはこの話題を笑い話に変えるくらいしかできないのだ。
「お前も、そういうガサツなところを直せば結構いい女なのによ……」
「えっ?なんか言った!?」
ミニスのその言葉にカジはただ、
「別に。なんでもねぇよ」
と答え、またスピードを上げたのだった。
日が完全に昇りきる前にサウストリアに着くと、二人はバイクをホテルのパーキングにとめた。
ここにチェックインするためである。
そうでもしなければ、ここのセキュリティーを掻い潜ってラシェット・クロードの部屋までは行けないからだ。予約はカジの知り合いが既に取ってくれているとのことで、もういつでもチェックインできるらしい。
ミニスはそれを聞いて、一体このカジの知り合いだという連中はどういう人達なの? と思う。考えてみれば、もう三年もコンビを組んでいるのにミニスはカジの身の上話や友人の話など、ひとつも聞いたことがない。まぁ、それはお互い様で、いつもバカ話ばかりして、自分もカジに身の上話などしたことがなかったのだが、やはり気にならないと言ったら嘘になる。
「今度、暇があったら聞いてみようかな」
ミニスはそう思った。
二人は回転扉を抜け、ガードマンに会釈をしつつフロントへ向かう。
しかし、その姿はあまりさまになっていなかった。なぜなら、二人ともキャリーバックひとつ持っていなかったし、格好はいつものスパイルックでサングラスまで掛けているのだから。とても高級ホテルの客とは思えない。この服装の趣味だけはなぜか気が合うのだ。
「昨日、予約したカジ・ムラサメです」
フロントに着くとカジは言った。
「はい、ムラサメ様ですね。お待ちしておりました。では、お手数ですがこちらにご記入をお願いします」
フロント係から万年筆を渡されると、カジは用紙に記入する。そうして記入しながら
「そういえば、ここに昨日からラシェット・クロードという男が泊まっているはずなんですが、何号室に泊まっているかお教えいただけませんか?彼とは古い友人でして、昨日連絡をもらったのですが、どうも何号室と言っていたか記憶が曖昧になってしまいまして」
となにげなくフロント係に聞いてみた。しかし、フロント係はその言葉になんとも爽やかな笑顔のまま難色を示し
「左様でございますか。しかし、そういったことは私からはお教えすることはできませんので……」
と言葉を濁した。
「そうですか……」
カジは残念そうに言う。さすがにダメだったかと。
でも、これ以上の考えはまだカジにはなかった。さぁ、どうするかなぁとカジが悩んでいると、その様子を見かねたのかフロント係が
「あの、よろしければ、その階のガードマンにお伺いを立てさせましょうか?そういたしましたら、私もお教えできますので。それで、できればお連れ様のお名前も教えていただいてもよろしいでしょうか?」
と提案してきた。
「あ、はい。連れはミニス・マーガレットといいます」
「かしこまりました。カジ・ムラサメ様に、ミニス・マーガレット様ですね。では、ガードマンにラシェット・クロード様の部屋に確認に行かせますので、どうぞ少しロビーにてお待ちください」
手続きを済ませ、言われるがままロビーのソファに腰を下ろしたカジは、しまったなぁと内心思っていた。
これは、一見フロント係の親切心に思えるが、実は自分達のことを疑っているのである。
もちろん、自分たちは見た目はこんなんだが、決して怪しい人間ではないし、ラシェットにとって危ない人物でもない。しかし、問題はラシェットがこちらの名前と存在を把握していないことである。
合って話せばすぐにわかるだろう。しかし、第三者を介在させてのやり取りではそうはいくまい。いや、それ以前にラシェットが「カジ・ムラサメ?知りませんね、そんな人は」とでも言ったらカジ達はこのホテルからつまみ出されてしまうに違いない。そうなったラシェットがこのホテルを引き払うまで、彼との接触は困難になってしまう。
「さて、どう出ますか……」
「ねぇ、フロント係の人、戻ってきたわよ。あ、こっちに来るわ」
「ムラサメ様、マーガレット様」
そういうとフロント係はバツの悪そうな顔をした後、すぐにまた爽やかな笑顔に戻り
「大変失礼いたしました。どうぞおいでくださいとのことです。611号室でございます」
と頭を下げながら言った。
二人はあっけにとられた。
そして、あ、どうもと言いながらも、心の中では「なんで?」と互いに顔を見合わせたのだった。
コンコンコン
「ラシェットさん、いらっしゃいますか?私はカジ・ムラサメと申します。リー少尉の使いでやって来たものです」
カジはドアをノックして必要最小限の声でそう言った。
しかし、返事はない。
カジは思い切ってドアノブを回してみる。すると、ドアに鍵は掛かっていなくなんの抵抗もなく少し開いた。
カジは後ろに立つミニスにちらっと視線を送る。しかし、それを見るよりも前にミニスは既にジャケットの中に吊っているサブマシンガンに手にかけていた。
二人にはわかったのである。このドアの内側、そのすぐ近くに強烈な殺気があるのを。
カジもオートマチックに手をやる。そして爪先で小さくトントントンとカウントすると、いつもミニスと打ち合わせしてあるタイミングで、二人同時に部屋に転がり込んだ。
ドアの内側にはやはり、男が立っていた。グレーの髪をし、口ひげを蓄えた老紳士のようだが、鋭い目つきをした屈強な男である。しかし、その気配とは裏腹にカジ達の動きに対して微動だにしない様子だった。
カジとミニスは銃を構えつつも、奇妙に思い部屋を見渡す。
すると、まず目に飛び込んできたのは椅子に縛り付けられている二人の男だった。一人は中肉中背の男で太ももに血のべったりついた包帯を巻いている。もう一人は小さな小太りの男でこちらは腕に包帯を巻いていた。そして、二人とも口にタオルを巻かれ、全くしゃべれない状態だった。
「おい、なんだなんだ……?」
二人が状況を飲み込めないでいると、部屋の奥から
「さっき言ってたことは本当?」
と幼くもどこか、落ち着いた雰囲気のある少女の声が聞こえた。
二人は慌ててそちらに目を向ける。
するとそこには深々とソファに座り、氷砂糖を齧っている少女がいた。
二人は益々驚く。しかしそんな様子など構うことなくキミは
「あなた達がリーさんの使いだって」
と続けて言う。
その言葉になんとか反応したのはミニスだった。ミニスは
「ええ。そうよ。私たちはリー少尉の部下で、私はミニス・マーガレット。こいつがカジ・ムラサメ。私達はリー少尉の命令でラシェットさんの手助けにきたの。あなたは?」
「私はラシェットの友達よ。名前はキミ。キミ・エールグレイン」
キミは素っ気なく答えた。そしてまた氷砂糖を齧る。
二人は事前に情報として少女がいるということを知っていたのに、目の前のこの少女には、いささか面をくらってしまった。
それは、このわけのわからない状況もさることながら、その中でこれほど堂々としている少女の姿に絵も言われぬ迫力があるように感じられたからだった。
それだけに二人はまた混乱してしまう。全くわからないことだらけだ。
だからミニスは質問を続ける。
「キミさんね。わかったわ。それで、とりあえず私たちのことは信用してくれる?」
「ええ。信じるわ」
ミニスに聞かれ、キミは言った。すると
「おいおい、そりゃありがたいけどよ。キミさん、なんでそんなに簡単に俺達を信用できるんだよ」
とカジが引っ掛かったので聞いた。それに対しキミは
「さぁ。なんとなくよ」
と言う。これにはさすがのカジも呆れ果てた。
「あのなぁ、この状況でなんとなくはねぇだろ……」
「そうね。でも私は人のことは見た目でなんとなく判断することにしてるの。ま、あなた達が最初からリーさんの使いだってフロントに教えていてくれたら、もっと手っ取り早かったとは思うけど」
キミは不満げなカジにそう言った。するとカジは
「あ、そっか。そういえば言わなかったっけな」
と頭を掻く。
そのやり取りを見ていたミニスは
「バカジ。そんなこと、あんなに不特定多数の人間がいる所で言えるわけないじゃないの。まぁ、いいわ。細かいことは。それよりも気になるのは、キミさん。ラシェットさんはどこにいるの?見た感じ、ここにはいないみたいだけど」
と聞いた。
するとキミはいくらか悲しげな顔になって
「ラシェットはここにはいないわ。昨夜捕まってしまったみたいなの」
と言った。
「つ、捕まった!?」
二人は声を揃えて言った。
「チッ、ちょっと遅かったってわけか」
そして、カジは吐き捨てた。
どうやら、自分達が想定していた以上の早さで、ことは起こってしまったらしい。
「でも、キミさん。どうして捕まってしまったって、あなたにわかるわけ?あなたはここで、こうして無事なのに」
ミニスが聞くと
「私がわかったのは、この人達から聞いたからよ。そして私がここに残っているのは、ラシェットとは昨夜、別行動をしていたから。ラシェットは昨日、一人でニコ・エリオットに会いに行ったの……」
キミはそこまで説明すると、突然何かを思いついたように黙った。
そして、目を見開き、さっと立ち上がると
「私ったら、本当に間抜けだわ!まだ、手がかりは残ってるじゃないの!」
とひとり呟いた。
その様子をきょとんとして見守るカジとミニス。
まだまだここにいる男達のことや、どうしてラシェットは捕まってしまったのか、など聞きたいことは山ほどあるのに、今度はどうしたというのだ?
「おいおい、お嬢ちゃん、どうしたっていうんだい?手がかりっていったい……」
カジが言いかけると、キミはその言葉を手で制して
「事情は追って詳しく説明するわ。でも、今は私に力を貸してっ!お願い」
と言った。
そして、
「だからまずは、何も聞かずにこの椅子の二人を警察に突き出すのを手伝って。怪我もしてるし、私一人でどうしようかと思っていたところなのよ」
と椅子に縛られている可哀想な男二人を指差してキミは言った。
それを聞いてカジとミニスの二人は、また「どういうことなんだ?」と顔を見合わせるしかなかった。




