第18話『嘘の鷽』
これまた二日ぶりです。
この回から物語も終盤。
どうです?一話から読み直してはいかがでしょうか?
別に媚びてる訳じゃありませんよ?
では、今回も、パロネタあるので注意して下さい。
第18話…
もしも登校する時に、右ではなく左に曲がって、
女の子にぶつかったら……
……………………………………………………
さあ皆さん…
とうとう魁斗は過去を超える事ができましたね…
これで…魁斗はもう過去に囚われる事は無いでしょう…
だけど…気になる事が…ありましたよね?
魁斗の中で目覚めた力…
新たな力……
それによって…新たに失う“代償”…
残念ながら…悲劇の風はまだ吹き続けるです…
さて…物語は終盤に入りました……
それでは能力者ファイト……………………………
レディ……
ゴオオオオオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!
第18話『嘘の鷽』
~始まります
……………………………………………………………
「ふわあ~あ…」
ガツン!!!!
「イテぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
…………………何が起きているかが意味不明なので説明しよう!!!!!
ここは魁斗の家だ!!!!!
そしてこの部屋は魁斗の部屋だ!!!!!
そして今は朝!!!
魁斗は寝ぼけながらベットから起き上がり…
そして……ドアに右手を付け…
そのまま前方に倒れた…
何故だ?!
だって眠いからだ!!!!!!
勿論…ドアは世界一硬いドアに変わってるのだ…
そりゃ叫ぶわ…
………………………………
「うにゃー…どうやったらそんなデカイたんこぶできるの兄貴?」
「うるせー…黙っとけ…」
よりによって右手で触れてしまうとは…失態である………
「たく…アスカに馬鹿にされるな…コリャ…」
「?…アスカ……?」
「ああ…部活の仲間だ…(今のところ)…」
「うにゅー」
さて、朝食も食べたし…
歯を磨いたし…着替えもしたし…
…学校に行くとするか…と、魁斗は玄関のドアの前に立つ…
今度は確り左手で握った…
「そういえば、叔父さん来るのって来週だっけ?」
「うん、メグお姉ちゃんも来るみたいだよ?」
「…アイツも来るのかよ…」
メグとは…早乙女 巡の事である…
巡とは、叔父さん夫婦の娘で、アメリカ人とのハーフ…
即ち、魁斗の従妹である…
魁斗は彼女は嫌いではないが…巡が苦手であった…
日本語喋れる癖に変な喋り方をするし…
日本アニメの事を何でもかんでも聞いてくるからである(ヨ○ガノ○ラまで…)…
下手すると、お土産にとか言って…秘蔵のフィギュアや漫画とか…
サークルとかの薄い本とか持っていかれてしまうかもしねかねない…
「部屋片付けねーと…」
そう考えながら…魁斗は何時も通りに玄関のドアを開いた…
ガン!!!「きゃぁ!」
「…ガン?」
それは…開いたドアが何かぶつかった音…
何かにぶつかったのか…ドアの隙間から顔を出し確認してみると…
「…………………」
「………………いや…あのな…その…済まんアスカ…」
そこには…金髪美少女…積川 アスカがそこいた…
「……済まんで許されると思うの?」
「…待て待て、仕方ねーだろ?知らなかったんだから…」
「ドアぐらい確認して開けなさいよ!!!!」
「無茶苦茶言うなよ!!!そんならチャイムぐらい鳴らせよ!!!!」
「アンタの部屋にチャイム付いてないでしょ!!!!」
「じゃあノックぐらいしろよ!!」
「う、うっさい!!何で私がノックしなくちゃいけないのよ!!」
「じゃあ…何でドアの前に居たんだよ…」
「そ、それは…」
急に黙り込むアスカ…如何したのだろうか…
(…やべ…不味い事、言ったか俺?)
その時である…
「うにゅにゅ…脇から見てみれば…全然駄目だね兄貴…」
くっ、来たか…
妹のご登場である…
「鼻で笑うな…つか、本当に俺の脇から覗くな!!!」
「うにゃ~…ギャグパートでギャグやらないと…ギャグパートじゃないよ兄貴」
「まあ…シリアスパートでギャグやるのも困るけどな…って、そうじゃないだろ!!!!!!
俺の何が駄目なんだよ!!!!!!!!!!」
そう、どうだっていいのだ!!!!!
Vガ○ダムのトム○アットとドムット○アの違いぐらいどうでもいいのだ!!!!
今そこは重要ではないからだ!!!!
「兄貴は一体、何冊のラブコメを読んできたの?」
「お前は今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」
即ち…
そう言う事である…
「うにゃ、なら今日一日を振り返れば解る」
「そうなのか?」
ってか、まだ一日が始まったばかりでは…?
「うにゅ…先ず…この金髪美少女さんは積川 アスカさん…OK?」
「OK。って何で知ってる?」
「うにゅにゅ…話しの流れ的に…後、実は前に下の部屋に挨拶に行ったから知っていたの」
「そうか…兄貴に黙って挨拶か…」
そのせいで…ついこの間まで、アスカが下の部屋に住んでいるとは知らなかった…
「そして何だか知らないけど、積川さんと兄貴は知り合いで部活の仲間!!」
「ああ!!」
「そして兄貴は朝、大声をあげた!!!!!」
「ああ!!!!!!!」
即ち!!!
「うにゃ!!即ち、積川さんは兄貴を心配して家の前に待っててくれたんだよ!!!!!」
ダダーン!!!!!!
「な、なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええ?!!!!!!!」
何と!!
あのテンプレのツンデレこと、アスカさんが!!!
魁斗の家の前で待っててくれていたのだ!!!!!!!!!
「か、勘違いしないでよね///!!
べ、別に、し、心配とかしてた…わけないし……」
ダダーン!!!!!!!!
美穂は驚愕した!!!!!
「う、うにゅ…?!つ、ツンデレだ…ほ、本物のツンデレだ…」
漫画やアニメだけで…実在はしないと思っていたツンデレが…目の前に…
「うにゃ!!しかもそれだけじゃない!!ツンデレが、
“ツン”“デレ”ている!!!!
即ち!!兄貴は!!!!
先ずフラグを立て!!!!
ある程度の好感度を達して!!!!
必要な必須イベントをこなし!!!!!!!
ツンデレを…
“ツン”“デレ”させた!!!!
そんな、そんな!!!!
今まで、恋愛なんてまともに経験したことのないあの兄貴が?!!!!!」
もうこれは攻略したのも同然だ!!!!!
「うにゅ…?兄貴…告白…したの?」
「はあっ?!…ああ、いや、」
宣言はしたが…
「き、キスとかも…して…」
「ちょ、」
「うにゅにゅ…そ、そ、そ、そ、そ、そ、それとも…//
も、もうやっちゃっt、」
「ああ黙れ黙れ!!!!中学生がマセた事を言うじゃないぞ!!!!
い、行くぞっアスカ!!!」
「あっ!!待ちなさいよ魁斗!!!!!」
魁斗は慌てて階段を駆け下り…アスカがそれを追いかける…
微笑ましい光景だ…
「…うにゅー…いいなー兄貴…。
私も…あんな感じに普通で…素敵な出会いがしたいよー…ハア…」
去っていく二人の背中…
幸せそうだから何時までも見ていたいが…美穂も学校であり、部屋に戻り支度を始めた…
“後悔”する事になることも知らずに…
……………………………………………………………………
「…済まん…本当に…ドアやら妹やら…」
「べ、別に…気にして何か…ないし//」
少し話し辛いムード…
これなら、ドアの事は素直に引き下がれば良かったっと、互いに思ってたりするのであって…
だが、話し辛いムードは続かない…
何故なら、この二人の仲は最早、そんな仲なのだ…
「なあアスカ…待っててくれたのは嬉しいけどよ…良かったのか?」
「えっ?」
「チップ…長官から貰ったチップの解析作業があるんじゃ…」
その為、今まで一緒に登校しようにも時間がずれていたのだが…
「…うん、大丈夫。あれは昨日…解析が終わったから…」
解析が……終わった…?
「終わったのか?!…じゃあ中身は…?」
大企業が態々能力者を送り込んでまで手に入れようとしたチップ…
「それが……」
浮かない顔をするアスカ…その中身の正体は……?
………………………………………………………………
嘘…だろ?
「空…だった…?」
大企業が狙っていたチップが空?
空っぽ?
そんな馬鹿な…
「別に…全部が全部…空な訳じゃなかったんだけど…
殆ど必要のない情報ばかりで……」
「そんなのに…俺たちは…」
自分たちだけではない…
敵の能力者だって命を懸けていた…
負けた能力者は…ナイトメール、自らの手で削除されている…
それなのに…チップは空…
無である…
「一体…俺たちは…何の為に………」
「でも…魁斗…私はこのチップはこれだけじゃないと思うの…」
「これだけじゃない…?」
「このチップ自体が鍵になっているとか…」
「…鍵か…」
有り得ない話ではない…このチップではないと大切な情報が読み込めないとかそんな仕様もあり得る…
「…それだけじゃないわ…このチップを持っていて私は…」
アスカが………立ち止まる………
ここは…
あの交差点だ………
アスカとぶつかった交差点だ…
「魁斗にも…出逢えた…」
「……そうだな…」
自分もそうだ…
今まで以上に仲間も増え…
ずっと囚われ続けた過去を超えれた…
そして…………
アスカと出逢えた…
「アスカ…」
「どうしたの…?」
「俺……絶対にナイトメールをぶっ潰す…だから…約束…忘れるなよ」
「魁斗…………//」
よさげな雰囲気だ…………
でも…まあ…ここまで読んでくれた皆様なら解りますよね?
突然とは!!!
突然起こるから!!!!
突然なのだとおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!
「ククク…良いところですが…お邪魔しますよ」
第三者の声?
「誰だ?!」
「ナイトメール?!」
魁斗はシャーペンを!!
アスカは拳銃を引き抜く!!!!!!
声の主は前方から現れた!!!
前方にいるのは…
女性にしては大柄な女性だ…
「初めまして…私はボスの秘書を務める…リトと申します」
丁寧な自己紹介…紳士的な態度…
だがスリッパパとは違い…感じるのは悪意のみである…
「…まあ…一先ず…解析御苦労様です…アスカ様」
「なっ…?何でそれを?!」
解析が終わったのは昨日であり…
このことは魁斗しか話しておらず、勿論、情報が漏れるような事は一切していない…
何故だ…?
「それと…魁斗様…本当におめでとうございます…」
「何がだよ?!」
「貴方様は…“真の覚醒”を成されました」
真の覚醒?
何の話だ?
「…あー…俺って馬鹿だから、何言ってるかサッパリ解らねーけど…
お前はナイトメール…俺たちの敵だな?」
「そうです」
「なら答えはシンプルだ…チップが欲しいなら…勝負して決めようぜ?」
勝つ自信ある……どんな相手であろうが、アスカを守る…それだけだ。
魁斗は再びシャーペンを握り締め直して…戦闘の態勢に入るが…
リトは何もしない…戦う素振りを何一つ見せない…
初めから戦う気なんて無いかのように…
「ククク…残念ですが…私の能力は『行きたい所に行ける能力』…対象は自分だけで…勝負をする事ができません…
後、これども乙女なのでしてね…」
「じゃあ…何しに…?」
「ククク…クククク…私は…私はね…」
バサッ!!!
リトが大空に向け両手を掲げる!!!!!!!
「ククククハハハハハハハ!!!!!!!!!!!私は魁斗様の一番大切なものを頂きに来たんですよ!!!!!」
「何だと?!!」
ー覚醒(rouse)&覚醒(rouse)
「r2覚醒!!!!!!!!!!!!!!!!!
極上の強盗!!!!!!!!!!」
ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!
風が吹く!!!!
強い風が!!!!!
強く黒い風!!!!!
「きゃあ!!」
漆黒の風がアスカを包む!!!!!!!
「ア、アスカっ!!!!!」
「か、魁斗!!!!」
アスカは漆黒の風の隙間から…必死に手を伸ばし…魁斗も必死に掴もうとするが…
届かず……
その手も…風に包まれた……
ゴオオオオオオオオォォォォォォォォォォォー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「アスカああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁーーー!!!!!!!!!!!!!!!」
アスカが消えた…
風と共に…アスカが消えた…
残されたのは…
コトン…
アスカの拳銃のみ…
「オイっ!!!!テメぇー!!!!!!!
アスカに何をしたああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ガシっ!!!
魁斗はリトの胸ぐらを掴み持ち上げる…
本来、魁斗はこんなセクハラで訴えられそうな事をする人間ではないが…
今は別だ。
それぐらい魁斗は怒っているのである。
「ククク…安心してください…魁斗様…アスカ様は無事ですよ?」
「ああ?!!」
「アスカ様は私のr2能力で…ナイトメール本社にワープさせましたから…」
「それの何処が安心できるんだよ!!!!」
「取り返したいなら…本社に行くんですね…」
「案内しやがれ!!!!!!」
魁斗はシャーペンをリトの喉元に突きだす…しかし…
「ククク…無駄ですよ…私はその程度の脅しでは動じませんし……
何より…私は…
r2能力の代償で…
死ぬんですから…」
死ぬ………?
「な、何を言ってy、」
「そのまま意味ですが……何か?」
魁斗は気づく…
リトの身体が……少しずつ軽くなっている事に…
「なっ、」
魁斗はリトの足元を見た…
だが本来足から腰にある筈もの…足…足首…太腿…それらが何もない…あるのは“無”…それだけである…
「こ、これは…?!」
リトの身体が崩れかけている…?
「クククハハハハハ!!!!!!!!!さあ、魁斗様!!!!
ナイトメールの本社の最上階でボスが貴方の事を、首を長くしてまっていまs、…」
サアァァ……
言い切る前に…リトの身体は崩れ…塵にない…消滅した…
「……r2能力……だったな…」
“真の覚醒”…リトはそう言っていた…
まさか自分も…?
思い当たる節は…ある…
いや……それよりも……
「アスカ………」
魁斗は拳銃を拾い上げる……
M-71…前に握ったよりも…重く感じた…………
ヒュウウウウウウウウゥゥゥ~
この風は……試練の風の音………
愛するものを守る者への試練の風…
「待ってろよ……絶対に助けるからな…」
………………………………………………………………
ここは……何処だ?
アスカは目を覚ますと…知らない部屋に居た…
中々洒落た部屋だが…
閉じ込められている………
「………………………」
ドアと窓には鍵が掛っている……
その窓も…外へ向けた窓ではなく…内側に向けられている…
アスカは考えた…
これからどうするかと……
助けを待つか…?
だが…魁斗を危険に晒させたくない…
逃げるか…?
いや…可能ならばそうしたいが…簡単にはいかないだろう…
まあ…どちらにせよ…生きて魁斗の元へと帰らなくては…
コン…コン…コン…
誰かが近づいてくる…
ここは憎きナイトメールの基地らしい…なら…
リトの言っていた…ボスかも知れない…
やがて足音は止まり…この部屋の窓の目の前に居るらしい…
アスカは窓を…
覗いた……
「…………こんにちは…№14………」
「………………え…?」
アスカは…驚愕してた…
何故ならば…
窓の先に居た男が…
自分がよく知っている男だったからだ……
「そして………久し振りだね……
アスカ……」
この声…この顔…間違いない…
「…な、…何で……何で…貴方が…?」
彼は………
「何で生きているんですか…?
長官………………………?」
「だから…言ったろ?
“ベタな嘘”だって…」
アスカは…この言った言葉の意味が…理解できなかった…
………………………………………………………………………………
そして部室…
「って事が…そんなんですね?魁斗先輩…」
「ああ…」
「マジかよ…積川さん…ナイトメールにさらわれるなんてよぉ…」
魁斗は今すぐ一人で本社に乗り込みたい気持ちを我慢し…
今朝の出来ごとを…仲間たちに話した……
「で…何だろうね…r2能力って…初めて聞いたな…父さん、何か知りませんか?」
「………………………」
反応がない…牧師はただ…青ざめていた…
「父さん…?」
「先生…?」
「どうしたんだよ…牧師…」
コーヒーカップを握る手が震えている…
そして…
バキン!!!…
割ってしまった…
「…起きてしまった…」
「牧師…?」
「最も恐れていた事が起きてしまった!!!!」
恐れていた事?
まさか…?
「牧師!!!
まさかアスカがさらわれる事を知っていたのか…?」
皆の視線が牧師に集中する…
皆、牧師を疑っている訳ではない…
信頼しているから答えを言って欲しいのだ…
牧師は震える手を片手で押えながら…此方を向いた…
信頼に答える為に…
「そうだね…話そうか…r2能力について……
この部活の真の目的について…全てを…」
真実を伝える為に…
これから吹く風は……………………
哀しい真実の風である………
第18話…完
次回、第19話『二人の嘘つき』