第17話『過去を描こう……』
では、後半戦。
今回は目線が突然変わったりするので少し読みづらいかもしれません。
それではまた二日後に..
第17話…
もしも登校する時に、右ではなく左に曲がって、
女の子にぶつかったら……
~始まります
第17話『過去を描こう……』
…………………………………………………………
「で…魁斗はどうなの?大丈夫なの?」
ここは保健室…
あの後、魁斗を屋上から運び、ベットの上で眠らせている…
目が覚める気配はない…
「魁斗君が…ベットに?!
駄目だ僕!!今は緊急事態なんだ!!落ち着け!!!落ち着け僕!!!ハアハア…//」
部長は只今、性欲と葛藤中である…
そんな事はどうでもいい!!!!!!
今知りたいのは魁斗の状態である!!!!
「うん…じゃあ詳しい事を言おう…
早乙女君は今…“夢”を見てるんだ…」
牧師が珈琲を飲みながら答える…
「夢?」
「まあ…夢を見ているだけなら問題ないんだけどね…
問題なのはその夢さ…
ナイトメアの能力は『悪夢を見させる能力』…
それもただの悪夢じゃない…
人の恐怖を的確につくために、その相手の最もトラウマになっている“過去”をみさせる…
みたいだ…」
悪夢を…過去を…つまり?
「魁斗先輩のトラウマって…まさか…」
「そうだね…多分…絶対にそうだろうね…」
魁斗のトラウマ…それは…あの日の事…である。
「こんなこと…残酷すぎるぅ…」
「魁斗…」
アスカは無意識の内に…魁斗の手を握ってた…
しかし…
握り返してはくれない…
それは…とても悲しい事である…
「で、先生よぉ?!
この風船みたいにプカプカしてるやつは何なんだよ!!」
魁斗の頭から出て来た風船…
魁斗を運んだ時も勝手に着いてきたが…これは一体?
「そいつは、ナイトメアが作り出した…ナイトメアZONE…
早乙女君とナイトメアの意識は今そこにあるってわけさ」
夢のメカニズムは未だ、解明されていない。
それは脳が複雑過ぎるからである。
ならば、ある程度簡略化すれば夢を管理できるのではないか?
それがナイトメアZONE…
そのZONEに互いの意識を飛ばし…夢を自在に操る事が可能である。
「ならこれを壊せば!!」
「イヤ…止めた方が良い…
夢の“空間”が破壊したら…早乙女君の意識が共に破壊してしまうかもしれない…」
即ち、打つ手無しである…
「…………………魁斗…」
悔しい…
今…無事に祈るしかできない自分が…今まで以上に悔しかった…
……………………………………………………………………………
「………ここは……?」
目が…覚めた?
とは少し違う…そんな感覚を味わった時…
魁斗はそこにいた…
確か…自分は学校にいた筈だが…?
「そうだ…俺は能力にやられて…」
ならば…ここは学校の筈がない…
何処だが知らないが…此処に居るのは危険だ…
早く…アスカの元へ…
アスカを守らなくては…
「……行くか……」
魁斗は歩きだす…
何処だか知らない…誰もいない町を歩き出す…
…………
不思議な感覚だ…
知らない筈の場所なのに…何となく懐かしい…
「って…ここは?!!」
魁斗は気づいた…
「伊里町じゃねーか…」
自分のよく知る町であった…
だが…何かがおかしい…何故?
「っ?!…わ、和菓子屋…?」
別に町に和菓子屋があったのは何もおかしくない…
魁斗もここの和菓子が好きだった…
ただ…
「何で…“今”もあるんだ…?」
そう…“あった”のだ…“だった”のだ…
それらは過去形…
この和菓子屋は数年前に店仕舞いをした筈?!
それだけではない…
「ッ…!!協会の前の玩具屋?!何もない空き地?…八百屋?!」
これも…“今”はない筈のもの…
「………………………ッ!」
悪い予感がする…
多分ここは伊里市ではない…
“過去の伊里市”だ…
そんな所に居るのは、本来有り得る筈がない…
しかし…それを可能にするのが超能力である…
なら、自分を態々過去の伊里市に飛ばしたのなら…考えられる事は一つしかない…
「………止めてくれよな…全くよ!!!!!!!!」
…………………………………
大分走った………………と思う…
だが帰り道は見えない…
出口は見えない…
それどころか迷ってしまった……
喉が渇いた…
「おっ…販売機か…」
販売機を見つけた……
良いタイミングだ…
「ドクぺねーな…」
魁斗はポケットから財布を取り出す…………
……販売機?
「おい…待てよ…ここは……」
忘れもしない…………
ここは………
「あの場所だ…」
何故だ?
此処には来ないようにと…
「なっ!!!!!」
少し先に…幼い男の子が…
その子はふてくされていた…
今にも泣きだしそうだ…
知っている…
魁斗はその男の子を知っている…
「俺だ……俺がいる…」
忘れもしない…あの男の子は…あの日の自分だ…
だから知っている…
この後……
何が起きるかを…
パーパーパー!!!!!!!!
それはトラックの音…
「お…おいぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!」
トラックは男の子を狙っている!!!!!!
その瞬間だ…魁斗の後ろから誰かが通り過ぎる…
二人の男女…一組の夫婦…忘れもしない…あれは…あれは!!!!!!!!!!
「と、父さん!!!!!!!!かあああぁぁぁさあああぁぁん!!!!!!!」
夫婦は…恐怖で動けない男の子を庇い…そして…そして!!!!
「う、うああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」
魁斗は走り出した…
……………………………
「ハアハアハア…ぜぇ…」
遠くまで来た…筈…
ここまで来たなら…
「ッ?!!!!!!!!!!!!!!!!!」
魁斗の目の前に販売機…
そしてこの通りは……
「あの場所だ…」
先にはふてくされた男の子…
魁斗は知っている……こらから起きる事を………
また父さんと母さんが…!!!
助けなくては…
『過去を受け止めろ…』
不意に頭に過る言葉………
これは明らかに“現実”ではない……………
敵の能力の幻想の…筈だ!!!!!
助けたい心情を利用し、殺しにかかる…
その筈だ!!!
「過去を…過去を受け止めろよおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!
俺ぇぇぇぇぇぇえええ!!!!!!!!!!!!!!」
魁斗は…再び…走り出した…
…………………………………………………………
「……ハアハアハア…スー…ハアハア…ウッ、ゲホゲホ…はあ…」
聞いてしまった…走ったとき…聞いてしまった…
“後ろで……何かが砕け散る音が……”
「……嘘だろ…?」
販売機だった………
そしてこの通りは………
「あの場所だ…」
パーパーパーパーパーパーパーパー!!
響く…
トラックの音…
「う、うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
魁斗は走り出した…
…………………………………………………………
販売機…
この通りは………
「あの場所だ…」
魁斗は走り出した…
…………………………………………………………
販売機…
この通りは………
「あの場所だ…」
魁斗は走り出した…
…………………………………………………………
販売機…
この通りは………
「あの場所だ…」
魁斗は走り出した…
…………………………………………………………
「あの場所だ…」
先には…ふてくされた男の子…
迫り来るトラックの音…
そして…夫婦の走る音…
繰り返す…“過去”…
「や、止めてくれよおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!
俺は受け止めるつってるんだろぉぉぉぅう!!!!!!!!!!!!!!!」
魁斗は走り出した…
魁斗は…心が砕け散りそうだった……
……………………………………………………………
「ヤメロ……オレハ………オレハ…」
寝ている魁斗が…何か苦しそにうわ言を呟いている……………
「おいっ!!!牧師、魁斗が苦しんでぞ!!!!!!!
何でもいいから、助ける方法とかねぇのかよぉ!!!!!!!!!!!!!!!」
和琴が叫ぶ…
「有ったらとっくにやっているさ…」
牧師が珈琲を飲む…
その手は震えていて…
珈琲を溢していた……
「魁斗先輩が…魁斗先輩が……このままじゃ…魁斗先輩が…」
百合野は全身で震える…
「くそ…何か方法が…」
部長は今までの能力をPCにまとめた情報で対処法を考える…
そしてアスカは……
「起きなさいよ………
起きなさいよ…起きてよ!!魁斗!!!
私を守るんでしょ?!!!
何なら起きてよ!!!!!!!
負けないでよ!!!
ぅっ…能力者なんかに…ぅぅ…負けないでよ……
死ぬ気も死ぬ覚悟も無いんでしょ?!!!!!!
嘘つき、嘘つき!!!!!!
約束…約束ぐらい守りなさいよぉぉぉぉぉー!!!!!!!!!!!!
このバカイトぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
泣いた……
長官が死んでから…人前では決して泣かなかった…
それなのに…
心から泣いた…
アスカは心から泣いたのだ…
その涙は…魁斗の右手に…零れ落ちた……
………………………………………………………………………………
「ハア…ハア…ハア……」
死ぬ…いや……シヌ…
止めてくれ…ヤメテクレヨ…許してくれぇ…よぉ…
代償…俺自身が……代償になれば…イイノカ…?
殺せ…コロシテくレ…
楽にしてクレ…
受け止めるンだカラさ………コろシてくれよぉ…
頼ムカラ…この…輪廻からヵいほうしてくぇ…
魁斗は無意識に胸ポケットから…シャーペンを取り出した………
「物質硬化…」
シャーペンをこの世の中の最も硬い物質に変わる………
「へへ…これで…決着だ……」
視界に捉われたのは…己の左の手首………
そして………シャーペンを………
手首に突き刺す!!!!!!!!!!!!!!!!!!
瞬間だった!!!!!!!!
『魁斗……』
脳裏の奥底から聴こえる声…
ポタ……
右手に何かの滴が…………
これは………?
「涙…?」
だが…自分は泣いてなんかない…なのに……これは…?
その直後だ!!!!!!!
次々に浮かぶ!仲間たちの顔!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
『魁斗君』
「部長…」
『早乙女君…』
「牧師」
『魁斗先輩…』
「百合野!」
『俺もだぜ!!』
「和琴!!!」
そして………
『魁斗おおおぉぉぉぉー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「アスカああああぁぁー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
何をやっているんだ自分は?!!!
何で、“生きる事”さえも、否定しようとしたんだ?!!!!!!!!!!!
自分は…アスカを約束を守りたい…守らなくては…
ならば!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
販売機…
先にはふてくされた男の子…
「…スリッパの男…解ったぜ…“無謀”と“勇気”の違いが!!!」
魁斗は走り出した!!!
トラックの方へ!!!!!
「“無謀”ってのは!!!できもしない事を!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
やろうとする事ぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
先程の魁斗は…過去を受け止めていたのではない…
逃げていた……
走り出したのではない……
逃げていた………
逃れる筈がない過去から!!!!!!!!!!!!!
過去からは逃れないのだ!!!!
誰だって!!!
それは“無謀”と言う!!!!!!!!!!
「そして…“勇気”は…………………
できる事を全力でやり遂げる事だああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
目の前に現れたトラック!!
運転席に見えるのはナイトメア!!!!!!!
薄気味笑いで此方を見ている…この時を待っていたかのように…
「俺はもう逃げない!!!
過去から逃げない!!!!!!!!!!!!そして!!!!!!
過去を忘れない!!!
心に刻み…………“今”を生きる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
過去を受け止め、今を歩む!!!!!!!!!!
即ちいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「過去(常識)を超えるって事だあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
パーパーパーパーパーパーパーパー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
迫り来るトラック!!!!!
その時だ…一瞬…
一瞬だ…
魁斗の頭の中は……
進む時よりも速く…思考回路が速くなる…
Q、貴方は…全てを受け入れますか?
A,Yes…
Q,後悔はしませんか?
A、Yes…
再び…再びだ…あの時と似たような感覚が…左腕に…
宿った…
―覚醒(rouse)&覚醒(rouse)
Congratulations. You rank up.
「ウオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
魁斗は力の限り無我夢中で左腕を振り上げた!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ビギンッ!!!!
それは何かが砕け散る音!!!!!!!!!!!!!!
ビキビキビキビキビキビキビキビキ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズバーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「こ、これは?!」
目の前に…目の前に穴が…中に…穴が現れた…?
その穴が…
ゴオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
トラックを吸い込んだ…あの大きさのトラックをだ…
そして…
バチバチバチバチバチバチ…
穴が塞がり消えた…
「な…何が起きたんだ…一体…」
自分でも解らない…
いきなり…“穴”のようなものが現れ…トラックごと…ナイトメアを吸い込んで………
ドドドドドドドド!!!!!!!!!!!!!!!!!
「地震?!」
能力者…この世界の管理人が消えてしまったことにより…
世界が保てなくなったのだろう…
「消えていく……過去の町…あの時の町が…」
寂しいような気がするが…ここは“今”ではない……仕方ない……
「魁斗」
「魁斗…」
「?!」
その時だ…後ろから誰か…誰かがに声を掛けて来た…
この声は…随分懐かしい声…だ…
「魁斗……ごめんね…」
「随分辛い思いをさせてしまって………」
これが…奴の能力の一部なのか…
はたまた自分の妄想…夢に過ぎないのか…
…どちらにせよ……今は関係ない……
ずっと言いたかった…
言葉が……後ろの二人にあるのだから……
「ううん…“僕”の方こそ…ごめんなさい…
言う事を聞かない…我儘な息子で…………そして……」
魁斗は振り向いた……
「そして……ありがとう……“俺”は…今をいきてます…」
魁斗の目から…涙が溢れ出した……
「フフ…魁斗は高校生になっても泣き虫ね…誰に似たのかしらね?
…ね、ア・ナ・タ?」
「私だって言うのかい?全く……」
何年ぶりか…この光景は……
「…仲は相変わらずか…」
皮肉って言った…
懐かしい光景だから皮肉った……
「もう…意地悪なんだから…魁斗は~」
「…だけど…立派になったな…魁斗」
「お陰様です…」
二人の身体が…だんだんと透けていく…
『アラアラ…そろそろ時間みたいね…アナタ…』
『そうだね…魁斗も立派に成長してたし…いこっか…』
消えていく二人…
『美穂とは仲良くね』
「ああ」
『辛い事から逃げるなよ…魁斗』
「ああ…」
『元気でね……………』
『また……何れ…な…』
「ああ……ああ………」
消えた…二人は…消えていった……
「ありがとう……本当にありがとう………」
魁斗は泣き続けた…
昔…両親が死んだ後……
悲しみのせいで………抑え込んだ涙を……流し続けた…………
泣き続けた……
目が覚めるまで………………
早乙女 魁斗…この時、
初めて自身の過去を……
過ちを許す事が出来たのであった……
…………………………………………………………………………
目が…覚めた…
「うん……ここ…は?」
帰ってこれたのか……しかし……?
視界が起きたてのせいかぼやける…
その為、上手く身体を起き上げれず、何か近くにあったものに寄り掛かった…
ムニュ♪…
これは…何の音…?
「ムニュ?」
「ど…、どこ!!触ってんのよぉ//!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
このバカイト!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ほわっと?!!!」
バシン!!!!!!!!!!!!
それはビンタの音!!!!
「イテテ…いきなり何するんだよ、アスカ!!!!!!」
「こっちの台詞よ//!!!!!バカイト!!!!!!!!
きゅ、急に、起きたと思ったら!!!!へ、変態!!!!!!変態!変態!変態!!!!!!!!!!」
どうやら…アスカの何処かに触れてしまったらしいが…
魁斗は寝ぼけていて…何処を触ったかを憶えてない…残念だ…
「魁斗先輩…セクハラは駄目ですよ…」
「待て、百合野…不可抗力だ…俺は無実だ」
「全くだぜぇ!!折角の場面が台無しだぜぇ!!!!!
積川さんは、お前が心配で涙までながs、」
バキュン!!!!
「グラファ!!!!」
「アスカが…?」
魁斗はアスカの顔を覗く…すると…顔には確かに…涙の跡が……
「……だから…」
「えっ?!」
「泣いてないんだから!!バカイトの為なんかに、絶対泣いてなんかないだからね//!!!!!!!!!!!」
どう見ても……隠しきれていない嘘をついてる…
(やっぱ…テンプレのツンデレだな…)
そんなアスカが…魁斗は大好きだった……
「さてと…鈴鶴にも連絡しましたし…パーティの準備しますか父さん?」
部長は開いていたPCを閉じ…牧師に振り向く…
「………………」
「父さん……?」
「……ああ、いや…何でもないよ…パーティの準備しよっか…
つか、これは僕の復活パーティじゃないの?
これじゃ、早乙女君が主役みたいじゃないか…」
「なら同時にやりましょうよ父さん」
「そうだね…」
この後…予定通り…部活の仲間たちで楽しくパーティを行った…
魁斗はより“今”を生きていることに感謝した…
部長は…先程の…牧師の青ざめた顔が…心配だった……
第17話…完…
……………………………………………………………………………
夜…誰もいない部室…
バンッ!!!!!!!!!!!!
それは壁を殴る音……
「目覚めてしまった………早乙女君が目覚めてしまった…………」
折角…二人は幸せそうなのに……
「あれ程…あれ程…深く注意してたと言うのに…」
バンッ!!!
「失ってしまう…早乙女君の“大切な何かが失ってしまう”!!!!!!!!!!!!!!!!」
悲劇の風は…止むことを知らない…………
次回、第18話『嘘の鷽』