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第13話『愛憎の象』

そして第13話…

続きはまた二日後で。

第13話…


もしも登校する時に、右ではなく左に曲がって、

女の子にぶつかったら……

~始まります


第13話『愛憎の象』


………………………………………………




力が人を愚かにするのか…?

愚かだから力を得たのか…?


だが力があってもなくても…愚か者は愚かものである…





……………………………………………………………………


さて時は…辺りも暗くなりだし七時である…


指定された時間まで…後一時間…


そしてここは部室である。


「なあ…百合野…無理しなくて良いんだぞ?…辛いなら帰っても良いんだぜ?」


「だ…大丈夫…大丈夫です…魁斗先輩…」


そう言いつつも…

心の奥底が避けんでいる……


恐怖で怯えた声を…………………


ズルルル~………


いや、これは牧師の食べている即席ラーメンの音である。


「おいっ!!先生よお!!何ボサっと食ってんだよ!!!」


「納豆ラーメンだよ、神速君。つか、君も食べるかい?」


どこまでもマイペースな男だ、牧士 砂間田…

まあ、腹が減ったら何とやらだ…腹が減って、戦いに集中できないよりはよっぽどマシである。


「で……何者なの?屋三川 猟って?」


アスカは拳銃を磨きながら牧師に訊ねた。


ズルズル~…ズルズル~…


「屋三川 猟ね…まあ神速君の解説の通り…姫川君を虐めていた張本人だよ」


「そんな事は解っているわ。私が聞きたいのは、どうしてそいつがナイトメールに就いてるのよ」


「そういや、百合野が言ってたな…そいつ…何かやらかして、刑務所に捕まったとか…

何で出てきてるんだよ」


魁斗は以前、百合野から聞いていた…

虐めていた張本人の末路を……


「うーん…捕まっていた筈なんだけどね…」


ならば何故?


ズルズル~、ビチャ!!


「アチチ……普通に考えてナイトメールが脱獄させたんでしょ…つか、それしかないね」


ナイトメールからの挑戦状がその事を表している…


「けど…態々、犯罪者を逃してナイトメールとしての利益はあるのかしらね?」


企業とは…利益が出ることをするもの…


一件、無利益に見える支援活動やらボランティアにも勿論、利益は存在する…


“信頼”と言う利益が……


ならば…


犯罪者を逃がす利益とは?


ズルズル~………………………


「……フウー…ごちそうさま…簡単だよ、彼が“能力者”だったからだよ」


…そして……戦いが始まる……





………………………………………………………………………


時は八時!!!!


太陽は完全に沈み!!

吸血鬼やゾンビ、柱の○たちの時間である!!!!!!!!!!!!!!



そして、不審者たちの時間でもある!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


小学生…中学生の諸君…注意してくれたまえ…


「八時…だな」


魁斗たちは、誰もいない校庭に集まる…


シーーーーン………


勿論のこと!!

誰もいないので真っ暗だ!!!!!!!!!!


「…いないわね……」


「挑戦状だしたの…アイツだろ」


「う~ん…宮本武蔵の真似でもするのかな?つか、僕は戦わないけど」


「俺もだぜ!!って、戦わないんじゃなくて、戦えねーんだろ先生よお!!」


戦わないのは作者の話の展開的な問題なのは置いといて…


中々登場しない…アイツ…

本当に宮本武蔵の真似でもする気なのか?


「……あの人は…そんな細工しません…やるならもっと…ボクたちを追い込むような…

露骨な罠を仕掛けると思います……」


罠…罠(trap)?

そう言う性格?


「ああ…そう言う事?……百合野…それは最初に言ってくれよ…」


「えっ?」


魁斗は今さらながら…時間通り…真面目に来てしまった自分たちを後悔した…


そう!!

魁斗たちは誘いこまれたのだ!!!!!!!!!

奴の有利なフィールドに!!!!!!!!!!!!!!!


バッ!!ピカーーーーーーーーン!!!!!!!!


「な、なんだああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!

急に光がああああぁぁ!!!!!

コイツはぁ?!!!

校庭の端っこに設置されているうぅぅ、夜間照明だあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


たいていの学校には!!

夜中でも運動部が校庭が使えるように夜間照明が設置されている!!!!!


しかし!!

今日は運動部は校庭をこの時間まで使わない!!!!!!!!


即ち!!!!!


「よお……久しぶりだなあ~?百合野~…」


奴の仕業だ…


「や…、屋三川君……」


忘れもしない…

声、顔、姿、形!!!!!!!


魁斗は屋三川と百合野の間に立つ!!!


「お前が…屋三川だな…」


「そう言うオメェーが…早乙女 魁斗だなああぁぁ?」


感じる…

物凄い何かを感じる…


「コイツは間違いねぇ……

正真正銘のクソッタレだコイツは…どす黒い何かを感じる!!!」


「和琴先輩…」


「だが脅える必要はねぇ―ぞ百合野!!!!!

何故ならここには!!この場所にはああああぁぁぁぁぁ!!!!!

何回もの戦いを切り抜けた男!!!


そう!!!!

早乙女 魁斗が夜の八時の校庭に立っているからだああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」


叫ぶ!!

友を支える叫び!!!!

友への叫び!!!

勇気をくれる叫びだああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!


「家に妹が腹を空かせて待ってんだ。

さっさと始めようじゃねーか…屋三川さんよ!!!!」


魁斗は胸ポケットに手を掛ける…何時でもシャーペンの準備は万端だ!!!


だが屋三川は…構える素振りすら見せない……


何故だ?


「フヒャフヒャヒャヒャヒャヒャァァァァァァァァァァァ!!!!!!随分とお友達から信頼されてんだなあぁぁ?!

早乙女 魁斗ぉ?けどなあぁ…オメェーと戦うのは俺であって、俺じゃねぇ!!!!!!!!!!!!」


「なっ?!どういう意味だ?!」


「こういう事さあぁぁ!!!いでよおぉぉぉぉッ!!!!!!!!!!

光子のフォトン・スピリット!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


叫ぶぅぅぅぅううう!!!!!

両手を揚げて叫ぶ!!!!!!!!!!

するとどうだろうか?!


バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「な、何だコイツはあああぁぁぁぁぁぁぁー!!!!!!!!!!!!!

いきなりッ!!いきなり屋三川の背後から、二体の光輝く人型の何かが出てきやがったああああぁぁぁぁ!!!!!」


「な…何だコイツは…」


驚愕する魁斗!!!

屋三川から出て来た、光輝く何か!!!

その何かはまるで騎士のように剣を構える!!!


「これが…これがこれがあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!

俺の能力ううううううゥぅッ!!!!

『光から騎士を生み出す能力』だあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」


そう!!!

それが屋三川の能力!!


「エエエエエエェェェェェェ?!!!!光から騎士を生み出す能力だってエエェェェェ?!!!!

けど…何で…明るい太陽出てる内じゃ……こんな真っ暗な夜中に……ッ?!!!

まさか…まさかそんなあああぁぁぁ!!!!!」


どうやら和琴は気づいたらしい!!

屋三川がこの時間にこの場所を指定した理由を!!!!!!!!!!!


和琴は見上げた!!!照明を!!!!!!

ピカーン!!!!!!!!!!


「アレの原因かああぁぁぁ?!!!なあ先生よお!!!」


「ああ…あの照明で間違いないね…どうやら彼は“電気の光”から騎士を作り出すみたいだね…

そして、辺りが暗ければ暗い程…その効果は強くなるみたいだ…」


だから態々、太陽の沈む時間!!!

巨大な照明のある校庭に魁斗たちを誘い込んだのだ!!!!


夜中の八時は屋三川 猟の時間でもあったのだ!!!!!!!


「そんなことも知らずノコノコと来やがって!!!

能天気な連中だぜぇ!!行けぇぇ光の騎士フォトン・ナイト!!!!

早乙女 魁斗を切り刻めぇぇ!!!!!」


二体の光の騎士は、光から形成された剣で魁斗に斬りかかる!!!!!!


「魁斗危ない!!!!」


アスカが叫ぶ!!

だが、それよりも速く!!!

光の騎士は剣を振る!!!!!!!


「魁斗先輩!!!!」


魁斗は…


「物質硬化!!!!!!

硬化・竹刀ハルデン・バンブーブレード!!!!!!!!!!」

 

キーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!


受け止めたああああぁぁぁぁぁ!!!!

ベルトに挿していたものさしを右手で引き抜き、左手に持ち替えて受け止めたぁああぁぁ!!!!


だが!!!

シューーーーーウ!!!!


光の騎士は二体!!!!!!

もう片方の光の騎士が魁斗を狙う!!!!!!

今度こそ絶対絶命か?


ダブル!!!!!!」


キーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!


ものさしは二本あった!!!!!!


そう!!

何故、態々持ち替えたかと言うと、二本あったからだ!!!!!

左手では硬化できないからだ!!!!


えっ?!

叫ぶより速い光の騎士に対し、そんな持ち替える暇があるかって?


できたんだから仕方ないのである!!!!!!!

これも全て山で修行した成果だ!!!!!!!!!!!


「へっ!!速い割には、パワーがねえーなあああぁぁぁ!!!!」


魁斗は確信した!!!

コイツには勝てると!!!!!


そう!!“コイツ”には!!!!!!


「今…おめぇー…少しでも…勝てると思わなかったか…?」


「ッ?!」


なっ?!

思った!!確かに…そう思ったが……


「確かになぁ…その騎士の力は…俺の何十倍も弱い…

けど…けどなあぁぁぁ!!!!俺は何十倍も強い!!!!!!

そしてぇぇぇぇ!!!!!その騎士はオメェーを足止めしていやがるぅぅ!!!!!

この意味が解るかぁああ!!!!!!!!!」


「なっ?!!まさかお前!!!」


ダーーーーーーン!!!!!


屋三川が百合野の方へと振り向く!!!

屋三川の狙いは初めから百合野!!ただ一人である!!!!!!


屋三川はそのため自身の能力すら囮にしたのだ!!!!!


彼の考えはこうなのだ!!!

光の騎士なんかよりも、自身の方が何十倍…何百倍強いと!!!!


屋三川に同調できる奴なんて存在しないのだ!!!!!!!!!!


「あ……ああああ…」


迫りくる恐怖!!!!!!

百合野は身体が震えて上手く動けない!!!!!

それを面白がるように…ゆーっくりと近づく屋三川!!!!!


「百合野おぉぉ!!!!」


魁斗は助けに行きたいが!!!!

行けない!!!現実は非常である!!!


シュン!!シュン!!!


止まらぬ速さの光の騎士!!!!


「邪魔だあぁぁぁぁ!!!!!

硬化・竜巻ハルデン・タイフーン!!!!!!!」






…………………………………………


「百合野……百合野……」


近づく屋三川…………


「あ……あああ……」


震える百合野……


そんな百合野を黙って見れる筈がない!!!!!


「アンタ!!!これ以上近づいてみなさいよ!!!!!

アンタの頭に風が通るわよ!!!!」


「俺はお節介焼きの神速 和琴!!

サポートするぜぇ!!積川さん!!!!」


先輩たちが屋三川の前に立ち塞がる!!!!!!


だが!!!


「光子のフォトン・スピリット…」


「「なっ?!!!」」


新たに生み出された光の騎士!!!!!!1


「アイツを殺せぇぇ!!!!!!!」


「クッ!!」

バギュン!!バギュン!!!!!


アスカは正確に光の騎士を狙うが、

速い!!!!速すぎる光の騎士に弾丸が当たらない!!!!


「積川さん!!!右だ!!!!」


二人の能力は戦闘向けの能力ではない!!!

二人でやっと一体の光の騎士が止めれる程度である!!!!


「さあ…やっとだ……やっとオメェーを消せなあぁぁぁぁ…百合野ぉ…」


「あ、ああああ!!!」


恐怖!!!

恐怖!!!!

恐怖!!!!!


有るのは恐怖のみ!!!!!!!


「消えろおおおおぉぉぉォォォォォオオオオオ!!!!!!!!!!!!」


屋三川は刃の鋭いサバイバルナイフを取り出した!!


刺される!!!!

そう、百合野は思った!!しかし!!!!


「危ない!!姫川君!!!!」


「せ、先生!!!」


ダダダーン!!!!!!!


刺さった!!!!

刺さったのは牧師の背中!!!


牧師は百合野を庇ったのだあああぁぁぁぁぁぁ!!!!!


「ウナニィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!」


ナイフを引き抜く屋三川!!

そしてそのまま一旦距離を置く…


「せ、先生!!!」


牧師の身を案じる百合野…


「大丈夫…大丈夫だよ、姫川君…。傷は浅い…つか、僕はあまり痛みを感じない体質だから…」


「け、けど血が!!」


牧師の黒い服が血で紅く染まっていく!!

これは早く止血しなければ!!!!!!!!


「…そうだね…クリーニングが必要だね…

全く……ところで…唐突なんだが…いいかい姫川君?」


「な、何ですか…?」


「君も能力者…そうだよね…?」


「そうですけど…こんな時に…突然、」


「自覚しているならそれで良いんだ…そう自覚してるなら…自分の能力…それを忘れるな…」


それだけを言い…牧師は立ち上がった…

本当に痛みに鈍いのか…平然とその場に立っている…


そして、目の前には屋三川!!!!


「生徒思いの先生ってかあ?ざけんなぁ先公!!!」


屋三川に眼を一言で言い表すと…狂気!!!完全に狂っている!!!!


「まあまあ…君は一度、珈琲でも飲んで落ち着いた方が良いよ。

つか、睡眠入りたっぷりをね」


「ウンだドトオォォォォォ?!!!!!」


「そういやどうしてかな?

何で君は姫川君を虐めていたのかな?…態々殺しに来てまで…

その理由…できれば教えてくれないかな?」


唐突な牧師の質問…

これには理由がある…


一つは時間稼ぎ…魁斗たちに早く来てもらう為である…

実のところ…強がってみたのが…結構キツイのである…



そして二つ目は…百合野に自分自身の“過去”と向き合わせる為だ…

気付かせる為に…


「理由?!!フヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!!!

理由!!!良いぜぇ!!教えてやんよぉぉぉぉ!!」


(良し…)


屋三川は策に掛った…

後は内容だ…いや…百合野自身だ…


「…俺はなぁ…」


随分と…苦虫を噛んだ顔をしている…一体、百合野にどんな恨みが?!


「…俺はな………………………………



















          

百合野…オメェーに恋したんだよ」


………はあ?


「…………えっ…?」


「外見だ!!!!外見外見外見外見外見外見外見外見!!!!!!!!!

俺は騙されたんだ!!被害者だああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!

詐欺に掛ったああああぁぁぁぁ!!!!!!!!!!

百合野は男だったんなんなああぁぁぁぁぁぁl!!!!!!

ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャああああぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!」


外見?騙された?詐欺?


「つか…逆恨みか…」


彼は…屋三川は中学時代…初恋をしたのだ…

だが…相手は実は…男だった…絶望したのだ…屋三川は…


「それが俺の人生の最大の汚点!!!!!消さなくてはいけなああぁぁぁぃ!!!!」


ナイフを構え、牧師を斬りかかる屋三川!!

だが、牧師も元情報屋!!

伊達ではない!!!


紙一重でナイフを避ける!!!


「何て…何て心が小さい奴だ!!!!」


牧師は怒る!!

この愚か者に対し!!


「世の中には!!!!

心の小さい人間には!!!!!!!

二つのパターンがある!!!!!!


一つは、何事も自分の責任し、罪悪感に溺れる者…


そしてもう一つは…何事も人のせいにしてしまう馬鹿野郎だ!!!!!!」


「うるせえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」


ジリィッ!!!


ナイフが牧師の服をかすった!!!

このままでは不味い!!

伊達ではない元情報屋だからって不味いものは不味い!!!!

どうする牧師ぃぃぃぃ?!!!!!!!!!


(…姫川君…君はこんな奴と同じでいいのかい…つか、違うだろ?

だって君は…君は…)





……………………………………………………


「せ…先生……」


百合野は…悔しがっていった…

震え…脅えていることにしかできない自分に…


それと同時に…

…傷ついていく仲間たちに…申し訳なくなっていた…


(…全部…全部…ボクのせいじゃないか……)


自分が…屋三川との因縁があったばかりに…仲間は危機に落ち…そして…先生はナイフに刺された…

自分なんかを庇って…


(…ボクが…ボクが…部活に入ったせいだ…ボクのせいでいつも迷惑ばかりかけて…

守られてばかりで……邪魔ばかりして…

屋三川君がああなってしまったのも…結局ボクが悪いんじゃないか……

ボクなんて…ボクなんて…)


いなかったほうが……よかったので……は…?


「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!硬化・玉砕弾ハルデン・ミサイル!!!!」


その時…

遠くで…彼…彼の声が聞こえた…


「…魁斗…先輩…」


自分を…連れ出してくれた先輩…

自分を…この部活に入れてくれた先輩…

彼は約束してくれた…どんな時でも…自分の味方だって…


何であんな子供みたいな約束して貰ったのか…


それは自分が子供だからだ…

こんなに強い人に守って貰えば安心だと…戦隊ヒーローから守ってもらうそんな安心感を感じたからだ…

そして…強い憧れも感じた…何時しか自分もこんな強い人になりたいって…


けど…違っていた…


彼は…決して…全てが強い人では無かった…心が…誰よりも弱い人だった…

彼には…自分とは比べ物にならない程の大きなトラウマがあったのだ…


それなのに関わらず…彼は…強く生きている…

誰にも負けない程…強く生きている…


「…………………………」


自分の為に戦ってくれている…


(……このままで…良いのか…ボク…?)


駄目に決まっている…

何時までも守ってられては駄目なのだ…


彼が…自分自身の常識を破壊したように…


(ボクも……ボク自身の常識を破壊しないと…)


そうしなけば変われない…守られてばかりの弱いまま…

屋三川と同じ…心の小さい人間だ…


勿論…仲間から守られるのは悪い事ではない…

だから…仲間同士守り合える…ぐらいにならなければ…


支え合える人にならなければ…


心が弱くても、補えるぐらいに強くならなければ!!!!!!


「……うん」


百合野は立ち上がった…

今までに無いほどに…拳に…足に力を込めて!!!!

二本の足で大地を踏みしめたのだ!!!!!!!!!!


「…けど…これだけじゃ…屋三川君には…」


勝てない!!

だから考えるのだ!!!勝利の方法!!!!!

常識を破壊する方法を!!!!!!!!!


『君も能力者…そうだよね…?』


ふと…そんな牧師の言葉を思い出す…


そうだ…自分は能力者だ…なら勝利の方法は…


「これしかない…」


一つだけ見つかった…勝利の方法!!!!

それは自分を変えるための方法!!!!!!


常識を破壊しろ!!!!姫川 百合野!!!!!!!!!!!!!






…………………………………………………


「ウグっ!!」


痛む!!傷口が!!

牧師は屋三川の攻撃を全て避けてきたが…もう体力の限界である…


(駄目……か…)


体力の限界…牧師はその場に…


ドン…


倒れ込んでしまった…


「フヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!

偉そうなことぉ言っといてもうお終いかぁぁ?!!!!!!!!


「そうだね…つか、これなら…最近出来たスポーツジムにでも…通えば良かったよ…」


牧師の勝機は……零…限りなく零に近い…


そう“限りなく”…

“限りなく”だ!!!

ならばああぁぁぁ!!!!“零”ではないぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!


ピュン!!コンー!!


飛んできた小石が屋三川の頭に当たる!!!


「あああぁぁぁん?!!!」


屋三川は振り向く!!小石の飛んできた方向へ!!!!

そこには……


「…ひ…姫川君…」


「ああぁぁ?!!百合野だとぉぉぉぉ?!!」


百合野がいた!!

百合野が小石を投げたのだ!!注意を逸らす為に!!!


勿論、そんなことをすれば屋三川の標的は、


「てめぇぇぇぇぇぇーーー!!!!!!!!!!!!!!!」


百合野へ変わる!!!!!!!!


だが、百合野は逃げない!!!

ここで逃げたら屋三川と同じ!!!!

心の弱い人のままだ…変わるのだ、今!!!!!!


今までの自分と!!!!!!!


百合野の眼球は屋三川を確り捉え!!!!

右手をかざす!!!!!!!


「ああン?!!能力を使う気かあぁ??!けど、俺はあの女から聞いたぜぇ!!!!

オメェーは、“自分より小さいもの”しか縛れないんだろ?!!

オメェーが俺を…縛れんのかよぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!」


屋三川の図体は…百合野より圧倒的にデカイ!!

これでは百合野の能力能力は使えない!!!!!!


(だから……だから試すんだ…変われるかどうかを!!!!!!!!!)


「自分自身の心の小ささ(常識)を打ち破る!!!!!」


ー覚醒(rouse)


「鎖の拘束チェーン・ホールド!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「無駄だあああぁぁぁぁぁ!!!俺にはきかねぇぇ!!!!!!」


筈だった!!!


ドキッグッズズギギギギギギギギギ!!!!!!!!!!!!


「ホェエエエエエ?!!!!!!!な、何だあああああああああああぁぁぁぁぁ?!!!」


突然、屋三川はもがき苦しみ始めた…


「…ハアハア…で…できた…」


「やったな…姫川君…」


「ゆ、百合野ぉ?!お、おr、俺に何をしたぁあ?!!グギギギギギギ?!!

ま、まさか…能力?!!そんな筈はああぁぁぁぁ?!!!」


発動しない能力が発動した…何故か?


「そんなのは…簡単だ…」


聞き慣れた声…


「魁斗先輩!!」


振り向くと…早乙女 魁斗がそこいた…


「さ、早乙女…魁斗ぉぉぉぉ…なんでおめっぇぇぇぇぇぎゃああああ…お、俺の光の騎士はああ」


「倒したに決まってるだろ…随分と時間を掛けちまったけどよお…アスカたちの方も今終わったみてーだ…

お前の負けだ…屋三川 猟」


負けた?


「まけたぁぁぁぁ?ウギギギギギギギギギ!!ま、だだだ俺は負けてねぇぇぇぇ!!!!」


「お前は負けたんだ!!!!

百合野の“心の大きさ”になあ!!!!!このクソ野郎!!!!!」


「ぬなっ?!!」


ダダダーーーン!!!!!!


負けた!!!屋三川は負けた!!!

心の大きさで百合野に負けた!!!!


絞め付けられているのは屋三川の“心”である!!!!!


「さてと…とどめいくぞ!!百合野!!!!」


「ハイ!!魁斗先輩!!!」


「畜生!!まだだ!!まだ照明がああぁぁ…光があるぅぅ!!!

光がある限り…光の騎士は無限なんだよ!!!!


光子のフォトン・スピリット!!!!!!!!」


その時だ…


カチャ……


照明が消えた…


「なああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


「遅くなって済まないね…魁斗く~ん!!」


この声は…


「おせーぜ!!部長!!」


「部長さん!!」


我らの部長!!!山梨 越智無だ!!!!


「いやーね、照明を消しに行ってったんだけどさ…光の騎士のに出くわしちゃってさ…結構範囲広いらしいね…

彼の能力…」


部長が今回出番がすくなかったのはそう言う事である。

屋三川は照明を消されないよう…もう一体…照明のスイッチの前に光の騎士を用意していたのだ…


だがそいつも…部長が始末した…


そして……照明は…光は消えた…屋三川の勝機は…完全に零だ…


「ああああああぁぁぁぁぁ……………」


「これで終わりだあアァァァァっ!!!!!」


魁斗は右手に手袋を装着する!!!!!!!!!!


「物質硬化!!!!!

硬化・地獄・ハルデン・ヘル・ナックル!!!!!!!!!!!!!!!!!」



ドギギギギギギギギギギギギギギユユユユユユュュュュュュュュュュンンンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!!!!!!


これが愚か者の末路……


第13話…完


次回、第14話『無期と向き合う時』

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