第11話『迷宮の名仇』
どうもこれまた二日ぶりです。
今回も、パロネタ注意でお願いします。
第11話…
もしも登校する時に、右ではなく左に曲がって、
女の子にぶつかったら……
~始まります
…………………………………
『プレッシャー』…困ったものでしたね…
魁斗は無事にこの言葉を打ち破ることができました…
『仲間』と共に…
しかし…皆さん…?
少しばかり気になる事がありましたよね?
魁斗の過去…
魁斗の両親の事故…そしてその原因…
まあ皆さん…安心してください…。
あの事故には魁斗には非はありません…
本当に悪いのは…悪い悪い大人の仕業なのですから…ええ……
…………………では、気を取り直して……
さーーーーーて!!!!!!
今回の能力者は?!!!
明日をさ迷う、ナイトメールの美女?!!!!!!!!!!
ラビスウーマン!!!!!!!!!!!!!!!!
……おやおや…これはまた…奇抜な能力者ですね…
それでは能力者ファイト……………………………
レディ……
ゴオオオオオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!
第11話『迷宮の名仇』
…………………………………………
さて……五月です……
休みです……
山です…………………………………?
「ええええええええェェェェェェェエエエエエエエエ?!!!!!!!!!
何で休みなのに部活があるんだよ!!!
しかも、連休だって言うのによぉ~!
と、思ったが………
驚くなよ~…俺の言葉を!!!
今回は、ただの部活じゃねえぇぇぇぇぇ!!!!!!!
俺たち、正義の使者には、明らかに戦闘経験が足りねぇんだ!!
修行だ!!!
俺たちは修行が必要なんだ!!!!!!!!!!
と、言っても……………………俺…戦わねーしなあ………
どうやら、俺じゃ役者不足だったみてーだ………
神速 和琴はCOOLに去るぜぇ………」
ヒュュュュュュュュユユユユ……………………
去らば!!神速 和琴!! ありがとう!!神速 和琴!!!
「って……勝手に帰らないでくださいよ…和琴先輩…」
おっとこんなところに汗ダグの男の娘が!!!!!
「けどよ百合野!!俺はずーっと、ここで皆の状況を実況しろって、牧師の奴に言われているんだぜ?!!!
俺、絶対いらねーだろ?!!!」
「それぞれの能力を生かし、向上させる為の特訓ですから…
和琴先輩が、実況すること事体は間違っていませんよ?」
「けどよおぉ!!!!」
ではそろそろ…彼らの状況を説明しよう!!!!
彼らは、来るべきナイトメールの刺客の為に、
姫川家…即ち、雪子先生の所有する、とある山に訪れたのだ!!!!!!
「全く……雪子先生には感謝だね…………
つか、何者だ…あの人……?」
「………実は黒幕だったり…とかはしないよな…?」
牧師と魁斗は妙な気分に襲われていた……
「まあまあ…何だって良いじゃないか、父さん、魁斗君」
「…越智無………」
「…………部長…服を着てください………」
山梨 越智無…只今、全裸である。
ほら、サービスシーンだぞ、泣けよ。
「I am freedom」
「黙れ、つか、黙れ」
「I was freedom」
「……過去形してもダメでしょうが…」
「全く……越智無は…。
つか、妹もいるんだし…もっと確りするべきだと思うよ…うん」
全くである。
因みに部長の妹の名前は山梨 鈴鶴と言う。
まあそれは今置いといて…
カキカキカキ……
部長が全裸何かしている…何だろうか?
「何してんすか、部長?」
恐る恐るとまではいかないが、それなりに警戒しながら様子を伺う魁斗…
「いやさ……そろそろイベントが近いからね。それに出すのを描いてんだよ」
紙とペンを持ち、全裸で…
「で…内容は…」
「『もしも登校する時に、左ではなく右に曲がって、男の娘にぶつかったら……』
モチーフは、魁斗君と百合野君でどうk、」
「硬化・死・砲!!!!!!!!!!!!」
「ぎゃああああぁアァァァァ!!!!!!!!!」
バタリ…
去らば部長!!!部長は二度死す!!!!
まっ、どうせ生きてるんだけどね。
では、男臭いのもアレだし、そろそろヒロインさん様子を見に行くとしますか。
………………………………
バギュンバギュンバギュン!!!
バキ!!ガキ!!バキン!!!!
壊れる的!!!
口径9mm、M-71は伊達じゃない!!!
因みに!!M-71とは、アスカの愛用の拳銃であり……
火薬式の実体弾使用の自動式拳銃であり!!!
真空中や低重力下においても安定した作動と命中率を誇る優れた逸品である!!!!!!!
そして……それを扱う者の腕が良ければ更に輝くものである……
「…全部当てやがった……スゲーな…」
部長の屍を後にし、アスカの様子を見に来た魁斗…
アスカの射撃の腕は、無駄のなく、正確であり、素人な魁斗でも何か別格を感じるものであった。
「これぐらい楽勝よ。私は組織の中じゃ、一番って言われるぐらいの腕前だったんだから」
「………けど、何時もは外すよな……」
SOU!!!!今までアスカが放った弾で直撃したのは一発のみ!!!!
部長へのクリティカルヒットのみである!!!!
「う、うっさいわね!!し、仕方ないでしょ!!何時も何時も能力で妨害受けてんだから!!!!」
まあ…弾丸で倒れてしまう能力者がいたら…話の展開的にも困るんだが…
可哀想だが…M-71は噛ませ犬である……
「わりぃわりぃ…………ところでさ、アスカ」
「何よ?」
「前から思ってたんけどさ、何でアスカは組織に入ったんだ?俺と歳変わんねーのに」
彼ら高校生…お酒を飲んだり、タバコを吸えば、法に引っかかる歳である。
そんな高校生が、拳銃を握り…社会の影でもある組織に属していたのだ………
どんな経緯でアスカが組織に入ったのか、気になるところ…
魁斗は後々の伏線とフラグになりえるので、ダメ元で聞いてみた…
「別に…深い理由は無いわよ」
おっ、話してくれるっぽい?!
どうやら好感度は足りていたらしい…ヤッタネ☆!!
「深い理由も無くて組織に入ったのか?」
「入ったってのがそもそも間違いね…両親が属していたから…自然と私の“居場所”がそこであった…
ただそれだけの事よ」
「成程ね…代々そう言う家系って訳か」
「違うわよ…どこかの戦闘民族とかじゃあるまいし…お父さんは元は普通の町の洋服屋だったって
長官が言ってたわ…」
洋服屋さんがどうしたら組織の人間になるんだよ…
凄い事を聞いてしまったものである……もしかしたら、商店街の魚屋のおっちゃんも組織の人間かも知れない...
ん……? “言ってた”?
(……ああ……そう言う事か…)
魁斗は察した…
(両親がいたら…普通…止めるよな…拳銃とか持たせるの…)
ここは一先ず両親の話は避けるべき…魁斗はそう察した…
で、聞くとなれば…
「長官…?それって、何かボス的な人か?」
「組織の中では一応ね…。けど私にとっては…上官とかボスとか…そう言うのではなかったわ…
………掛け替えのない…恩人ね……結局、恩一つも返せなかったけど……」
少し寂しそうな顔をするアスカ…
少々、深入りし過ぎたか………?
反省をする魁斗…それと同時に嫉妬的な感情…?いや羨ましさを感じた…
何時も強気なアスカがこんな寂しそうな顔をするのだ…アスカのとって長官は特別な人物だったに違いない。
自分もアスカにとってそんな人物になりたいと言う願望…
そして…アスカからその人物を奪ったナイトメールへの怒り…
今さらながらアスカのナイトメールと戦う事への意味をよく考える魁斗であった…
(……そりゃー、アスカが俺が気に喰わない当たり前か…所詮、シャシャリ出ているガキだもんな…
何なら…俺もマジになるぜ…アスカ…)
心の中で決意したのであった…
……………………
少し時間が経った…
魁斗は修行に行くと言い…山の奥の方へと進んで行った…
この場に残されたのは一人…アスカである。
バギュンバギュン!!!
バキンバキン!!!
バギュン!!!
キンッ!!!
「あ…」
ずれた…的には当たったが…直撃ではない…
「…………………………はあ……」
射撃とは高度なテクニックが必要であり…メンタル面にも左右される…
となると…的に弾を外すなんてメンタルが弱っていると自覚するアスカであった…
「……長官………」
亡くした人を引きずり過ぎるのは良くない…引きずり過ぎれば…次は自分かも知れないのだ…
何とか…割り切らなけば…割り切ったつもりであったが……
長官の事を思い出すと……どうも出来なくなる……
アスカは空っぽになった拳銃のホルダーに弾を詰めなおす…
(……何で話したんだろう……)
詰めなおしながら…アスカはそのことばかり考えていた……
長官が死んでから……誰にも長官について…どんな人について話さなかったのに…
この中で一番長い付き合いの牧師さえにもだ……
会ったばかり…と言いつつ…もう一カ月経つが…アイツなんかに…魁斗なんかに……
アホで間抜けで変態で馬鹿な魁斗なんかに…
先月の自分なら、魁斗が長官と口にしただけでも…気に喰わず…腹を立てていただろう…
だが、今はそんなことは無かった…魁斗に聞かれたが…その後、自分から答えた…
やはり悔しいと言えば…悔しいが…自分は魁斗を認めて始めている…
いや、認めているのだろう…
あの時…答えたのも…少し期待したせいだろうか?
両親を事故で失った魁斗は…どう割り切ったのかどうかと…
だが聞けなかった…聞こうとしたら…
どうしても、先日の魁斗の涙の跡が脳裏に浮かんだからだ……
多分だが…魁斗は割り切っていない…引きずりながら今まで生きて来たのだろう…
それなのに魁斗は…引きずれる太い根性はない…だからメンタマンに過去の事を言われた時…魁斗は…
「……って、何で魁斗の考察が始まってんのよ…」
長官の事を考えていたのに…何時の間にか魁斗の事にすり替わっている…
全くな話である。
こんな言い方は悪いが…今は人ことよりも、何としても長官から託されたチップを守る事が最優先だ。
自分を含め、感情に浸る暇ないのである…
カチャ…
弾の詰め替えを終え、再び的を狙いを定めるアスカ…
そんな時…どこからか遠くで…
「おい魁斗!!!そいつは流石にそれは無理だぜ!!!」
「そ、そうですよ魁斗先輩!!いくら何でも、目隠ししながら兎跳びで丸太で川渡りなんて…
って、そもそも何の修行何ですか?!!!」
「どんな状況でも対応できる修行だ!!無理なんてねぇー!!俺はその常識を破壊する!!!!!」
ボッチャーン!!!!
「か、魁斗せんぱーーーーーーーーーーい!!!!!!!」
魁斗の馬鹿げた声が…聞こえてきた…
「…ハア……魁斗はやっぱ馬鹿だわ…」
おかげで、さっきまでの真面目な考察が全部馬鹿らしくなってしまった…
なのに、そこまで腹は立たなかった…寧ろ、魁斗らしいと思うアスカであった。
ヒュュュュュユユユ………
五月の涼しいそよ風は…自分の気持ちを考えさせる……優しい風である………
……………………………………
時は三時…
即ちおやつの時間だ!!!!!!
「さて……そろそろ帰るよ…早乙女君の川渡りも成功したしね…」
牧師の集合の元…帰る支度が始まる!!!
「………何だかんで楽しかったな…」
「たく、作者のせいで、これといった具体的な修行シーンがねーけどな!!!」
「まあまあ、和琴先輩…一応、僕たちはこの山で修行した結果があるんですよ。
後々、新しい技が出ても、“この山で修行し会得した”って事にできますから」
色々と、痛いとこ突いてくるのね、百合野ちゃん………
だがその時であった!!!!!!!!!!!!
「あああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~♪!!!!!!!!!」
何者かの声がああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
何処だ?!!
何処にいるぅぅぅぅうううう?!!!
「ああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
おっと?!神速 和琴が見つけてくれたらしい!!!!
和琴が指さすその先に……
奴は居たああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!
「な、何だコイツは?!!頭が熊で!!右手がコブラ!!左手にはがらがら蛇!!!
尻尾はキリン!!の気ぐるみを全身惜しまず纏いやがった奴がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
あんな、あんなぁぁぁぁ!!!
ぱっと見、樹齢三百年ぐらいの樹の…てっぺんにぃぃぃ!!!!!!!!!!
あんなぁぁぁ!!!高いところにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「な、何もんだテメー!!!!」
驚愕した!!!!
意味の解らない着ぐるみを着た変な奴が、何故か高いところに居る事に関して驚愕したぁぁぁ!!!
「わ・わ・わ♪私の名前は~♪ナイトメール~♪心のめいきゅ~う~♪
悩める~美女~♪
ラビス~ウ~マン~♪」
「……女だったのね……」
「驚愕だぜ…」
全員は目の前の変態がナイトメールである事より、女である事に驚愕したのであった…
「№~14~♪あなた~は~♪あなたたちは~ここで~朽ち果てるよ~よんよんよん♪」
「うっさい!!何がよんよんよ!!!戦うならさっさと降りてきなさいよ!!!」
「そうだ!!そのきたねぇ歌声をフッ飛ばしてやる!!」
割合、キレ気味なアスカと魁斗…
まあ…ムカつくよねコイツ…おかげで、態々書き直して前半に結構追加したシーンが台無しである。
そんなラビスウーマンを成敗を喰らわすか如く拳銃とシャーペンを取り出す二人…
戦闘準備は万全って訳だ!!!!!!
だがしかし!!!!
ラビスウーマンは!!!!!!!
「オホホホホホホホホ~♪♪♪」
逃げていった!!!!
何しに来たんだ?!!!!!
「何よ…アイツ…ムカつく奴だわ」
「追うぞアスカ!!アイツだけは一先ずブッ飛ばさないと、色々と一生後悔するぞ!!!」
逃げたアイツを追う二人!!!
「待て!!早乙女君!!積川君!!!!」
だが、牧師に止められた!!!
何故だ?!!!!
「何で止めんだよ!!!!」
「そうよ!!!」
「僕だって、あんなキモいのが雪子先生の山に居るだけでムカつくよ。つか、吐き気がする。
けど、これは罠だ」
罠(trap)?!!!!
「あのキモい奴の能力は、『迷宮に迷い込ませる能力』…一度迷い込むと二度と出れないよ…」
「じゃあ…魁斗先輩たちをムカつかせたのは…計算の内?!」
「そうやって俺たちをバラバラにして迷宮に迷い込ませるってか!!
たく、質の悪い罠だぜ!チクショー!!!!!!」
牧師の能力のおかげで、奴の罠から無事に逃れた魁斗たち!!
だが、ここからが問題だ!!!!!
「で…………どうすんだよ?」
キモいのがこちらが罠に気付いた事に気付いたら、今度は帰り道を迷宮に変えるかもしれない…
今回ばかりは魁斗の能力でもどうしようもできないのだ…どうする?
「一つしかないよ…奴が迷宮に変えるよりも前に、僕たちが先に山を下りるしかない。
つか、それ以外ない」
「簡単に言うけどよ…」
山を登ると降りるのでは随分と勝手が違う…
「それに、俺たち此処に来るまで結構道迷ったろ?それでアイツより先に下りろなんて難しk、」
「魁斗」
ギっ!!
「イテっ!!」
アスカが魁斗の耳たぶを引っ張る!!
「アンタね…まさか私の能力を忘れたって言うの?」
「えっ…?!…な、何でありましょうか…?」
ギギギギギギギギギギギッ!!!!!!!!!!
「イテテテテテテテテテテテテテテテ!!!!!」
「『一度憶えた道を、完全に記憶する能力』よ!!!憶えときなさい!!!
このバカイト!!!!!!」
「そうでしたそうでした!!!!」
「たく…痴話げんかはそのぐらいにして…つか、そもそも積川君の能力が頼りだからね…
キモいのが気づくのも時間の内だし…早く帰ろうか…」
こうして山を下り始めた魁斗たち…彼らは無事に山を下りる事は出来るのだろうか?
「イテテテテテ!!!どうがフラグだけは御勘弁を!!」
「何がフラグよ!!このバカイト!!!!」
…………………………………………………………………
その頃…逃げて行ったラビスウーマンとはいうと…
「オホホホホホホホ…ついてこないわ~ね~♪♪
まあいいわ…
あなたたち~は~
このマウンテンから~
帰れ~まて~ん~♪♪♪
さあ変わりなーさ~いぃぃぃぃぃぃ♪♪
終わりの見えない迷宮!!!!!!!!!!」
バフパフ…バフパフ♪…
ヤダ…コイツキモイ………
…………………………………………………………………
能力とは便利なものだ!!!
あれだけ迷い苦労した山を事の数分で半分辺りまで下りる事に魁斗たち!!!
だが!!
能力が便利であることはお互い様である!!!!!!
「……おかしわね……この道…さっき通ったわ…」
「おいおい…またかよ……完全にループしてるぜ…これ…」
さっき木に付けておいた印を見て、苛立ちを見せる魁斗…
そう…もう何度何度もぐるぐるぐるぐる…
同じ道を通っているのだ…
「う、うっさいわね…仕方ないでしょ、こんなに地形が変わると思って無かったし……
一応これでも…出来る限りやってるんだから…」
そう、アスカは頑張っている…憶えている限りの事を思い出して、道がどう変化したのか確認したり…
一度通った迷宮のルートは全て憶え…全く新たなルートを模索している…
だからこそ魁斗は、アスカの手助けを自分自身に苛立っているのだ…
「いっそ、樹木ごと切り倒して進むか?」
「正気かテメー!!」
「どうやってこのサイズの樹木を切り倒すのよ…。
それに、樹木を切り倒したからって迷宮の難易度は変わらないわよ…」
樹木が切り倒されればそれなりの迷宮へと変わる……
まさにラビリンス!!!!!
「済みません…魁斗先輩…アスカ先輩…和琴先輩…牧士先生…部長…
ボクがこの山を紹介したばっかりにこんな事になってしまって…」
「そんなの関係ねーよ、百合野…悪いのはあのキモイ奴のせいだし」
「そうよ。貴方が気にする必要はないわ」
「…そうかも知れませんけど……」
やはり罪悪感が残る百合野…
これでは前回と同じく…不安に押し潰されてしまう…
何とかして仲間同士でフォローし合わなければ……
カアーカアー……
「んっ…?」
何処かでカラスが鳴いている…気づけば太陽が沈みかけていた…
即ち、夕方である。
「クソ………どうすりゃいいんだ…」
このままでは、山の中で野宿だ……
「大丈夫だよ魁斗君。僕がこんなことも有ろうかと、大きめのテントと、二人一緒に入れるの寝袋を用意したから」
「それが一番大丈夫じゃねぇぇんだよ!!部長!!!!!!!!!!」
このままではまさかの夜戦に突入か?!!!
早乙女 魁斗…万事休すか?!!!!!!!!!!!!
……………………………………………………………………………………
いや違った!!!
「……………さて…そろそろいいかな?
つか、珈琲も無くなってきたしね……」
水筒の中の珈琲を飲み干した牧師が急に立ち上がった!!
「…えっ…?何がそろそろよ…何言ってんのよアンタ…」
何が?!!何がそろそろなのか?!!!
決まっている!!
この状況下で、そろそろと言えばアレしかない!!
「そりゃー、この山から下りる方法に決まってるでしょ?」
「「「「…………………………………………………………ハア?」」」」
………………………………………………………………………………
こうして…無事に彼らは山から下りれましたとさ…………………………………
って…ええええええええェェェェェェェェェェ??????????????!!!!!!!
「出れた!!!迷宮の出口だああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!
これで決着よう!!!!」
歓喜を上げ、何時も通りに叫ぶ和琴…
「やりましたね!!魁斗先輩!!!」
「たく……何で最初から使わねーんだよ…“ラックマンの能力”…」
―覚醒(仮)
そうサイコ・チップ!!!
ラックマンの能力だ(第5話参照)!!!
“99%の確率”により“99%の確率”で無事に脱出に成功したのだあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
「全く…魁斗の言う通りよ…何で初めから使わなかったの?」
そう!!何故初めから使わなかったのか?!!!
「まあ…使わないで出れたら一番でしょ?
つか…、」
つか?
「あのキモいのは、“迷宮を作りだせる能力”があっても…
“迷宮から脱出する能力”は無いんだよ……」
即ち、
「じゃあ…あの人に調子に乗らせて、ボクたちにも、あの人自身にも解けない迷宮を作らせて…
あの人自身を閉じ込める計画だったんですか?」
「たく、一番質が悪いのは牧師の野郎だったぜ!!!
チクショー!!!!!!」
HAHAHAHAHAHAHAHA!!
このようにして魁斗たちは無事に脱出に成功したのであった……
「……結局…私の能力は噛ませ犬かい!!!」
一人落ち込むアスカさんであった……
………………………………………………………
カアーカアー…
とも聞こえなくなった…暗い山の中である…
「あ・あ・れれのれ~♪
ここは~どこでしょか~♪」
迷い込んだら最後…
誰であろうが…迷宮は闇へと導く……
第11話…完
次回、第12話『光の怒り』
*プロフィール
山梨 越智無
やまなし おちむ
性別、男
身長、178㎝
体重、そんなに知りたいの?
髪の色、白銀
瞳の色、紅
年齢、18歳?
誕生日、不明
頭脳、この学校ではトップクラス…
体力、荒ぶる
家族…
両親…不明
義父…牧師
妹…鈴鶴