第三話 桐生
道を歩いていて、急に意識がはっきりする事が最近多くなった。
直前まで何か深刻な問題について悩んでいて、周囲の状況が目に入らないほど思いつめてしまっていて、ふと気付いて我に返るまで自分がそれまで何をしていたのか覚えていない、そんな状況だ。
買い物や知人との受け答えなども惰性と反射でやり過ごしてしまっていて、ポケットの中に買った覚えのない商品とレシートが入っていたり、後日「あのとき町であったよな?」などと友人に言われる事が、最近になって増えてきたのだ。
軽い健忘症のようなものだろうか。
それにしては、直前まで何について悩んでいたのかをさっぱり思い出せない。
軽い健忘症ではなく、重い健忘症なのかもしれない。
果たして今回は何について悩んでいたいたのだろうか。
いや、そもそも俺の平常状態において深刻な悩みなど、家族の事についての悩みと決まっている。
そう、今回は我が莫迦な妹、櫻井火花が「ぷち家出」した事についての悩みだったはずだ。
俺は家族を心配させまいと火花を探しに出て、「前パパ」事、うれないライトノベル作家である立花万里夫さんの自宅兼仕事場のマンションにお邪魔したのだった。
結局、立花さんのところに火花はおらず、それ以外の筋、火花の友人知人のところを当たるしかないという結論に至ったのだ。
ため息交じりに腕時計を見ると午前11時45分、もうすぐお昼だ。
立花さんの自宅兼仕事場を出たのが午前10時半過ぎだったので、かれこれ一時間ちょっとの間、ぼーっと町の中をさまよっていた事になる。
いったい何をやっているのだ、俺は。
ため息をもう一度、それに続いて腹の虫が鳴いた。
いつもならば早朝のランニングを終えてから朝食というのが休日の流れなのだが、今日は急きょ予定を変更して火花を探す事にしたため朝起きてから何も食べていない。
とはいえ、ファミレスに入ってしっかり食べなければいけないほど空腹を感じていないので、これならコンビニのおにぎりでも事足りそうだ。
もしかしたら入った先のコンビニにて、黙ってアルバイトしていた火花と鉢合わせる、という偶然もあり得るかもしれない。
ただひとつ気掛かりがあるとすれば、今俺がいる場所がどこかわからない、という事だろうか。
呆けてさまよい歩いて、何故こんなところに迷い込んでしまったのか。
立花さんのところを出てから一時間と少し、俺は火花を探していたわけだから、次に火花が行きそうなところを目指していたはずだ。
この町はもともと火花が住んでいた土地なので、当然あいつの知人友人も多い。
俺も何度か知らない人間に声をかけられる事がある程だから、この町をさまよっていれば誰か火花の知り合いに出会うのではないかと考えたのではないだろうか。
ならば、こんな人通りの少ない道よりも駅前周辺の方がいいだろう。
その方が人も店も多い。
さて、現在俺は完全に道に迷っている状態なので、ひとまず太陽の位置を確認してから動き出そう。
土地勘のない場所を散策するときはむやみに歩き回るのも悪くはないが、自分の位置を常に把握して置く事も重要だ。
仮に何かあった時、最寄りの交通機関や施設を頼らなければならないかもしれない。
過去にそういった経験が幾度かあったという事もある。
しかし、そうして助けた人間のほとんどが火花の知人だったというのは、さすがに偶然にしては出来過ぎている気もするが……。
その時、ズボンのポケットに入れていた携帯電話が鳴動した。
コールは3回、メールだ。
俺は携帯電話は取り出すとプッシュボタンを押して画面を開く。
スマートフォン全盛のこのご時世だが、俺はその流れに反発するようにフィーチャーフォンを使い続けている。
理由は単純というか幼稚なもので、子供の頃に憧れた特撮ヒーローが携帯電話を使って変身するというギミックを使っていたからに他ならない。
この事を知っているのは父だけだったはずなのだが、なぜか先日、火花がその話題について触れてきて心底驚いた事を覚えている。
テレビで昔懐かしのヒーロー特集でもしていて、父が当時の俺の事を話したのかもしれない。
それはまあいい、父が火花と交流するための話題を提供できるのならば、俺の幼い頃のエピソードなどいくらでも話してくれればいい。
しかし気に食わないのが、それを知った火花がしばらくの間その特撮ヒーローの真似を俺の前で披露することがマイブームになってしまった事だ。
さすがにしつこかったので「黙れ、このスマートフォン体型が!」と指差しで叫んだところ、「見よ、このスマートフォン体型を!」とポージング付きで返されてしまった。
だが、火花自身はその行動に自分でダメージを受けてしまったのか、それ以降その特撮ヒーローの話題には触れなくなっている。
メールの差出人を確認すると、立花さんだった。
彼のマンションに何か忘れ物でもしたのだろうか、それとも火花が今になって立花さんのところに上り込んだのだろうか。
メールの文面は簡素かつ意味不明なもので「そうそう。今回のキミの異能力をまだ設定していなかったね。もしも望む異能力が決まった時は、ブラックチケットにその異能力がどういうものか念じてくれればいい。それでは、頑張って」という文章だった。
わけが分からず携帯を畳んでポケットに仕舞おうとすると、携帯を取り出したポケットの端に何かが引っかかっている事に気付いた。
光沢のない黒い色をした、遊園地のチケットのサイズの紙片だった。
材質はプラスチックのようなもので、下敷きのようにぺらぺらと曲がる。
印字されている文字はなく、裏表の区別があるのか定かではない。
いつの間にこんなものを? 受験生の用いる赤いクリアシートではあるまいし。
こんなものを持っていた覚えはないので、おそらく立花さんのところを出てから今までの間にどこかで配られていたか、もしくは道端で拾ったか。
どちらでもいい。道端にごみを捨てるような不道徳な事は出来ないので、コンビニか公園のごみ箱を探す事にしよう。
……もしかしたら、これが今のメールにあったブラックチケットなのかもしれないという考えは、何故か真っ先に頭から抜け落ちていた。
「あ」
驚きの声。
それは俺の背後から聞こえてきたものだった。
男の声、少し低めの声だった。振り返ると、背の高い男が俺の方を指差していた。
俺の方ではなく、俺か。
正確には俺の手にしていた黒い紙片なのだろう。
男も指差している方とは反対側の手に黒い紙片を指でつまむようにして持っている。
この紙片について何か知っている人物だろうか。
三連休中の催し物という線も考えられるし、案外スタンプラリーのようなものなのかもしれない。
ちょうど道に迷っていたところだし、ここいら周辺の事を訪ねることができるチャンスだ。
もし、彼もこの近辺の人間ではなく道に迷っている最中だとすれば、それも好都合だ。
一緒に駅の方へ向かう道連れができるのだから。
俺は彼の方へ向き直って道を尋ねようとしたのだが、彼の方はなぜか一歩後ずさって身構え、険しい表情で俺を睨み付けた。
右手につままれた黒い紙片が目にも明らかに揺れている、手が震えているのだ。
何事かはわからないが、どうやらよくないことに巻き込まれていたようだ。
いや、現在進行形で巻き込まれているのかもしれない。
男が口を開く。
滑舌の悪い、怯えて上ずった声だ。
「あ、あんたも、あの刃物女の仲間かよ……!?」
刃物女。
イントネーションから察するに、文字の変化はこれであっているのだろう。
通り魔にでも襲われたのだろうか。
いや、だとすれば、警察に通報するか、少なくとも周囲にいる他人に助けを求めるか警戒を促すところであろう。
男は俺の手にしていた黒い紙片を見て、その刃物女の仲間なのかと言ったのだ。
だとすれば、その刃物女とやらもこの黒い紙片を持っている人物という事になる。
そして、同じ黒い紙片を持っている彼が襲われたという事は、俺がその通り魔の対象になるかもしれないという事でもある。
ならば俺は、黒い紙片を地面に放り捨て両手を挙げた。
ごみかどうかもわからないものを路傍に捨てるなどポリシーに反するのだが、目の前の怯えた男の信用を得るためにはやむを得ない。
俺の取った行動に男は、口をあんぐりと開けて疑問の表情を浮かべた。
しばらく話せそうにないので、俺の言いたい事を先に言わせてもらおう。
「まず俺の話を落ち着いて聞いてほしい。俺はその刃物女とやらの仲間ではない。この黒い紙片も、たった今ポケットから出てきたものだ。ほしいならキミがもらってくれても構わない」
男は俺と地面に落ちた黒い紙片とを指差し見比べ、信じられないとでも言いたげな表情を浮かべる。
まだ言葉をしゃべれないようなので、さらに追加しておこう。
「そしてもし、この黒い紙片やその刃物女について知っている事があれば、俺に教えてほしい。ついでに駅に行くにはどの道を通ればよいのかも。道に迷っていたところなんだ」
そこまで言ったところで、男は「あ、あ、あんた……!」と途切れ途切れに何か言いかけていた事に気付く。
俺はどうぞと、右手を男の方へ差し出して発言を促す。
すると、男は焦って呂律が回らなくなった口で叫ぶように言った。
「は、早くチケット、チケットを拾え! し、しぬ、死ぬぞ! あんた死ぬぞ! カウント、カウントダウンが……!」
必死の表情に偽りは感じられない。しかし、男の言うカウントダウンとは何か。
その答えは何気なく視線を落とした先、黒いチケットにあった。
地面に落ちた黒い紙片上に、白い文字がいつの間にか印字されていたのだ。
しかもよく見るとそれは数字で、俺が見た時点では[12.32]から徐々に減っていっている。
単位がわからないか、おそらく秒数だろう。
たった今10秒を切って字が白から赤に変わった。
男の話が本当だとするのならば、このカウントがゼロとなった瞬間俺は死ぬという事になる。
紙片、チケットから男に視線を戻すと「はやく! はやく!」と必死表情で叫び続けていた。
彼が拾って俺に手渡すという事をしないのは、彼が拾って手渡すのでは何かが「ダメ」だという事なのだろう。
ならばお言葉に甘えて拾わせて頂こう。
俺がチケットを拾い上げると、男は緊張が解けたのか、その場に座り込んでしまった。
心の底から安堵した表情と脱力。
これが演技だというのならば、目の前の男は稀代の役者となる実力を秘めていると言わざるを得ない。
チケットに印字されたカウントは[02.05]の赤字で停止し、規則的に明滅。
やがて[Continuation]の白文字に変化して消滅、元の黒い紙片に戻る。
「さて、事情を話して貰えるだろうか。どこか喫茶店でも探して入ろうか?」
「い、いや、人の多いところでは危険だ。無関係の人間を巻き込無かもしれない……」
腰が抜けたのか立ち上がることができない男に俺は手を差し出す。
男はわずかに躊躇して、その手を取った。
◇
男は自らを桐生と名乗った。
証拠とばかりに運転免許証まで見せてくれたが、俺は下の名前まではあえて注視しなかった。
俺も学生証を見せて互いの身分を紹介し、ひとまず近場にあった公園へ逃げ込むように入り込んだ。
自動販売機で缶ジュースを二本購入し、その片方を桐生さんに手渡す。
俺は砂糖とミルク入りのコーヒー、彼にはスポーツドリンクを。
朽ちかけて座ると軋む音のするベンチに2人で陣取り、ようやく一息つくことができた。
公園は三連休の初日だというのに閑散としている。
子供たちやその親、ジョギングする人や散歩中の老人の姿も見当たらない。
それどころかここに来る道筋にて、誰ともすれ違わなかったのだ。
塀の向こうの民家にも、人の気配や生活の匂いのようなものがまるで感じられない。
まるでゴーストタウンのようだと呟いた俺に、桐生さんはその通りだと告げた。
「ここいらで昔、連続殺人事件があったんだ。新聞にも大きく報じられたし、県民なら知っているだろう?」
その事件は知っていた。ニュースや新聞で大々的に取り上げられたという事もあるのだが、何よりその時期が印象的だった。
父が再婚し、俺に母と妹ができた年の事件だったからだ。
事件の起きた地域が地域だっただけに、火花が「前パパ」のマンションに行こうとするのを全力で阻止していた記憶がある。
桐生さんの話によると、その事件以来この近辺から住民が次々と出ていき、今では本当にゴーストタウンとなってしまったのだという。
そして、事件を引き起こした犯人は今も捕まっていない。
「その事件と、この黒い紙片とが、何か関係があるんですか?」
「ああ、関係あるんだが……。それより、俺に敬語は使わなくていい。一応年上ではあるけど、そういう堅苦しいのはいいよ」
ではお言葉に甘えて桐生さんから桐生へと、よりフレンドシップな方向に呼び方を変えるとしよう。
桐生は県内の大学に通う学生で、この近辺にはレポートの資料集めのために来ていたのだという。
明るい色の髪とファッション雑誌のモデルとして載っていそうな容姿と服装の人物。
本来は気さくで陽気な人物なのかもしれないが、先に話した「刃物女」のせいか、ずいぶんと憔悴しているように見える。
「櫻井、キミは“異能売り”の都市伝説を知っているか?」
「いや、聞いたことはない。それが?」
「その“異能売り”が、その連続殺人事件にかかわっている可能性が高いんだ。いや、元凶と言っても過言ないかもしれない。何せ、その“異能売り”こそが、このブラックチケットを配って回っている張本人なんだから」
“異能売り”の都市伝説とは、背の高い老紳士の姿をした“異能売り”が、異能力を欲する者に異能の力を与えるというものだ。
“異能売り”に力を与えられた証が、俺も桐生も手にしていたブラックチケットなのだという。
ブラックチケットは所有者の望む異能力をひとつだけ与えてくれるもので、所有者の手を離れて時間が経つと「失効」となり、所有者の命は奪われる。
これは“異能売り”からチケットを譲り受けるときに契約する事らしいのだが、手にしたチケットを捨てたり他者に譲ったりするのはご法度で、それが破られた場合契約違反となり、所有者の命を「違約金」として支払わされるという事なのだそうだ。
だが、俺は“異能売り”なんて人物に会っていないし、契約とやらも行った覚えはない。
そもそも、桐生はなぜこんな都市伝説を信じて青ざめているのだろうか。
ブラックチケットで得られる異能力と連続殺人事件、確かに関連性はありそうだが、その線を結びつけるのは早急過ぎる気がする。
「俺の場合は、都市伝説自体は知っていたんだ。信じてはいなかったが。ただ、連続殺人事件と何かしらつながりがあるといううわさが後を絶たなかったから、こうして現地まで赴いてまで調べていたんだが……」
そこで桐生は一度言葉を途切れさせた。
スポーツドリンクの缶が桐生の握力に負けて凹み、彼の手が震えている様がはっきりとわかる。
「道端で、異能力者同士が戦っていたんだ。ひとりは若いサラリーマン風の男で拳銃を持っていて、もうひとりは女子高生で刀を持っていた。さっき言った刃物女だよ。それで……」
対決は刃物女が勝利したように見えたそうだ。
その時ちょうど、サラリーマン風の男が取り落としたチケットを桐生が偶然拾ってしまい、チケットが「失効」して男が心臓を押さえて息絶える様を、桐生は目の前で見てしまったのだという。
続いて刃物女がチケットがどういったものかであるかを朗々と語って聞かせたのだという。
サラリーマン風の男が目の前で死んだというのに、罪悪感の欠片もなく、表情ひとつ変えずに。
そして、チケットの次の権限者となった桐生を殺してチケットを奪い取ると、その刃物女は宣言したのだという。
なるほど、桐生がブラックチケットと連続殺人事件を結びつけたのは、チケットで力を得た異能力者たちの異常性が理由か。
俺は実際に他の異能力者にあった事がないので何とも言えないが、現状殺人鬼になり得る人間が少なくともひとりはいる、という事か。
「その場から全力で逃げ出してきて、気付いたら目の前にあんたがいたんだ。異能力者にとってこのチケットは、力と同時に命みたいなものらしい。俺も、チケットを失った男が死ぬ様をこの目でみたから、そこは信じてる。確信している。それで、異能力者は他の異能力者からチケットを奪い取ろうとしているみたいなんだ」
「それは、自分の命のストックを作るため? それとも、チケットの枚数が多いと力の種類が増えるような仕様でもあるのかな?」
「おそらく両方だ。刃物女とサラリーマン風の男が戦っている時に、そんな話をしていたような気がする。それに、あいつら……」
桐生は飲み干したスポーツドリンクの空き缶を握りつぶしていた。
表情の大半を恐怖が染めてはいたが、その中には悔しさや怒りも込められていた。
「あのふたり、まるでゲームでもするみたいに殺し合いしてたんだ。刀で人を切ればどうなるか、銃で人を撃てばどうなるかなんて、全然気にした風じゃなくて。まるで、相手が死んでも生き返ると思ってるみたいで……!」
そういう事情だったのか。
という事は、桐生はブラックチケットの正式な契約者ではないので、“異能売り”から正式な契約を取り交わしているわけではない。
しかし、チケットの効力は桐生にも適用されてしまっている、か。
俺もこのチケットを手に入れてしまったため、否応なく異能力者に狙われる事になるだろう。
まったく、莫迦な妹探して、なぜこのような事に巻き込まれなければならないのか。
「桐生、キミはこれからどうするんだい? 何か方針はあるのか?」
「いや、方針なんて言うほどのものはないけど。こんなチケット、早く“異能売り”に返して普通の生活に戻りたいよ。俺はレポートの材料が手に入ればいいんだ、異能力なんか必要ない」
「そうか。俺の方も“異能売り”とやらにこんなもの返品願いたいという点では同感だ。それで、差し当たっては情報が欲しいところだ。できれば、“異能売り”と正式に契約した者が知る情報がね」
「おい、櫻井。それは……」
俺はベンチから立ち上がって、缶コーヒーの中身を飲み干す。
残り少ないコーヒーが滴下して、まばらな甘さの残滓が舌の上に残る。
口の中が甘ったるくなるが、頭に回す糖分の余力があるような気がしてちょうど良い。
これからの事を考えると少しだけではあるが心強いものだ。
「何せ……」
隣の桐生も驚いて立ち上がった。
公園の入り口に、彼の言っていた刃物女と思われる女子高生が姿を現したからだ。
あの制服は市内のお嬢様高校のものだ。
火花が高校受験の際に、無謀にも第一志望にしていたのでよく知っている。
背はちょうど俺の目線の高さくらいだろうか、容姿は間違えなく美人の部類なのだが、表情が険しいためそのせっかくの美人が台無しだ。
彼女は長い髪をかき上げる仕草を見せると、俺たちの方へ歩いてくる。
「何せ、今から異能力者と戦う事になるのだからな……」
俺は空き缶を自分の右手側に放る。
それは高く静かな弧を描いて、自動販売機横のごみ箱に吸い込まれて快音を響かせた。
よし、いい調子だ。慌てふためく桐生を背に、俺も彼女の方へ歩み寄って行こう。
こんな事早く終わらせて、莫迦な妹を探しに行かねばならないのだから。
つづく