君との約束 ~3月28日~
次の日。僕は友達に誘われ、ゲームセンターに行ったり、
ボウリングをしたりと騒ぎまくった。
金を使い果たし友達と別れ、家についた時には
夜の9時を過ぎようとしていた。
夕食を食べていないため、今から食べるとすると
9時を過ぎることになる。
やばい…これはやばいぞ…
少しでも長く、君と一緒にいたいと思う僕にとって、
君と過ごせる時間が削られるというのは、
結構大きな問題なのだ。
僕は急いで夕食を腹に流し込む。
「ちょっと外出てくるっ!」
そう言って家を飛び出したのは、9時15分だった。
僕は走って公園に向かう。
腹の中で渦巻く食べ物に、気持ち悪くなりながらも走り続けた。
──やっとの思いで公園に着き、
いつも君がいるほうを見る。
そこには、昨日僕があげた絵を見つめる君の姿があった。
「…もって、いて…くれ、たんだ…。」
息切れで途切れ途切れになりながら、
君に話しかける。
すると君はほほえみながら
「お気に入りなの。」
そう言った。
その言葉を聞き安心するのと同時に、
素直に嬉しいと思った。
「よかった。…気に入ってもらえて。」
ただじっと絵を見つめていた君は、
絵の中の星たちを、撫でるようにそっとふれる。
そして──
「…友達…だよね…?」
そう僕に問いかけた。
僕は笑顔でこう答える。
「そうだよ。」
すると君は話してくれた。
…なぜ、星空を見上げているのかを…。
「星をね、見てると落ち着くんだ。
私は一人じゃないって思えるの…。」
君は目を細め、ほほえみながら話を続ける。
「…私ね、友達っていう存在が一人もいなかったの。
でも、今は翼がいる。
翼に会えてよかったって、思ってるよ。」
そう言って君は、僕に笑いかける。
───なんでだろう…。
君は…君の顔は笑っているのに
どうしてこんなに──
──悲しそうなんだろう──……
「……──んで───」
「…え?」
「なんで、そんな悲しそうなんだよ…。
まるで、『別れ』みたいじゃん…。
僕がいる。…ずっと一緒にいるよ?
──僕が君を守るから…。 」
「本当…?」
「本当。」
すると君は笑って
「約束。」
そう言って、自らの小指を僕に向けてきた。
そして僕は
「約束。」
そう返し、自らの小指を君の差し出した小指に絡めた。
……──その約束が、
果たすことができないことを
知らずに────………




