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名前も知らない君に僕は恋をした  作者: 桐生桜嘉
君と過ごした日々 
3/13

君への感情 ~3月26日~

 次の日も同じ時間に、同じ場所に君がいた。

君は昨日と同じように、星空を見上げて涙を流していた。

僕は再び、君の隣のブランコに腰かけ、そして話しかけた。


「…名前、なんていうの…?」


でも君は、星を見つめたままたった一言──


「──教えられない…。」


と言った。

 その声はあまりにも小さくて、悲しそうだった。


「そっか…。──僕の名前は佐藤 翼。」


そう言うと君は僕を見て、つぶやくように僕の名前を繰り返す。


「──つばさ…?」


「そう、翼。」


「翼…。──いい…名前だね…。」


「ありがとう。僕のことは『翼』って呼んでいいから。」


そう言うと、君は静かに頷いた。


……──しばらくの間、沈黙が続く。


その沈黙を破ったのは、君だった。


「私、帰るね。」


そう言って、君は夜の闇の中に消えてしまった。



  ──また…明日も会えるよね…?──



僕は心の中で、君にそう問いかけた。



その時僕は、君と一緒にいたい。

もっとたくさん話したい。


 ……そう思った。


……そして、気づいたんだ。



 ──僕は君が好きだ、ってことに──……



 これが───


  ───この恋が……僕にとって、



   最初で最後の恋だ───………




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