僕の約束
気が付けば僕は 病院にいて
気が付けば僕は すでに死んでいた
僕が倒れたのはだいたい一ヶ月とちょっと前ぐらいの頃だった いつものように家の手伝いだのなんだのしてるうちに
ふと、おかしいことに気がついた
とにかく体が火照って少しずつ息が荒くなって 仕舞いには目眩までしてきて
僕は倒れてしまった
うっすら目を開けると今にも泣きそうなお母さんの顔とお医者さんの顔があって その時はまだ死んではいなかった
倒れた時よりも体が重く感じて 息だってしずらかった
と、その五分後ぐらいに友達の広樹が家族と一緒に来たのだ
広樹と僕は小さい頃から仲良しだった
幼稚園の時からずっと一緒に遊んでいて 先生にこっそり内緒で宿題をみせあっこしたりした僕が思う一番の友達だ
広樹は僕が起きてることを確認してふぅー、と安堵のため息をついた
が、僕の命日は少しずつ近づきあったのだった
広樹が病院に毎日見舞いに来てはお喋りをして たまに遅れている勉強だのなんだのを教えてもらったりした
日がたつにつれて体の重みは益々強くなっていった
僕には想像ができた 近いうちにきっと・・・
ある夕暮れの日のことだ
僕は咳がでて 苦しく 目眩がしてきたのだ
ナースコールとかあるとかないとか言われたけど実質どこにあったか忘れてしまったのだ
これはそろそろ・・・そう思い、僕は自分のお財布から30円取り出してヨロヨロと歩き出した
チャリン、と電話のなかに小銭が入ると広樹の声が聞こえた
ほっとした、僕は静かに微笑んで 僕は言葉が詰まっていながらも最期の会話をして
僕は床に突っ伏して倒れて、僕の心臓は二度と動かなくなった
あぁ できることなら君とまた