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銀河舞踏会 ガンマ・ジュリエット  作者: やまなし
第十二話 「輝け スターシステム : vs. SURUGA Mikado」
98/112

chapter 3


   3


「朗報である。メンデルスより〝スポットライト〟の設置に成功したとの報告を受けた」

 バグフィルタ計画にて、実行的な舞台であるイノヴェーションズの代表CEO会議は、今宵は異様な高揚感に包まれていた。開会の一言目から、ハムレットははやる気持ちを抑えきれないでいた。まるでバースデイプレゼントの包装を破り捨て、すてきな中身に目を輝かせる子供のようである。もっとも、それはハムレットだけではなかった。

「我々第二世界にとって、大きな一歩ですね」フィディーリは握り拳を作る。

「スター・システムは、あくまで手段に過ぎない。結局のところ、なにをなすかで物事の価値は決まる」とは口にしながら、冷徹なはずのプロスペロの瞳が心なしか燃えている。

 こういうときに限って冷静な評価をするのは、パックである。

「いやまだ運転してないしー。ちょっとみんな、気が前のめり気味じゃない」

 そして、〈スーパシー〉傘下の五つの第二世界で、空席が一つ。

〈エレガントキメラ〉の代表CEO、コーディリアは不在だった。

「気になるのはもう一点。悪夢ちゃんが肝心の前翼竜の化石を持参してくるかってことだよ」

「これまでの筋書きが、すべてつぎの舞踏会へ収束するよう組まれているのだ。プログラムの変更はありえない」ハムレットは断言する。「それにコーディリア王女は執着している。人は所詮、記憶の奴隷だ」

「まあいいよ。不確定要素が多すぎる。ワルキューレとてすべてを見通せるわけじゃあないんだから、あんまり浮かれないほうがいいと思うけどね。ぼく、いちおうテンション下げておくわ」

「不穏なことを言う……。いずれにせよ、悲願は近い。クライマックスに相応しく、悪夢の王女には華々しく散っていただこう」ハムレットは立ち上がり、一人一人、全員に目を合わせてたら決まりの台詞で締めくくる。「フィラメントを突破するのは、我々イノヴェーションズだ」

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