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銀河舞踏会 ガンマ・ジュリエット  作者: やまなし
第十一話 「魔法使い 対 魔法使い: vs. Valkyrie Ori」
88/112

chapter 5



 Bパート


   5


 ジュリエットは通称・湖公園のベンチに座っていた。天気は晴天。風も暖かい。絶好のひなたぼっこ日和で、陰鬱な空気の基地内にいるよりかずっと気分がいい。せっかく外に出られるようになったのだから、なおのこと。だが、彼女の心は空の青さほど晴れてはいなかった。

 制服のまま平日の公園にいると職質を受けそうな事案であるが、あらためて登校する気分ではまったくない。早朝の気分のよさが夢のような曇り具合である。

「みんな隠し事ばかり……」ジュリエットの独りごとに、いまはツッコミを入れる人物はいあわせていなかった。だから自分でツッコミをいれる。「ってぼくが言えたもんじゃないか」

 ため息を吐いて、ベンチに横になる。すると、スカートの端が重さでずり落ちた。

 不可解に思いジュリエットが触れてみると、スカートの中に硬い感触。

 そのままごそごそとプリーツスカートをいじっていると、折り目に切れ込みを発見した。

「ポ、ポケットだ――」どうでもいいことに、ジュリエットは感銘を受けた。「知らなかった。スカートって、ポケットあったんだ。しゅごい……」

 取り出してみると、プラスティック製の板で、黒いテープが巻いてある。これがずっとポケットに入っていたから、腿に触れてなんとなく不快感があったのだ。

 しかし、いつからポケットに入っていたのだろうか。すくなくとも、朝着替えたときにはなかったはずだ。すると考えられるのは登校中。もしくは、基地に戻ってからか……。

「そういえば」

 ジュリエットが今日一日の自分の行動を思い返していると、下駄箱で発見した謎の贈り物を思い出す。本革のショルダバッグからそれを手に取った。

 丁寧にラップされる。

 ビリビリに破いて中身を確認。

 中にはこれまた謎の機械。手のひらサイズで、ボタンがいくつかついている。

「なんだろなー」ジュリエットは仰向けに寝転ぶ。空は雲一つ無い。

 いつのまにかポケットに入っていた謎の板。

 下駄箱に投函されていた謎の機械。

 天宮羽衣について隠し事をする基地の人々――。

「なんだろなー……」もう一度、覇気の欠片もなく呟いた。せかっくの天気もきれいな湖も、赤毛の美少女すらも台無しなもったいない絵柄だった。

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