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銀河舞踏会 ガンマ・ジュリエット  作者: やまなし
第三話 「白鳥処女 : vs. Iachimo」
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Aパート

     Aパート



 過剰、ともいえる煌びやかな装飾の窓には、しかし憂鬱な自分の顔が映っている。

 ここはシンベリン王宮の一室。フィディーリには、バグフィルタ計画の代表CEO専用室として宛がわれていた。あらゆる調度品が市民の想像を超える高価なものでそろえられた、最高級のスィートルーム。たが、そばにいるはずの愛しい人がいなければ、馬車小屋と同然。人というのは、どこに住まうか――、よりも、だれと住まうか――、それが幸福の根源的な要素なのだろう、と最近つくづく思い知らされる。

 深いため息を一つ。

 それと同時か、重たい扉がノックされた。

「貴公か、ヤーキモー殿……」

「ご自分で呼び立てておきながら、そう暗い顔で出迎えないで下さいよ、代表」半分開けたままの扉にもたれ掛かりながら、ヤーキモーはきざったらしく前髪を手で撥ねた。「用件は察しています。出番、ですね」

「ああ。灰炎(かいえん)のジュリエットのつぎの踊り手は、我々〈螺旋の世界フィア・ノウ・モア〉だ。貴公に任せたい。どうも力が有り余っているらしいからな」

「と言いますと」

「つい先日も、一騒動起こしたらしいではないか。貴公は優秀な戦力ゆえ、代表CEOの権限で不問としたが、つぎはないと思いなさい」

「ああ、あのことですか」ヤーキモーはまるで反省した様子もなく、肩をすくて応えた。「なに、わたしは自国の姫様を貶める輩を懲らしめたまで。なんら咎められるいわれはありませんぞ」

「自国の姫……、それは、イモージェン王女のことか」

「ほかにだれがいます」

 イモージェン姫。〈螺旋の世界フィア・ノウ・モア〉、キング・シンベリンの一人娘にして第一王女。容姿は一言で表せば、美男子。女性的な線の細さと柔和さを持ちながら、力強い眉と凛とした瞳の野生的な男子の魅力を併せ持つ。年頃の娘らは、みな同姓であるはずの王女に惚れていた。無論、男子からの支持も厚いことは言うまでもない。

 ヤーキモーも、またそんな国民の一人であった。

「聞けば大罪人、灰炎のジュリエットとやらは、それは美しい少女という噂ではありませんか。聡明で才覚に富み、誘惑に屈しない信念を持つ乙女。もっとも、その信念がヴェロナ事件に起因するとなれば笑えぬ話ですが――、そうでなければ、ただ一人の少女と見ればどこの世界のすぐれた婦人よりもさらに美しい、と耳にしました」

「どうだろうか。わたしには知らぬ話だ」なんだそんなことか、と興味もなくフィディーリはよそを向いた。

「だから言ってやったんですよ。そんな不敬な発言をする輩に耐えかねまして、イモージェン王女にも勝るとおっしゃるのは許されぬと。そしてわたしはこうも続けた。こうして貴公と話をしている時間を、そのまま贔屓の少女とおしゃべりできれば、わたしは彼女を口説き落とし、もっとも優れた貞淑な乙女とやらの評価が、いささか高値過ぎたと証明して見せましょう、とも」

「心中どうあれ、そうしてもらう。灰炎のジュリエットと存分に踊ってきなさい」

「喜んで」ヤーキモーは不敵に笑い、身を翻して姿を消した。

「くだらない」フィディーリはつまらなさそうに独りごちた。

 それでイモージェンの名誉を守ったつもりなら誤りだ。彼女は、そんな俗な評価を気にとめない。彼女の心は、ただ一人にしか動かせないのだから。

 勇敢な獅子の異名をもつリオネータス。

 キング・シンベリンにとって、イモージェンは代え難い一人娘である。その彼女の心を奪い去ったリオネータスは王の怒りを買って追放されてしまった。イモージェンがただの乙女ならば、涙を流し、父に彼の許しを請うだけだろう。が、勇敢な獅子を愛した彼女は、自身もまた勇敢だった。奮起した彼女もまた、リオネータスを追って姿を消した。

 みな口には出さぬが、腹の中では知っている。

 バグフィルタ計画に参加したキング・シンベリンの思惑は、第一に超通信現象を利用した、失踪した娘イモージェンの捜索にあると。

 そんなことは構わない。

 知ったことか。

 なにせ灰炎のジュリエットを手にするのは、通常空間から動かないキング・シンベリンではなく、銀河舞踏会へ参じる、我々イノベーションズなのだから。



 睡魔が誘う昼過ぎのこと。

 教科書を音読するクラスメートが子守歌にしか聞こえない。見当外れのページを開き、壁にして、彼女は重たくなって半分しか開かなくなったまぶたを教壇に立つ老教諭から隠していた。

 天宮羽衣(あまみやうい)は小柄で、暴れ出したタコのようなくせっ毛のボブカットがチャームポイントの少女である。実年齢よりもいくぶん幼く見える彼女は、睡魔と戦うこんなとき、ぷくぷくのほっぺたを人差し指で突かれて、いたずらされるのはよくあること。そのたびに、友人らは決まって「だって子猫みたいなんだもん」と悪気もない。

 もうだめだ。

 このままでは本当に眠ってしまう。

 頭を振ってふと窓の外を見ると、見覚えのある光景がそこにあった。

 燃えさかる炎のような赤い髪の少女が、木の枝に座ってこちらを見ているのだ。

 眼があった。

 赤髪少女はこちらを認識すると、にっこり少年のように笑って手を振った。

 その瞬間、睡魔が光の速さで飛んでった。

 またか、

 あいつだ。

 どうする、先生に不審者の侵入を伝えるか。

 まじめなクラスメート達は、まだ気づいていない。

 赤髪少女と周囲を交互に見る。きょろきょろしすぎて、完全に変な奴だ。自分でもそう思いながら、対応に困る。

 隣の席の女子が眉をひそめて羽衣を見た。

 なにやってのあんた、と彼女の目は語っている。

「いや、なんでもないけど……」教壇の教諭には聞こえない程度の小声で、羽衣は応えた。

 もう一度、外を見た。

 おふううーっ、と奇妙な呼吸が口から出た。

 赤髪少女は両足を枝に掛け、逆さ吊りになっていた。小学生の頃、よく羽衣も鉄棒で同じようにして遊んでいたが、スカートでそれやっちゃだめでしょう。ほら、ほら、めくれる、めくれる。声に出さず、口パクでなんとか伝えようと必死になった。

 赤髪少女は、なになに、なに言ってるのかな、と無邪気に耳に手を当てる。

 パ・ン・ツ。

 と大きく口を作って読唇を促す。

 彼女がああ、なるほど、と手を打った。

 やっと伝わったか。

 羽衣が安堵するのもつかの間、赤髪少女は逆さ吊りの状態から腹筋を二、三回繰り返し、 どやっ。

 自慢げな顔。

「パンツ見えるでしょって言ってんのよっ」羽衣の大声が教室中に響き渡る。はっといやな汗が流れ出して、さーっと血の気が引いた。

 視線が自分に集まる感覚。

 とまる朗読。

 しかし冷静な老教諭は咳払い一つでなかったことにした。

 普通に授業再開。

 むしろ一瞬でも言葉をやめるほどのなにか起きたかしら、というくらいにスムーズな再開。

 クラスメートも、また黒板に視線が戻っていく。

 スルーされるのも、また恥ずかしい。

 どうせなら爆笑されたかった、羽衣である。



 ふんぬー、と鼻から空気を急速噴射させなが廊下を闊歩する羽衣。行き交う生徒にちらりと横目に見られながら、そんなことも気にせず、彼女は校内をぐるりと徘徊していた。目的は例の赤髪少女。

 まだどこかにいるはずだ。

 こんどこそ見つけ出して、文句を言いつけてやるつもりである。

 案の定、お目当ての少女はすぐに見つかった。

 サッカーボールを蹴飛ばす男子達の声が小さく聞こえるグラウンド脇。赤髪少女は屈んで、野良猫をひっくり返し、腹を撫でて遊んでいるようだった。

 羽衣はずーんと黒いオーラを放出しつつ、仁王立ちで彼女の背後から威嚇した。その異様な空気に反応した猫は飛び上がって逃げていく。遅れて振り返った赤髪少女は、実にのんきそうな顔をしていた。

 その腹立たしいこと。

「なんかあたしに言うことあるんじゃないの」つんと棘のある口調で、羽衣は言った。

「ほえー。ええっと……」

「ほら、昼間。教室で。あんた外から木にぶらさがってこっちみてたじゃん」

「ああ、そのときの子かな」

「そんときも、あんときもよ」

「二回も」と小首を傾げる少女の仕草が、なんと可憐だろうか。

 彼女のあまりにも愛らしさに、羽衣は後ずさる。言うこと言ったろか、という強い気持ちが、萎えはじめる。

 だが、そこをぐっと堪えて、

「そ、そんなかわいい顔したって、だめなんだから。あんたのせいで、こっちはいい笑い者よ」

「ぼくなんかしたのかな」

「おもいっきりフリしてたじゃん。パスだしてたじゃん。あれは反応するしかないでしょ。お約束的に」

「よくわかんないんだけど……」

「とにかく、スカートで逆さ吊りなんてしないこと。いい。わかった。すくなくともあたしの前ではやんないで」

「わかった。それ注意してくれてたんだね」

「そうよ。やっと気づいたの」

「そっかあ。いや、スカートって、まだなれなくて。なんだか風通しが良すぎて落ち着かない。女の子って大変だよね」

「なに女装したての男子みたいなこといってんだか」

 どうも悪い子ではないようだ。そう思うと、羽衣は肩の力がなくなった。

 羽衣はスカートの裾を直しつつ、その場に座り込んだ。

「こうやって座んのよ。やってみ」

「うわあ、女子っぽい仕草だねえ」どしっとあぐらをかいて、赤髪少女が腰を下ろす。

「人の話聞く気ないでしょ……」眼を細めて睨んでみる羽衣。「あんた名前は。どっからきたの」

「情報の海の世界からやってきたジュリエット」キラッと、瞳から小さな星が飛び出しそうな自己紹介だ。

「あ、そう……」

「君は」赤髪少女ことジュリエットは、躰を寄せて訪ねてくる。

「うい……」

「ウィ」

「う・い」一語一語を強調して訂正した。「なにその外国の了解、みたいな言い方。ちがうでしょ。羽の衣と書いて羽衣よ」

「ウィ」

「だーから」

「ウィー」

「はいはい、どうとでも言いなさい。ねえ、あんた基地の人なんでしょう。トモは、あそこでなにやってるの」

「トモって」

「あいつよ。観月(かんげつ)。観月智一(ともかず)。あのデブのこと」

「気になるの」覗き込むようにジュリエットが顔を寄せた。あまりにもきれいな目に、羽衣は恥ずかしくなって視線を外す。まるで男子の反応じゃないか。しかし、こんなにも洗練された美のまえには、同性といえど赤面してしまう。

「ええと、うーん。中学からのクラスメートでね。なんか妙に気のきいたやつでさ、意外と困ったときに助けてくれる野郎なのよ」照れ隠しのためか、羽衣は早口だ。「そんな借りがあるから、まあ、あっちが困ってそうならいつでも助太刀できるようスタンバってやろうかと……」

「へえ」含みある笑みをジュリエットが見せた。

「なんか言いたそうな顔ね」

「ううん。べつにないよ」

「すっとぼけた子ね、まったく。で、どうなの。危険な実験とかなんか、大丈夫なのよね」

「さあ」純粋無垢な顔をジュリエットは傾けた。

「さあってなによ」

「ぼくはあそこの基地の人間じゃないよ。てかここの人ですらない。観月博士(かんげつはくし)は、まあぼくの分野とはかぶらないだろうから、なんの仕事を任されている科学者かもよく知らないんだ」

「あなた、この間なんか屋上でものものしくエスコートされてたじゃない」

「エスコートっていうか、ほぼ誘拐だよね。あははー」

「ジュリエットって言ったわね。あんた何者なの。歳もあたしと変わらんくらいなのに基地に出入りできるなんて」

「もうすぐで十五歳かな」

「トモみたいに、頭だけはめっちゃいい天才……、てなふうには見えないし」

「そんなアホの子にみえた」

「教えて。あの基地でなにをしてるの。軍事機密とかあるんでしょうけど、答えられる範囲でいいわ。湖を見ていると呼ばれているような気がするのよ。引き込まれるような、手招きされているような、そんな怪しげな風が髪を梳いていくこの感覚。嫌なのよ」

「うーん、そう言われても。弱ったよう」赤色の天使ののん気な声色が曇りだす。押せば引き出せる手前のようだ。

「お願いっ。このとおり」羽衣が顔の前で両手を合わす。

「えっと、あんまり教えちゃいけなんだろうけど、あのね――」と言いかけた瞬間、ジュリエットの両肩に手が置かれる。それも彼女を押さえ込むよう力を込めて。

 はっとなって羽衣が見上げると、スーツ姿の若い男女がジュリエットを両サイドから拘束していた。

 男のほうは、獲物に飛び掛らんと構える獣のようだった。鍛え上げた躰がスーツごしにもわかる。本気で掴みかかられれば、ジュリエットの華奢な肩など握力だけで壊されそうだ。

「なあに口滑らせる気なんだよ、この赤髪が」

 一方、女は仕事を淡々と堅実にこなす有能な秘書、という印象だ。しかし、整ってはいるが表情を一切ださない能面のような顔は、任務の遂行をなによりも遵守する非情な一面を伺わせる。

「レッドマジシャンを確保」

「杖代わりにぼくの肩に手を乗せないでくれるかな、お兄さん、お姉さん」大きな瞳を鋭く細めて、ジュリエットは牽制する。

「そうしねえと逃げるだろう」

「お仕事、増やさないでくれる」

 上等なスーツこそ着ているものの、あきからに軍属の人間である。

 羽衣は悟った。どうも先日の一件と同様、基地を飛び出したジュリエットを連れ戻しに来た場面のようだ。ただし、二度目の今回は、より強力な猟犬を放たれて。

「どうするよ猫山。こっちのガキもつれてくか。なにか漏れたら防せがにゃいかん」

 猫山と呼ばれた女が答える。

「暴れる二人、一度には運べないよ、兎田」

「なら簡単、眠ってもらえば運びやすい」兎田という男の手が羽衣に伸びる。

 こんなときに、働かなくてもいい想像力が悪夢を予感させ、羽衣の躰が凍りつく。迫る男の手をはっきりと認識しながら、腰が、足が動かない。

 なにをしている。

 逃げなければ。

 視線が男の手から離れない。が、その手がぱん――、と音を立てて弾かれる。

 ジュリエットの細腕が、兎田の腕を凪いだのだ。

 彼女はさらに、自身の肩に掴みかかっている猫山に的確に内側からひじを殴る。自然と間接が曲がる方向へ体勢が崩れた。そこで袖を掴み、足を刈ると、躰を支えきれなくなった猫山の躰が、吸い込まれるように土手を転がり落ちていく。

「ネコっ」兎田が叫ぶ。「ちぃい――」

 ジュリエットは瞬時に標的を変更。

 飛び上がるように立ち上がると、その勢いのまま彼女は鞭のようにしなる、女性特有の足技を兎田に放った。いまどきの女子に珍しいロングなスカートが、ちょうど目隠しの効果を発揮する。相手からすると、足の出所とタイミングがとりにくい。

 しかし、それすらなんなく片手で防いだ兎田は、さすがに鍛え抜かれた軍人である。が、受け止めた腕が突然、パンッと小さな爆発にさらされたとき、彼も驚きを隠せず間合いを取った。

 ジュリエットは羽衣をかばうように背に隠す。

「彼女は関係ない。まだなにも話しちゃいないよ。それでも手を出そうというのなら、つぎはを魔装を走らせ、本気の魔法を展開するよ」

「けっ、魔法武装化ってのをせんでも、戦闘レベルで使えるのかよ」兎田が舌打ちする。だが、顔は笑っていた。

「足手まといを抱えたまま、わたしたち二人を相手にできる」猫山が距離をとりつつ、ジュリエットの背後に回りこんでいた。

 羽衣は怖くなって、ジュリエットの背中にきゅっとしがみつく。

 兎田・猫山、両名に挟まれる格好で、いつ飛び掛られてもわからぬ状況。

 この緊迫したシーンをぶち壊したのは、だらしない男のあえぎ声だった。

「ぶひ、ブヒぃ、びえーん。う、おえっぷ……」確かにのどからでかかったアレを飲み込み、滝のように汗を流し、丸々と突き出した腹を揺らしながら、観月博士は躰を引きずるように駆け寄った。「ど、どうしてこうなったの、君たち……」

 お前こそどうした、と羽衣は心でツッコミした。

「おおかた、手荒なまねに出ようとした兎田軍曹が発端なのでしょう。大丈夫ですか、博士」

「吐きそう……」

 もう一人。観月とともに現れたのは、カーキ色の野戦服を着た長髪の青年だった。

「イ、イケメン軍人」目を輝かせた羽衣の肩が跳ねた。もはや震えて小さくなっていた少女はどこにもない。こういう彼女の心変わりの瞬発力は、ジュリエットもあきれるほど感心した。

 兎田も猫山も、ギャグモードに暗転した空気に臨戦態勢を解いていた。

「探したよジュリエット。やっぱり学校にきてる」観月が口うるさい老教師のように身振り手振りで憤慨する。「手錠かけてでも連れ戻しにきたよ」

「いやー、ごめん。そんなに怒らないでよう」

「軍人さん、お名前は」

「君は自分が置かれている状況がわかってないようだね」

「はい、駿河(するがしょうい)少尉です」

「だってあんな穴蔵に閉じこもって、頭にカビがちゃうよ」

「あたし、羽衣っていいます。羽の衣と書いてカビ。じゃなくてウイです」

「そうそうハゴロモだって、うっかり機密情報を漏らさないか心配で心配で」

「心配といえば、ぼくずっと服着替えてないねー。におう」

「最低限の買出しは必要ですね」

「さあ、早く行くぞ、ジュリエット」

「行きつけのおしゃれで安いお店、紹介したげるー」

「温泉はわたしにおまかせください」

「え、なになに。混浴ですって」

「じゃあ、まずはいったん家に戻ってから、各自、戦闘準備ならぬ銭湯準備を――、ってちがーう。会話がまざってる。天宮、少し黙ってて。少尉も。なに普通に流れてるんだよ」

「わざとです」

「なにシレっと……」

「で、温泉は」わくわく目を輝かせるジュリエットに、たまらず背後から兎田と猫山が後頭部にツッコミ――、ではなく手刀をお見舞いした。

「いい加減にしなさい」

Bパートへつづく

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