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銀河舞踏会 ガンマ・ジュリエット  作者: やまなし
第十話 「ダークファンタジへの招待状 : vs. Pack Robin-Godfellow」
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chapter 6


   6


「羽衣ちゃーん。お弁当、作ってきたの」にこにこ笑顔で重箱をお弁当袋を二つ手にするのは、羽衣の親友ウェスカーだった。

「すげー弁当箱」

「羽衣ちゃん。学食派でしょ」

「いやまあ……、そうだけど」羽衣は親友の頭から足先まで見直した。「あんた今日、どうした」

「どうしたって、え、なにが」

「あんたのカレシじゃないぜ」

「えー、いいじゃない。ウチが作ったお弁当、食べたくないの。羽衣ちゃんって、そういうの気にするタイプだっけ」

 ぐいっと顔を近づけられて、羽衣は引いた(物理)。

「そりゃ気にしないけど」

「よし行こーう」

 なんとなく強引な気がいなめないものの、『学食代が浮いたかな』くらいの気分で、羽衣はウェスカーに手を引かれて屋上へあがった。

 不思議なことに、きょうの屋上は貸し切りだった。

 天気もよいのに、だれもいない。

 学校によっては屋上自体が立ち入り禁止だったりするものの、羽衣の学校はむしろ生徒が昼食をとりやすいよう、ベンチまで用意しているのに、である。だから普段は――といっても学食派の羽衣は、あまり昼間の屋上は知らないが――ちょっと意外に思った。

「きょうのお弁当はねー、羽衣ちゃんの大好きなねー」ウェスカーは弁当箱のランチマットを広げつつ、「あっ、大変」この世の終わりのような顔をした。

「なに、箸でも忘れた。いいよ、手で食べるから」

「そっかー」

「いやツッコミなよ」

「じゃなくて、飲み物忘れたのっ」

「いいよ。ご飯飲むから」

「そっかー」

「だからツッコめよ」

「ごめんね羽衣ちゃん。ちょっと買ってくるから。まだ食べないでー」

 止めようとする隙もなく、ウェスカーはかけだしていった。

「ああ……、行っちゃった」なんとなく、取り残された気分である。

 いや、それにしても……、だ。

「あの少年……」

 羽衣が空を見上げると、その顔をのぞき込むように少年の笑顔が覆い被さった。

「呼んだぁ」

 キラリと輝いたライトグリーンの瞳は、しかし笑ってはいなかった。

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