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銀河舞踏会 ガンマ・ジュリエット  作者: やまなし
第二話 「信仰の世界 ヒダカミドウ : vs. Ophelia」
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Bパート

   Bパート


     5


「お疲れのご様子、ハムレット様……」そう言う彼女が一番疲労したように声をかける。青く長い髪を慣れた手つきで払いながら、オフィーリアはハムレットの横に腰掛ける。座ると沈み込むような上等なソファーだった。

 ハムレットはたいしたことはない、という意味を込めて、オフィーリアにだけ見せる優しげな表情で微笑んだ。

「俺も難儀な役回りを演じさせられている。進まぬ会議にこれからも出席しつづけならぬとはな。ああいう、会議を社交場と勘違いしている連中ってのは、まったく時間の価値をあまくみすぎている」

「委員会好きとかも」オフィーリアの声はつねに細く、可憐だった。

「役員好きってのもあるな。会や式の名のつくものに積極的に出たがる人種の気がしれない」

「それも赤の魔女を捕らえれば、終わることです」

「終わり。まさか、始まりさ。超通信技術を手にすること、それ自体が目的ではない。手段だ。勘違いするなよ、オフィーリア」

「ええ、そうでした」オフィーリアは儚げな顔をわずかに傾ける。「しかし受け身、というのはいじらしいですわ。こちらから攻められず、ただ3・5次元に現れるのを待つほかないなんて。すくなくとも、赤の魔女がどこに逃げおおせたのかさえわかれば、いくらか方法がありそうなものの……」

「無理さ。俺達は六世界技術連携協定が締結された世界間でしか世界移動できん。まあ、やつがどこに行ったのなんてのは、俺達は無関係なことだがな」

「ヴィスティブルマルクがちゃんと機能していますからね」

「ちがうな」ハムレットは背凭れに身をあずける。「俺の予想が正しければ、ジュリエットが向かったさきの宇宙は、単なる隠し宿ではない」

「それ以外になんの理由が」

「魔法使いにも、恋人の眠りを覚ますための下準備、というのが必要なのさ」ハムレットはそう言うと立ち上がる。「ホレーショウ……、いや、お前の兄に道化を演じてもらおうか」

「〈ムーライト・セレネード〉の出番ですか」

「ああ、さすがにそれくらいの議題は消化できたさ」ハムレットは振り返り、明るく笑った。すると、服の裾をオフィーリアにぎゅっと握られる。

「そのお役目。兄ではなく、このオフィーリアに拝命頂たいと存じます」

 ハムレットは目を細める。「お前……」

「泳がせるおつもりなのでしょう」オフィーリアの声は変わらず落ちついている。だが、真意を突く言葉はハムレットを動揺させた。「赤の魔女がその下準備とやらを済ますまで自由にさせる、とハムレット様はお考えですわ」

「そうだが……」

「承知しております。同盟国に対して演出は必要ですもの。だれかはかならず、勝つつもりもない戦いに参事なければなりません。ならばその役目、オフィーリアでも事足りるのでは」オフィーリアはハムレットの前に跪く。「この斬鉄桔梗(ざんてつききょう)にお任せください。恋人のために世界を滅ぼしかける。そんな女と、一度相対峙してみたいのです」


     6


 赤の魔女こと、灰炎(かいえん)のジュリエットはまた薄暗い小部屋に戻された。今度の部屋にはベッドはない。ただ机を挟んで、椅子が二つ用意されているだけの部屋だ。壁に大きな鏡がはめ込まれているが、身だしなみを整えるためのものではないのはあきらかだった。

 ジュリエットは肩を竦めて、椅子に腰掛ける。むろん、壁側の椅子だ。ドア側の椅子には、頭が禿あがった将軍がどっしりと構えている。

 その将軍の後ろに控えるのは、三人の男。

 一番若いのが、学校で出会った観月智一博士かんげつともかずはくし。赤ん坊なら一人くらい隠せそうな大きな腹をしている。まん丸な瞳で、案外、愛嬌のある顔立ちだ。

 二人目は、二十前後の士官。たしか、名前を駿河少尉(するがしょうい)といった。肩まで届く髪は手入れがいきとどいていて、毛先がわずかに内側にカールしている。細面で、美人な男性だ。

 三人目は、将軍ほどでないにせよ、ほか二人に比べれば大きく歳が離れている。四十代か、五十代くらいの男性だ。軍人というよりか学者のような長身でほっそりした体型。表情もこの四人のなかで一番やわらかかった。

「まずはなにからはじめようか……」将軍が重い口を開く。

「自己紹介じゃないかな。みんなの名前は聞いたから、ぼくの名前を……、ま、そっちは知っていると思うけど、もう一度改めて」ジュリエットは背すしを伸ばす。「ジュリエット・メアリ・キャピュレット。第一世界の情報処理技術者です。こちらの世界には捜し物をしにきただけで、それ以外、なにも干渉するつもりはありません。ぼくがそちらの不利益になるようなことはまずしない、と安心してもらっていいですよ」

「侵略異世界人ではないんだね」副官がきく。

「ぼくの国では、世界征服は頭の悪い思想と軽蔑されている」

「軽蔑」

「労力に見合った成果が期待できない、という意味」

「うむ……、その第一世界というのを詳しく教えてもらえんだろうか」将軍は机の上で指を組む。「我々からみれば、君は未知の科学技術を身にぶら下げてきた、歩く宝石箱だ。そこを十二分に認識して欲しい」

「ぼくだってそうだ」観月博士は将軍に同意する。「この宇宙の真理、世界。聞きたいことは山ほどある。君が……、えっとキャピュレットさんが――」

「ジュリエット」

「うん、ジュリエットが科学者でよかったと思ってるよ」

「ぼくはサイエンティストじゃない。エンジニアだよ、観月博士」ジュリエットは大きな腹の博士に優しく微笑んだ。「いくらかお世話になる身として、答えられる範囲では協力しよう」

 ジュリエットは、目の前の三人の男達が、肩の力を僅かに抜いたのを感じた。協力する、という単語に反応したのだろう。それを聞き出せたのが、安心、ないしは油断を生じさせたのだ。

「まず、なにから聞きたい。ぼくのチャームポイントからかな」ジュリエットは両指の人差し指をほっぺたにくっつける。

「ハゴロモだ」まっさきに質問したのは将軍だった。「君が使えたということは、こちらも使える、と考えてよいのだな」

「問題ないよ」ジュリエットはにっこり微笑む。「そうだね。ゲートの概念機構や多世界理論、この世界以外の世界の情勢なんかを、簡単に話そうか」

 ゆっこりと息をすってから、ジュリエットは桜色の唇を動かした。

「科学者の観月博士には無用だとは思うけれど……」とジュリエットは前置きしてから、「四次元とはどういう世界か、またなにが起こりえる時空間か、それがすべてのスタートだ。

その話をするために、まず、ゼロ次元が出発点だね。これは点の世界。この点が真珠のネックレスのように無限個に連なると、線ができる。この世界が一次元、線の世界。次に、この線が無限に隣り合うと、面ができる。この世界が二次元、平面の世界。さらに、この平面が無限に重なり合うと、立体ができる。この世界が三次元、ぼくら空間の世界だ。ということはだ。以上から演繹すると、四次元というのは無限個の立体が合体してできた超立方体の世界、と帰着する。

「さて、この一連の流れのなかで注目して欲しいのは、一つ高次へ移行するとき、増えた一つの次元は、元の次元の住人にはどのように認識されていたか、なんと呼ばれていたか、なんだ」

「時間です」これまで黙っていた駿河少尉が発言した。

「即答ありがとう。正解。ゼロ次元住人の時間とは、一次元住人のX軸に相当する。一次元住人の時間とは、二次元住人のY軸に相当する。二次元住人の時間とは、ぼくら三次元住人のZ軸に相当する」

「どういうことかね。わたしにもわかるように説明してもらいたいものだ」将軍が質問する。「ということは、われわれが上下移動することが、仮に二次元に住む生物からすると時間移動に見えるというわけかね」

「そのとおり。なぜなら、彼ら二次元住人は、自分の意志ではXとY方向にしか移動できないからね。でも、世界は変わる。その変化を、普通、時間と呼ぶ。それがぼくら三次元住人がいうところのZ軸というわけ。これをわかりやすく喩えるなら、面を通過する球の断面図を想像することだ。二次元住人の世界に、突然、点が現れる。その点は時間が経過するとともに広がっていく。どんどん大きな円になっていくんだよ。それがあるとき最大になって、あとは、逆に小さくなっていき、最後はまた点に戻って、消えてなくなる。でも、ぼくら三次元住人の目線ではどうかな。球が面を通過しても、球は球のままだ。点から広がり円になり、また元の点に戻る、という時間変化を、より一次元追加した、球の状態で認識できるだろう」

 ジュリエットがわかったかな、とちょっと首を傾けてみるが、理解していそうなのは観月博士と、駿河少尉の二名。将軍とその副官は、ジュリエットに釣られて小首を傾げている。

「じゃあ、一次元住人の時間を想像してみよう。これはFAXみたいなものだ。FAX用紙が流れて、スキャナに取り込まれるとき、このスキャナが一次元住人と考えてごらん。どんどん時間経過とともに文字が流れてきて、去っていく。しかし、二次元住人から見れば、FAX用紙は二次元の、つまり紙だから、端から端まで自由に移動できる。紙に書かれている文字を何度でも読み返せるわけだ。ということは、二次元住人のY軸が、一次元住人の時間に相当するってこと」

「おもしろい話だがジュリエット君」将軍は厳めしい面で言う。「それがハゴロモや君たちの世界とどう関連するのかわからんのだが」

「わかったわかった。じゃあ本題にはいります。四次元住人から見ると、ぼくら三次元住人が呼ぶところの時間とは、彼らからすると位置情報ってことになる。これは、ぼくらの過去や未来を、四次元住人はただごく自然な動作として行えることを意味する」

 将軍とその副官は、やっとジュリエットの話の行く末が読めはじめたのか、一度ゆるめた緊張を引き締め直した。

「そして、だからあなたたちは、ぼくを異世界人と呼称すると同時に、またトラベラ――、時間旅行者とも呼んでいる。あなたたちはさ、知っているくせに本当はこう企んでいるんだろ。あのジュリエットって女から科学技術を盗めば、念願の時間旅行ができる。そうさ、時間を支配した者が最初っから最後まで永遠の勝者だ。しかし、それは超通信技術を持つぼくら第一世界でも叶えられない、三次元住人の限界だと知ることだ」


     7


 重い空気が、狭い密室に充満する。

 将軍は低く、そしてよく響く声で沈黙を破った。

「ふむ。隠し事は無意味というわけか。なるほど、少々君をあなどっていたようだよ、ジュリエット・メアリ・キャピュレット君。いくら出身の世界の文明が進んでいても、君個人が優秀かどうかは、また別の問題だったものでね」

「誤解しないで欲しいのは、なんも我々は君を拘束して、科学技術の発展に貢献のために働き続けろ、なんて要求しないということだよ、ジュリエット」副官は愛想よく、彼女を名前で呼んだ。「ジュリエットは、いわば架け橋だ。そう、友好大使。ジュリエットの世界と、我々の世界をつなぐ最初の友人になってもらいたい、というのが、我々の願いなんだ」

「大佐、あいにくとそれはできない相談なんです」ジュリエットは副官の要求を、やんわりと断る。

「文明が遅れすぎている、といいたいのかい」今度は観月博士の番だ。

「そのとおり。ゲートをいわゆるタイムマシン、と認識しする第一段階はクリアしたみたいだけどね。ぼくが現れたのも予期していたみたいだし、外部の人間が侵入しないように鍵もかけていたところからそれがわかった」

「じゃあ、実際にハゴロモを使って外の世界と行き来するレベルに達しないと、君ら世界の支援は得られないということ。そんなの、あと何十年、何百年かかるかわかったもんじゃない」観月博士は眼鏡を直しながら言う。

「そこまでは要求しない。世界移動をするためにもっとも重要な情報は、行き先。すなわち別の宇宙の位置情報を特定することだけど、これが技術的にもっとも困難でね。これを可能した世界、つまり自由に別の宇宙と交信できるようになった世界ってのが、第一世界さ。そして、ぼくら第一世界が、科学的・社会的に成熟したと判断した世界に対しては、ゲートの利用法の一部を提供している。これが第二世界。この第二世界と比較しても、ここの世界の文明は百年二百年は遅れている様子ってこと」

「……第二世界はいくつある」将軍は顔色を変えず聞いた。

「ぼくの第一世界……、〈超通信の世界スーパ・シー〉傘下の第二世界は、五つ」

「ちょっとまってくれ。その言い方だと、第一世界自体が複数あるふうでないか」

「二つ」ジュリエットは静かに答えた。「ぼくのスーパ・シーと、もう一つある。そのもう一つの第一世界とは、実は敵対関係にあってね。君らには関係ないことだけど。さて、いろいろ話たが、そろそろこちらから質問をしていいかな」

「いいだろう」将軍が頷く。

「ぼくはいつになったら、また捜し物に戻れるの」

「すくなくとも、そちらが腹を割らん限り、無理な話です」凛と響く声で、駿河少尉が指摘した。ジュリエットは、この男はやっかいだな、という目で少尉を見る。

「妙な話ではありませんか。聞く限り、あなたはもっとも文明が進歩した世界の住人だ。そのあなたが、比べれば未開地で捜し物とはどういう了見でしょうか。その捜し物がなんであれ、あなたにとって有益なものなのならば、我々にとってはさらに貴重ということになる。そう易々とお渡しできるものでない。そんな捜し物をなにかと明かさず、持ち帰ろうとするなど言語道断。

「第二に、婦女子が単身、未開地に乗り込んでくるのが奇妙でならない。第二世界とやらの、すでに交流のある世界ならば別だが、ハゴロモを起動すらできない世界の住人に対する警戒心が希薄と言わざるを得ません。現に、あなたはこうして我々に拘束されている」

「その疑念を総合すると」ジュリエットは結論を促す。

「この世界にも、似たような状況はよくあるのですよ。他人に知られることなく手に入れなければならないものがある。それがいくら危険な場所にあろうとも、また、他者の協力を得られなくとも、手段は選んでいられない、という状況」駿河少尉は片手で自慢の髪を耳にかける。「あなたは追われる身。犯罪者だ」

 一同に動揺が走る。

「ちがいますか」

「初めて見たときから、君が一番くせ者だとは思ってたけど」ジュリエットは両手を挙げる。「本当なのかい」博士は驚きが隠せない。

「降参。ご指摘のとおりですよ。もう」

「なるほど。追われる身とならば、友好大使には使えんか」将軍はジュリエットを目の前に正直に口にする。「ならば――」

「ならば引き渡して恩を売ろう、という魂胆かい」ジュリエットは将軍が言い終わるまえに言葉を挟む。「無理だよ。引き渡す相手、ぼくを追う相手は、お目当ての第一世界ではない、その傘下第二世界だ。第一世界とは、いま交信できなくってね」

「その交通妨害を働いた、というのが、ジュリエットの罪状ですか」

「ほんとうに少尉は頭が切れるね」ジュリエットは、しかし勝ち誇ったように笑う。「でも正解は半分だけだよ。もう一つ無理な理由がある。それは、君らがぼくを拘束し続けるのが不可能、ということだ。この可憐な見た目に騙されないことだね」

「ふ、おもしろいことを言う」将軍がふん、と鼻で笑う。が――、

 テーブルに置いたコップの水が、ごぼごぼと音を立て急に沸きたった。

「な、なんだ」

 そして、ガラスのコップは熱膨張によって耐えきれず割れ、なかの熱湯を机にまき散らした。信じられん、とばかりに将軍がその液体に触れてみるが、たしかに熱かった。

「これはいったい……」

「超通信現象」ジュリエットが宣言する。「これがぼくら第一世界だけが有する英知であり、またゲートの世界移動を可能にした技術。あいにくと、ぼくはこれを軍事利用できてね、戦闘能力は、君ら軍隊の一個大隊に匹敵する」

「交渉の――」将軍の額に汗の雫ができあがる。

「余地はない。基地を灰にされなかればわからないのかな」

「じゃあ、じゃあ……」観月博士が提案する。「その捜し物を渡す変わりに、ジュリエットはぼくらにハゴロモの起動法を教えるってのは」

「あきらめるのことだよ。君らは、生身で宇宙に飛び立つよりも危険な行為をしようとしている。雑談程度に世界の仕組みを教えるのは構わない。けれど、ぼくがエンジニアとして本格的に協力することはない。本当に、君らにはまだ早すぎるんだ」

 観月博士は見るからに失望に顔色を変え、肩を落とす。

 みかねて、ジュリエットは代案を提示する。

「危険だけど、一緒に舞踏会に行ってみるかい」

「舞踏会」おもしろいほどに、全員の声が揃う。

「ゲートの世界移動は、ビッグバンの点だった宇宙から無数に枝分かれした他の世界線への移動でね。つまり、同一の世界線上を未来方向、あるいは過去方向に移動する同一線タイムスリップではなく、世界線自体を乗り換える、平行線タイムスリップなんだ。このとき、交わることのない世界線に通り道たる橋を架ける。これがゲートの役割であり、この橋を、ぼくらは便宜上3・5次元――、銀河舞踏会と呼んでいるんだ」

「いくさ。もちろん、断るわけがどこにある」

「ただし」ジュリエットは声を大にして忠告する。「頭脳に自信ある人だけにとどめたい。銀河舞踏会はひどく人を選ぶ。ただそこに留まるだけで、猛烈な情報処理を要求されるんだよ」

「つまり」将軍が恐る恐る聞く。

「その処理が間に合わなければ、脳みそがクラッシュする。最悪、死ぬことになるけど、どうする」

「将軍、自分が」なんの躊躇もなく、駿河少尉が志願する。「監視役は必要でしょう」

「ぼくも行くよ」観月博士は、目を輝かせて立ち上がった。「夢みたいな話じゃないか。これに乗らない手はない」

「ほかに行く者をリストアップするか……」

「あ、それともう一点」ジュリエットはさらっと注意点を追加する。「どうやら第二世界側でぼくの捕獲チームが結成されているようだけど、それと交戦するかもしれない」

 将軍は副官と目を合わせて、

「……志願者を、集うとするか」

「ええ、勇敢な、志願者をですね」


     8


 ゲートの前に一列に並ぶ三人。

 結局、銀河舞踏会に参じるのは、ジュリエットのほか駿河少尉と観月博士の二人だけだった。戦闘の可能性有り、ということで、駿河少尉は武装しているし、観月博士は学校の制服から、野戦服へと着替えていた。武器は携帯していないようである。

 人手が集まらなかった代わりに、記録用の機材だけは送り込もう、という案がもちあがったが、この世界の技術で銀河舞踏会のデータを処理しきれるマシンがなかったため不可能、ということになった。記録媒体は、すなわち駿河少尉と観月博士の二人の頭脳だけとなった。このことに関してジュリエットは、「それだけ人間の頭脳は記録装置として優秀、ということだよ」とにこやかに答えた。

「さってと、ゲートを起動させようか」ゲートは各世界に存在していてるが、形状に差異はない。この世界では“はごろも”と呼ばれているだけに、ゲートは薄い布のようなものである。それは宙を泳ぎ、円を造るように両端を揃え回っている。このはごろもでできた円の内部に、うずができあがった。そのさきに、底知れない世界が広がる。

「この輪の中に飛び込めばいいんだね」ごくり、と唾を飲み込む観月博士。

「うん。そうだよ」

「よし」と一歩を踏み出す博士は、しかしブリーフィングでのジュリエットの言葉を思い出して踏みとどまる。


「銀河舞踏会に参じるのにね、マナーというか、作法というか、なんかそんな仕来りがあるんだ。とくに意味はないけれど、みんなそれを欠かさず行っている」

「どうやるの」

「それはね――」


「ジュリエット。用意はいいかい」観月博士はジュリエットと目を合わせる。まつげが長く、星のように大きな瞳だ。「ここはぼくが相手をつとめるよ」

「うん、お願い」

 すうっと深呼吸。

 そして手を伸ばす。

「希望が集い、輝く舞台は」

「銀河舞踏」

 三人は光の中に飛び込んだ。


     9


 観月博士は一瞬、息ができなかった。呼吸の仕方を忘れたみたいだ。大口をあけて、欲しいだけ酸素を供給しようと努める。それに余裕ができると、やっと周囲を見渡した。

 なんということだろう。

 言葉も出ない。

 上を見上げても、下を見下ろしても、輝く満天の星空。

 光害のすくない、理想的な天体観測スポットで小さいころに見た本物の星空のようだ。

 あのときの感動が再び現れる。

 それだけで、もう来て良かった、とさえ思う。

「二人とも、体調に変化はない」

「えっ」ジュリエットに声をかけられて、あっと思い出す。「ああ。なんとなく頭が重たい気がするけど、うん、平気だ。少尉は」

「わたしも問題ありません」

「へえ、二人ともすごいね。はじめてなのに。第一段階クリア、か。さて、二つ目の問題はどうしようかな。って、ぼくがどうにかするしかないんだけれどね」

 そこで観月博士ははじめて気付いた。上下ばかりに気を取られていたが、周囲をぐるりと囲む客席。その客席にちらほらこちらを伺う男女らの姿。見覚えがある。そう、まるでコロッセオ。さしずめ、ジュリエットは猛獣と戦わされる死刑囚、客席にいる人間は貴族、といったところである。その比喩は、おおかた合っていた。ただし、戦う相手が猛獣ではなく、なんとも珍しい、青い髪をした女の子であるらしかった。

 なぜなら、ジュリエット、博士および少尉の三人のほか、闘技場にいるのがその青髪の少女であり、彼女は澄ました顔をしてじっとこちらを見据えているのだから。

「あらら、やっぱり、前回同様待ち構えてるなんて、偶然……、じゃないよね。なんか仕掛けてるんじゃない、ハムレット王子。ぼくが銀河舞踏会に現れるのを予知するシステムでも開発したのかな」ジュリエットが話しかけた相手は、客席の一番よい席を陣取っている五人のうち一人だ。黒髪で冷徹な瞳をした男。その瞳ゆえ、美しい容姿は憧れよりも近寄りがたさを感じさせた。

「察しのとおりだが、そうそう種はあかさんよ」

「それよりも今宵はおもしろい。どこに逃げ込んだかと思えば、第一世界に名も与えられないDWから、まあ、頼もしい援軍ですこと」そのハムレットの隣で冷笑するのは、金髪の女性――コーディリア――だった。

「踊るのはぼくだけ。彼らはただのオーディエンス。手出し無用願いたい」

「なにをいまさら。あれだけの惨事を起こしておきながら、なお覇道を貫くお前が善人気取りね」

「ジュリエット……、君はなにをしでかしたんだい。君が追われる身というのは聞いたけど」観月博士は急に不安になった。しかし、ジュリエットは答えてくれない。

「これは傑作ね。事情も知らぬとは。いいこと。その女のそばにいれば身を滅ぼすわ。彼女はね、愛した男のために世界一つを滅ぼしかけたのよ。でも、男は氷漬けにされて、この銀河舞踏会のどこかをさまよっている。彼女の目的は、その男を――、魔人ロメオの救出にある。自分たちだけ幸せになればいい、てそういう人間なのよ、そこの女は」

「否定はしない」ジュリエットは目をそらさず、コーディリアを見据える。「それも、また正しい」

「ふん、オフィーリア」ハムレットは叫ぶと、「はい」と可憐な声で答える青髪の少女。彼女が一歩前に踏み出る。

「斬鉄桔梗・オフィーリア。今宵この場に、お相手したく参じました。よしなに」オフィーリアは恭しく頭を下げる。「赤の魔女さん。さっそくですが、わたくしから提案がございます」

「ん」

 会場の全員に疑問符が浮上する。

「戦いをやめましょう」

「えっと、ずいぶん直球なことを言う子だね」

「はい。そちらに勝ち目はありません。先のようにトラフィック・コンジェションを引き起こしては魔人も探せず、また、だからといってトラフィック・コンジェションを起こさぬ、となれば、この場の全員を倒さなくてはなりません。いくら魔法使いといえど、それは無理な話。ちがいますか」

「そんな必要はないよ」ジュリエットは案外、簡単に否定する。「ぼくが舞踏会に足を運ぶたび君らが待ち構えている、という状況さえ打破できればいいんだ。無人のうちにこっそりロメオ様を見つけるだけ。簡単じゃないかな」

「それが困難だからの提案です」

「困難かもね。でも、それがどうした」

「せっかくおきれいな躰に、傷がついてからでは遅いのですよ」オフィーリアが眉を顰めて言う。

「そんことを気にしてたのかい」

「そんなこと、ですって」オフィーリアは細い眉を寄せる。

「君の躰はなんのためにある。きらびやかなお洋服を着るためか。大きな宝石を身につけるためか。ちがうだろう。そんなのはお人形に任せればいい。ぼくの躰は、大志を成すためにある。それがどんな逆境に置かれようと、悪魔的な閃きで駆け抜けてみせる。それが、ジュリエット・メアリ・キャピュレットだからです。ライドー」

 これは開演の拍手。

 ジュリエットは情報という概念の兵装をダウンロードする。

 束ねる髪留めは外れ、燃えさかる焔のようにグラデーションがかかる長い髪。

 赤を基調としたドレスは全身を包み込む。

 踵の高いヒールをピンと履きこなし、胸におっきなリボンが花開く。

 瞳に星が光るのは最後のおまけ。

 そして決まりのセリフで締めくくる。

「不屈の光は赤の焔。魔法男子、ベータ・ジュリエット」

「へ、変身した」大声を上げて、一番のリアクションを取ったのは観月博士。「魔法少女か」

「いえ、博士。彼女は魔法男子、と名乗っています」

「少尉冷静すぎるだろう」

「博士は下がっていて」ジュリエットは振り向いて、軽くウィンクする。「さあ、オフィーリアといったね。君も兵装をダウンロードするんだ」

「兵装。そんなもの、わたくしには必要ありませぬ」オフィーリアは腰を低く構えると、さっとジュリエットに向かって駆けだした。

「ん、無手か」とジュリエットが油断したとき、

「ちがう。ジュリエット、髪だ」

「えっ」

 駿河少尉の感の良さがジュリエットを救った。

 オフィーリアはジュリエットとすれ違う瞬間、彼女の特徴的な青髪が猛烈な勢いで、空気を裂くように払われた。

 飛び上がって躱したジュリエットは、空中で逆さになりながら信じがたいものを見る。

 オフィーリアの青髪によって会場の床が大きく切り裂かれ、人間大はあるキューブ状の床板が飛び上がっていた。あれをまともに食らっていたら、いまごろジュリエットの躰は細切れだった。

「そうか、サイボーグ」

「我が〈鍛冶(かじ)の世界ムーンライト・セレネード〉の国家基幹技術はB・M・I。生体および機械工学の融合により、わたくしはこの躰の六十パーセントをサイボーグ化しております。まさに、全身これ凶器。エーテル通信など不要でございます」

「へえ、それは立派な……」

「ですから忠告したのです。せっかくのきれいなお躰に傷をつけるまえに、降参してしまいなさい」

 言い終わるやいなや、オフィーリアは突進する。その細い足からは想像もできない脚力だ。躰の六十パーセントを機械化している、という話は、どうも疑う余地がなさそうである。

 鞭のように撓る髪。

 斬鉄桔梗、とはよくいったものだと、博士は妙に納得してしまう。

 一見するだけなら青い絹糸が舞う、息をのむような光景だが、ジュリエットにとってはそんな生やさしいものでないはずだ。なによりも切れ味のよい細い刃が左右上下から襲ってくるのである。

 どうやら、オフィーリアの青髪はただ切れ味の良い鉄線、というだけでなく、自在に操れるようだ。頭を振ることなく、髪はジュリエットを追い詰めている。

「こうして攻め続ければ、スター・バーストすら放てません。体よくトラフィック・コンジェションで逃げ切ろうなんて、考えないことですわ」

「まずいな」駿河少尉は腰のホルスタから小銃を抜き出す。

「ん、少尉」

「援護する」駿河少尉はすばやく照準をつけると、オフィーリアに向かって立て続けに二発、発砲した。

 が――、その鉛玉はなんの苦もなく、青髪・斬鉄桔梗によって跳ね返された。

「無駄なことを」オフィーリアは睨みつけると、爪先を駿河少尉に向けた。

「げっ、こっちにくるぞ」観月博士が逃げ腰で交代する。しかし、どこにも逃げ場がないことを思い出すと、恐怖と不安だけが胸のなかを駆け回った。

「博士。冷静に」駿河少尉はなおも発砲を続けるが、かすりもせず、すべて斬鉄桔梗が阻む。

 思った以上に、あの髪の毛は繊細な動作が可能らしい。

「君の相手は」オフィーリアと駿河少尉の間に割って入るジュリエット。「このぼくじゃないか」

「主砲一つしか武器を持たぬあなたが」

「これならどうだ」ジュリエットは、そこに見えないサッカーボールがあるかのように床すれすれを蹴った。熱風とともに、床にしきつめたキューブがオフィーリアに向かって吹っ飛んでいく。

 それを、彼女はなんなく斬鉄桔梗で細かな破片に切り裂いた。

 間合いを再び摘められ、ジュリエットの右から一束の斬鉄桔梗が襲いかかる。

「くっ」

 きわどいところで、ジュリエットは素手で弾く。

「わたしの髪を、素手で――」

「まただ」ハムレット足を組んで余裕の観戦だ。「対エドマンド戦でも、灰炎のジュリエットは素手で刀剣化したペルセウスを薙いでいたな」

「便利だよね。マジックハンド」ハムレットの後ろから、躰にもたれ掛かってきたのは、美少年パックだ。「手の平に加わる向きと速度を操作しているんだよ、あれ。ぼくも欲しいなあ。ま、あっても使いこなせないけど」

「そうだ、あの局面でよく使える。やつは戦闘の天才か」コーディリアが口惜しく言う。

「超通信現象という大きな武器をもつ魔法使いだが……」プロスペロの眼鏡が光る。「どうも、強さの秘訣は、それを操る灰炎のジュリエットそのものにあるらしい」

「ええ、さきの鬼神ケントの敗北」フィディーリはこの戦闘で確信した。「あれは、魔法使いだから負けたんじゃない。魔法を使いこなす灰炎のジュリエットに負けたんです」

 五人のCEOの冷静な戦力分析のおり、勝敗ははやくも決しつつあった。

 一撃必殺の斬鉄桔梗だが、その一撃が決まらない。

「どうして、なぜ――」オフィーリアが無気になる。そこにつけいる隙を生んだ。

 ジュリエットは大きく一歩を踏み出すと、一足飛びに間合いを詰め、ぴたりとオフィーリアと躰を密着させた。

「一つ疑問なんだけど」

「えっ、あの……」オフィーリアはとっさのことに硬直した。

「こうやってゼロ距離まで接近させられたら、どうやって攻撃するの」ジュリエットは、オフィーリアの白い頬に手を添える。

 すると、みるみるその白い頬を紅葉させるオフィーリア。

「あ、やだ、そんな。どうやって、って……」なぜか腰をくねらせて、どうもオフィーリアは喜んでいる。

「なんだあの子。えっと、あれなんか」観月博士は出かかった言葉を飲み込んだ。

「百合乙女です、博士」

「そう、そうなんだけど。本当、少尉ってなんでも臆せず言うよね」

「やだ、そんなに近くで、見詰めないで下さい……」

「へへぇ、なんかよくわからないけど、ロード時間を稼がせてもらったよ」

「なにをやっている。オフィーリア」

「えっ、ハムレット様。あっ」気付いたときには遅かった。

 充分な間合いをとったジュリエットは、拳を胸に当ててこう、叫んだ。

「燃えあがれ、大志の焔」

 すると灼熱の熱がジュリエットの拳から誕生する。

「銀河の産声」二本指で銃を作り「スター・バースト」

 蓄えた大量の焔を打ち出した。

 周囲の空気を焼き焦がしながら、巨大な焔の矢がオフィーリアに直進する。

 圧倒的な速度。

 オフィーリアは躱しきれず、その焔の矢に飲み込まれる。

 あっ――、と会場全員の視線と意識がオフィーリアに注がれる。

 やがて鎮火していく焔。

 舞い吹雪のように、炎の破片が飛び散っていくと、そのなかから、オフィーリアは姿を現す。

 まるで無事の様子だった。

 ただし、床に届く自慢の青髪――、斬鉄桔梗はいまはなく、頬までの長さに短く燃やされていた。

「ごめんね。でも、ショートカットも似合うよ、オフィーリア」ジュリエットが悪戯を見咎められた少年のように舌を出してはにかんだ。

「ふんっ、道化はしょせん道化か……」ハムレットはつまらなさそうに立ち上がる。「トラフィック・コンジェション。撤退する」

 舞踏会が、光で包まれた。


     10


 銀河舞踏会は閉会した。

 集まったバグフィルタ計画の紳士・淑女は、自分達の世界へいったん戻っていた。エルシノア場もいまは照明を落とし、薄闇のなかしんと静まりかえっている。

 残るのは、たった二人。

〈ムーンライト・セレネード〉のハムレット・セブンスソード。同、斬鉄桔梗・オフィーリア。

「だから言ったのだ。道化にしても、あの負け方はないな。これでは我がほうの株価が下がる。お前には失望したよ」ハムレットは冷たくあしらう、が俯いたまま、オフィーリアは返答しなかった。「オフィーリア。聞いているのか」

「ふふふ」普段のオフィーリアから、まったく想像もできない冷気のような笑いが、静寂なエルシノアによく響いた。

 彼女の顔を伺うと、ハムレットは背筋が凍るような思いをした。

 ぞっとするような、異常な瞳。

「ハムレット様。わたくし、安心いたしました」

「なにに、だ……」

「赤の魔女さん、あの躰を存分に使いこなしているようなんです。わたくし、胸の杭が外れたようにすっきりしました」

 なおも冷えた笑いを続けるオフィーリアに、ハムレットは当然、なんのことか理解できずにいた。


     11


「致し方ないか……」将軍は駿河少尉から、銀河舞踏会の戦闘報告を簡単にではあるが聞かされた。驚天動地とはこのことか、と彼は生まれて初めてその四文字熟語を使った。一騎当千の戦力差、ジュリエット一人で、基地一つを壊滅させられることは、まんざら冗談でもないらしい、と将軍は理解したのだ。

「まあ、女の子同士が遊んでいるところに、おっさんが乱入してはいけない、というのは、どこの宇宙でも共通のマナーというやつでしょうよ。ここは見守るしかない。そうでしょう、将軍閣下」他人事のように、冗談交じりに副官が言った。

 どんな局面でも、こういう冗談を言えるところが、この副官のよさでもあり、また憎さであると将軍は十二分に承知していたが、いまは腹立たしさ、としか感じられない。あとでどうやっていやがらせしてやろうか。

「異世界人が捜し物、と聞いたとき、まっさきに脳裏を走ったが……、案の定か」将軍は吐き捨てるように言う。「天女様が狙いだったとは。彼女だけは、なんとしても死守せねばならん」

 そう――、ジュリエットがこの世界を訪れた目的はそれだった。

 捜し物とは、彼らが“天女”とよぶ奇跡の女の子。

 彼女は、基地のもっとも厳重な施設にいた。

 そこは、まるで無機質で機能的な基地とは切り離された空間。

 明るく、暖かな照明。

 一面にしかれた花の絨毯。

 その花は造花ではなく、本物で、ジュリエットは一歩を踏み出すのを、はじめ躊躇した。

 天井からはビロードのカーテンがつるされていて、片手で払いながら進む。

 すると、見えてくる。

 真っ白い髪をした少女の背中。

 つみ取った花を折り合わせ、花輪を造っているようだった。

 ジュリエットはそれ以上近づこうとはせず、その距離のまま独り言のように話しかけた。

「狙い的中。情報の流れを追っていると、情報の海のなかに、流れの乱れを発見したんです。大きな川に、管を引っ張って、別のところに水が流れるようにした痕跡です」

 白い髪の少女は、ジュリエットなど知らぬ振りを続けている。

「この情報操作は、超通信現象の一つとして知られています。それもとびっきり高度な。いるんですよ、あなたのように超通信能力を生まれ持った人間が。ぼくの世界でもかつて存在し、その恩寵によって第一世界へ発展できた歴史があって。一縷の望みに賭けたかいがありました」

 そこではじめて、純白の髪を手で押さえながら少女はこちらを振り返った。

 なんの苦心も知らぬ、天に住まう神のような表情だった。

 ジュリエットは跪き、頭を下げた。

「力をお貸して下さい。ワルキューレ様」

第三話「白鳥処女」へ、続く

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