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5月21日

愛海「この小説の作者、頭おかしいんじゃないの!?」

雄二「どうしたんだよ愛海(あみ)。まだ小説が始まって2行しかたってないぞ」

愛海「どうしたもこうしたもないわよ! 私たちがいるこの小説、地の文がないのよ!!」

雄二「そりゃおまえ、作者がめんどくさがったからだろ?」

愛海「それにしたってひどくない? 会話文しかないのよ?」

雄二「まあ物語は成立すると思うけど……こんな小説誰が読むんだろうな」

愛海「『小説を読もう!』で運悪く見つけてしまった人でしょうね」

雄二「だろうな。とりあえず自己紹介でもしておくか?」

愛海「そうね。じゃあ……ゴホン。私の名前は浅野(あさの)愛海。ここ、陽西中学の3年生で、B組に所属しているわ。身長は175センチ、3サイズは上から105、60、96で……」

雄二「まてまてまて、いくら小説だから外見がわからないからって調子に乗ってんじゃねーよ!! お前俺より身長低いし、そんなボン、キュッ、ボンじゃねーだろうが。お前のチャームポイントはそのまな板みたいなむ――」

愛海「オラオラオラオラオラオラオラァァ!!」

雄二「ぐほっ、ぶばっ、あべしっ、だらばっ!?」

愛海「だーれがつるぺたのロリコンホイホイですって?」

雄二「ぐふ……誰もそこまでは言ってねーよ……」

愛海「オッホン。気を取り直して、実際の身長は160センチよ。3サイズはご想像にお任せするわ。言っとくけど体重は教えないからね!」

雄二「俺は佐々木雄二(ささきゆうじ)だ。愛海と同じクラスで一応小学校2年生のころからの幼馴染なんだ。この物語の主人公らしい。身長は167センチ、体重は55キロだ。……こんなもんか?」

愛海「自己紹介なんだからもうちょっと情報がいるんじゃない? そうね、趣味は読書。ほとんどがライトノベルなんだけどね。ちなみに最近ボーカロイドにハマっているわ」

雄二「俺はギャルゲーかな。まだ始めたばっかりなんんだけどk〇yのギャルゲーは神だと思ってる。とくに『CLAN〇AD』は最高だな! 感動して号泣しちまったよ。今やってるのは『リト〇バスターズ』っていうやつで、CG解放率80%超えたんだけど、これもやっぱり感動したね! あとアニメで言うと『A〇R』とか『〇anon』も……」

愛海「はいストップー。あんたどんだけ語ってんのよ。自己紹介だって言ってんでしょーが」

雄二「感動するといえば『Angel〇eats!』もいいよな!個人的にはユイが……」

愛海「かめは〇破!!」

雄二「ドアアアアアアアア!!??」

愛海「あんたのターンはもう終了してんのよ! こっからは私のターンよ」

雄二「うぐ……なんでお前〇めはめ破打てるんだよ……」

愛海「小説なんだからなにしてもいいのよ」

雄二「なんつー理論だ……」

愛海「ん? なんか教室に鳥が入ってきたわよ?」

雄二「おい、足に手紙が巻き付いてるぞ」

愛海「えーっとなになに……『どうも、作者です。この作品は地の文が存在しません。なぜかというとそれはまあめんどくさいからですw内容としては登場人物が放課後の教室でただ駄弁るだけです。気まぐれに書きますのでよかったらゆっくりしていってね!』……」

雄二「……。えーっと……」

愛海「……作者は私にケンカを売っているのかしら?」

雄二「お、落ち着け愛海! ……ってなんだよそのバット! 金属バットに釘が刺さってるんですけど!?」

愛海「作者が死ねばこの作品も終わるんでしょ? だったら終わらせてやるわよ……」

雄二「だから落ち着けって! あとでケーキ買ってやるから!」

愛海「え! ホント!? やったあ☆ 絶対だからね! 忘れんじゃないわよ!」

雄二「どんだけケーキ好きなんだよ。さっきまでの殺意はどこへ行ったのやら……大概の事はケーキで解決するんだよな」

愛海「え? なんか言った?」

雄二「なんでもねーよ。つーかこの小説、今のところ俺たちしかいないけど、大丈夫なのか?」

愛海「大丈夫だ、問題ない。ほら、誰か入ってきたわよ」

??「えーっと……お邪魔でしたか?」

愛海「そんなことはないわよ。ほらほら、入ってきて」

??「は、はぁ……それじゃあお邪魔します」

雄二「えーっと、君の名前は?」

桃花「えっと、篠崎桃花(しのざきももか)です」

愛海「じゃあ桃ちゃんね、よろしく。私は浅野愛海。愛海でいいわ」

雄二「おれは佐々木雄二。まあなんとでも呼んでくれ」

桃花「じゃあ雄二さんで……ところでここで何をしていたんですか?」

愛海「ただたんに駄弁ってただけよ。私たちはちょっとした事情でいつも下校終了時間まで時間つぶしてるのよね。まあ気にしないでちょうだい」

桃花「そうなんですか。でも、それなら部活に入ればいいんじゃ?」

雄二「体を動かしたら負けかなと思ってるからな……」

愛海「正直言うと部活に入るよりもここで駄弁ってるが楽しいのよね」

桃花「なら文科系の部活に入れば……」

雄二&愛海「「文化祭がめんどくさい」」

桃花「はうぅ、深追いはしないことにします」

愛海「桃ちゃんは部活に入ってないの?」

桃花「えっと、去年まで漫画研究会に入ってたんですけど……部員が少なくなって廃部になっちゃったんです。だから放課後に作業できる場所を探してたら教室なら別に使ってもいいって先生に言われたんです」

愛海「なるほどね。じゃあもしかして私たち邪魔?」

桃花「い、いえ! そんなことはありませんよ」

雄二「篠崎さん、俺たちに構わず作業してもいいよ?」

桃花「そうですか? じゃあお言葉に甘えて……」

愛海「……」

雄二「……」

桃花「……(カリカリ)」

愛海「……」

雄二「……」

桃花「……(カリカリ)」

愛海「……」

雄二「……」

桃花「……あの、別に駄弁っていても大丈夫ですよ?」

雄二「え。だって作業の邪魔しちゃ悪いし」

桃花「そんなこと気にしませんよ。むしろ会話があった方が空気が楽というか」

愛海「確かにさっきまでの空気はかなり気まずかったわね……」

雄二「じゃあやっぱりなんか駄弁っとくか」

愛海「そういえば桃ちゃん、絵描くのうまいね。漫画家目指してるの?」

桃花「いえ、趣味で書いてる程度で……。持ち込みする勇気もないし、私は描いてるだけで楽しいんです」

雄二「でもこれ、かなり面白いよ? 絵もうまいしもったいないよ。なんなら同人誌でも描いて――」

愛海「あんたはバカか! 桃ちゃんになんてもん描かせようとしてんのよ!」

桃花「同人誌なら描いたことありますよ?」

愛海「うそん! そんなキャラじゃないのに!?」

雄二「へえ、どんなの描いたの?」

桃花「『世界〇初恋』っていう漫画の同人誌を……」

雄二「(BLかよォォォォォォ!!)」

桃花「でもその……ちょっと過激なシーンがやっぱり描けなくてやめました」

雄二「ですよねー(よかったー、BLなんて読んだらなんか大切な物失いそうだからな……)」

愛海「そういえば桃ちゃんは好きな漫画とかあるの?」

桃花「『君〇届け』とか好きですね」

愛海「あ~あれね。私も好きだわ」

雄二「原作は知らんがアニメなら2期まで見たぞ。まあ男でも面白いとは思えたな」

桃花「愛海さんはどんな漫画が好きなんですか?」

愛海「うーん、『めだ〇ボックス』かな」

桃花「ああ、西尾〇新さんの。『化物〇』読んだことあります?」

愛海「もちろんあるわよ。あの人の作品、本当に面白いからね」

桃花「雄二さんはやっぱり少年漫画がすきなんですか?」

雄二「ああ、大好きだぜ! 1番はやっぱり『家庭教師ヒッ〇マンリボーン』だな」

愛海「ああ、腐ボーンね」

雄二「それを言うなぁぁぁぁ!! 確かにBL同人誌多いけども! 俺は純粋にバトル漫画として好きなんだよ! 」

桃花「要するに中二病なんですね」

雄二「ああそうだよ、中二病だよ! 中三だけどな! 中二病で何が悪い!」

愛海「中二病はともかく、バトル漫画って説明されてないこと多すぎるのよね。例で言うと、リ〇ーンの場合は死ぬ気の炎かな。死ぬ気の炎って作中では『それ自体が破壊力を持った超圧縮エネルギー』って説明されてるのよ」

雄二「それがどうしたんだよ」

愛海「おかしくない!? 死ぬ気モードになると額にその超圧縮エネルギーが灯ってるのよ? 絶対に髪の毛燃えちゃうじゃない!」

桃花「そんなことにいちいちツッコんでたらきりがないと思いますけど……」

雄二「気にしたら負けってやつだな」

愛海「それはそうだけど……」

放送『最終下校時刻5分前になりました。まだ残っている生徒は速やかに下校してください』

愛海「ありゃ、もう下校時間か」

雄二「じゃあ帰るか。篠崎さんは帰りは駅?」

桃花「はい、そうです」

雄二「じゃあ一緒に帰ろうよ」

桃花「え、いいんですか?」

愛海「もちろんよ。だってもう私たち、友達でしょ?」

桃花「……はい!」


 201✕年 5月21日(金)

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