結成
プー太です!
「本当にありがとうございました。どうやってお礼をしたら…」
「いえいえ!!」
ひったくり事件は真実のおかげで無事解決。女の人は泣いて喜んでいた。
その姿を見てハッとひらめいた。
「…俺、誰彼問わず人助けするの結構大事だと思う」
真実も同じことを考えてたみたいだ。
「俺らで部活やろうぜ!!なんでも屋みたいなやつ!!」
朝弥と茜は「は?」みたいな顔してる。
「それいいな!!」
「だろ!?名前なににする?」
「うーん…なんでも屋…万屋?お、万屋なんてどうだ!!」
「それいいな!!目安箱みたいなの作って、困ってる人の依頼受けてさぁ…」
「ちょっと待ったぁ!!俺ら部活してんじゃん!!」
「「とーぜんかけもちだろ」」
「でさ、こんなのどうだ?~~~~ゴニョゴニョ」
真実に耳打ちしていると茜に肩を掴まれた。
「5人いないと“部“にはならないって知ってるの?」
「「────!!」」
なんてことだ部活ができないっていうのか?
1人足りないだけでできないなんてぜっっったいに嫌だ!!
「校長に…直談判に行ってくる」
「俺も行く!!」
「待て待て待て待て。部はできないけど同好会ならできるって言いたかったの僕は」
「「それを早く言えよ茜!!」」
「そ、そんなにキツく言わなくてもいいじゃん…。2人して肩を掴んで怒鳴らなくたって…」
急にショボンとした茜。
気のせいか目に涙らしきものがあるように見えるんだが…本物か!!
「ごめんな!!俺言いすぎた!!ほんっとうゴメン」
「俺もわりぃ」
「僕、僕…」
2人して茜を慰める。
けど、なかなか許してくれない。
「1つ、お願い事きいてくれるなら許してあげてもいいよ?」
「「どんとこい!!」」
一気に茜の涙はひっこんで、口元がニヤッてなった。
「僕、今日はいっぱい食べたいものがあるんだ。買ってくれるよね?」
く、黒!!
朝弥は笑いこけながら俺たちを連写してるし、知ってたな!!
「買ってくれなきゃ僕許してあげないから」
腹黒い上に根に持つのか!?
「仕方ねぇな、買ってやるよ。どれが欲しいわけ?」
…腹をくくるか。
「あれと、あれ。あと、あれも。あ…でもあと3つ…」
「そんなに食うのかよ!!」
「嘘だよ。そんなに食べられるわけないじゃんププッ」
「あーかーねー!!」
それから俺と茜の鬼ごっこがスタート。
最終的に俺が茜をとっつかまえて口にリンゴ飴をつっこんで終了。
苦しみながら嬉しそうに食べていた。
「───さて、これからどうするかねぇ…」
「んごご、ふぬぬ~~!!」
「…まあまあ落ち着けよ」
「「お前が言うのかよ!!」」
うおぉ、真実と朝弥がハモった。おみごと。
「本当にすんの万事屋、みたいなやつ」
「みたい、じゃなくて万事屋な。やるよ」
「でもよ!!」
「朝弥あきらめた方がいいぞ。由輝は言い出したら絶対止めねぇから。それに止めるようなことでもねぇだろ」
「ほぅらよ あひゃみ いーれひょ べつに」
早!!リンゴ飴もうなくなってんじゃん。おそるべし。
「なーなー部長って誰がする?」
「それは言い出しっぺのお前だろ」
「えー!!」
「僕は賛成だよ。僕には少し向いてない役職だし、朝弥にはちょっと…ねぇ?」
俺、茜、真実の視線が朝弥に集まる。
みんな黙ったまま順番にうなづいた。
「俺がやる」
「「なんでだよ!!」」
だってなんかおっそろしい事になりそうな気ぃすんじゃん。
今日も相変わらず吠える朝弥の口にはいちご飴を2つぶちこんでやった。
うん、すげぇ顔。
「提案なんだけどさ、結成記念に写真撮ろうぜ!!」
「ナイスアイデア真実!!そーしよーぜ」
「誰が撮るの?」
「朝弥…はダメだな。一緒に入んねぇと意味ねぇし」
「オレ撮りたい!!」
「ダメだって言ったろ バーカ」
今度はぶどう飴とパイン飴を入れてやった。
その隙にカメラをパチって、通りかかった2人組の女にわたす。
「撮ってくれる?」
「「も、もちろん!!」」
苦しそうに飴を噛み砕く朝弥をひっぱって4人集まってボーズをとる。
「はい、ちーず」 カシャ
「ありがとな!!んじゃ」
デジカメを返してもらって、写ってる写真を見る。
「あ”ぁ~~~~!!」
「おまっ!!ブブッ!!」
俺と茜と真実は仲良く笑顔でピースなのに朝弥は…
「半眼の上に変額かよッ!!」
そんなこんなで勝手に立ち上げ万事屋同好会。
なんだか楽しくなりそうな予感がする。
次は緋絽さん!