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白紙に綴る夢  作者: 緋絽
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見惚れる

遅くなりました、秋雨です

午後の部は、飛鳥が出るファッションショーから始まる。

昼を早々と済ませたオレ達は、すぐに体育館に行った。

体育館の中にはファッションショー独特のステージがセットされていた。

「おお、本格的だなー」

感嘆する真実に大きく頷いてベストポジションを探す。

近すぎたら撮りにくいし、後ろ過ぎたら見にくいし………。

悩みどころだなー。

いっそのこと2階に行くとか…。

いやでも真正面から撮りたいし……。

「早く場所決めなよ」

「もうちょい待って」

悩みに悩みぬいて最終的に斜め撮りできて近すぎず遠すぎずのところを陣取った。

「視界良好っと!」

「へえ、いい場所だな」

「だろ?」

へへっと笑い、時計を見る。

始まるまでもう少し時間があるからカメラのチェックでもしとこーっと。


5分前になった。

席は全て埋まっていて、立ち見している人もちらほら見える。

「もうそろそろだね」

「おう!準備もバッチリだぜっ」

3分前。

ライトが落とされて真っ暗になる。

もうすぐ始まる。

そして、ステージに照明が当てられた。

「大変長らくお待たせいたしました!皆様お待ちかね、ファッションショーをとくとごらんあれ!」

ゆったりとした曲が流れ始めて、舞台袖からモデルが次々と出てくる。

その中に、飛鳥もいる。

ふんわりとした服を着こなしていた。

歩く飛鳥の姿を逃さないように写真に収める。

そして舞台袖に帰った飛鳥が服をチェンジしてもう1度登場。

今度はロック系の服。

さっきと全く違う系統なのにそれを着こなしていた。

流石プロだなー。

くるっと回って戻っていく。

そして最後の一周。

出てくるモデルの服に統一性がなかった。

自分が好きな服にしてんのかな?

となると飛鳥はふんわり系っぽいな。

と、予想を膨らませていると飛鳥が出てきた。

出てきた飛鳥はドレスを着ていた。

カメラを構えたまま思わず固まってしまった。

一瞬で目を奪われるくらい綺麗で、飛鳥の雰囲気に引き込まれる。

ハッとしたのは飛鳥が舞台袖に戻った後。

そのときにはファッションショーも終わっていた。

「小森さんすごかったなー」

「ホントホント。流石!って感じ」

「でも暑かった……」

「…………あーーーーーーっ!!」

「うおっ、うるさっ!」

いきなり叫んだオレに真実が驚いていたがそれどころじゃない!

「ちょっ、まっ、おっ、しゃっ!」

「落ち着けよ」

手を振り回して必死に伝えようとしたら由輝に叩かれた。

はい、深呼吸ー。吸ってー、吐いてー。

「で、どうしたの?」

「………写真撮るの、忘れてた…」

「はっ?………暑さにやられた?」

「いや、全然」

あー、うー、どうしよう………。

そうだ!

「オレ、飛鳥のところに行ってくる!」

「はいはい、いってらっしゃーい」

「どうしてそうなった」

「………さあ?」


飛鳥は多分着替えとかあるはずだから、控え室にいる!………はず!

「飛鳥ー!」

扉を開けて叫ぶと、中にいたモデルの人が驚いていた。

「あ、朝弥くん……?どうしたの………?」

制服に着替えた飛鳥がおどおどと出てきた。

「あー、遅かったしー………」

「え、何が………?」

きょとんとしている飛鳥を見ていたらなんか罪悪感がわいてきた。

「ごめん!」

「え?え?」

いきなり頭を下げたら、ざわついた。

「あ、あの、場所……変えよう………?」

「…………おう」

そういえばここ、人多かったな。


人気のない場所に移動した。

「ごめんっ!」

着いて早々に頭を下げた。

「理由、聞いても…いい?」

「あのさ、写真撮るの忘れたんだ」

「え……?」

飛鳥の表情はわからない。

暫くの沈黙がやけに長く感じた。

怒って、る……よな。

「……写真、撮れないほど…そんなに、おかし、かった…?」

泣きそうな、飛鳥の声。

「違うっ!」

頭を上げて否定する。

「そうじゃなくてっ、綺麗過ぎて見惚れてたんだよ!」

再び、沈黙。

……あ、あれ?何か恥ずかしいぞ?

やばい、顔が熱い……気がする!

「……ほ、ほんとに?」

「オレ、そんな嘘はつかねーし!」

「あ、ありがと」

ふんわりと笑った飛鳥に、心臓が跳ねた。

ん?なんだ?

「じゃあ、私、もう少し片付けが残ってるから……また後でねっ…」

「おうっ」

飛鳥に手を振りながら、オレは速くなる鼓動を抑えようとしていた。


家に帰って確認した写真には、ドレスを着て微笑む飛鳥の姿があった。

なんだこれ、みたいな感じになったような……



次はプー太さん!



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