撃退!
秋雨です!
「茜、あっち行ってみよーぜ!!」
茜の腕を引っ張って″金魚すくい″とかかれた屋台の方に行く。
「ちょっ、朝弥!!」
ん?茜の声じゃない。この声は……。
「はしゃぎすぎ。少しは落ち着けよ」
茜だと思い込んで引っ張っていたのは由輝だった。
「………茜じゃねぇ」
「そりゃそうだ」
おかしいな、茜を連れてきた気がしたけど……。
うーん、途中で入れ替わったのか?
「あーあ、真実達とはぐれた」
由輝が周りを見て溜め息をつく。
「真実達、迷子か?」
「いや、俺らが迷子」
ふーん。真実らはぐれたのか。
「由輝、金魚すくいしようぜ!!」
「金魚すくいーぃ?お前高校生っていう自覚あるの?」
「じゃあ射的で勝負」
「受けて立つ」
そうと決まれば射的屋に───。
「おっちゃん、2回分!!」
「はいよ!!」
店のおっちゃんが射的の銃を1本ずつオレと由輝に投げる。
「商品を多く取ったほうが勝ちな」
「おう」
とりやすそうな商品を見つけてそれに狙いを定めた時、女の人の悲鳴が聞こえた。
「なんだぁ?」
そっちのほうを見てみると、男と真実がおいかけっこをしていた。
男は女物のバッグを持ち、真実は野球に使う硬球を持っている。
「朝弥、やっぱあの男に弾を多くあてたほうが勝ちな」
「おう」
あー、楽しそうだなー。
「おっちゃん、コレ借りるなっ!!」
「気ぃつけろよー」
男を追いかける。が、人が多くて思うように進まない。
「由輝、もうちょっと人気のないところ行かね?」
あの男も見つけやすいし。
「そうだな」
由輝も了解してくれたし、移動すっか。
斜面を駆け上がる。
「朝弥、あいつどこにいるかわかるか?」
「んー、ちょっと待って」
えーっと………。お、いたいた。
「屋台の後ろで真実とおいかけっこしてる」
「了解」
由輝が銃を構えてぶっぱなつ。
弾は男を掠めた。
「おしい!!」
由輝がもう一度ぶっぱなつ。
今度は男が持っていたバッグのひもにあたった。
バッグが落ちる。
「おっナイスコントロール!!」
「どうも」
「うおらぁぁあ!!」
真実が、持っていた硬球を投げる。
それは見事に男の頭に直撃。
「「おおー」」
写真撮っときゃよかったな。
次はプー太さん!