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白紙に綴る夢  作者: 緋絽
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衣装発表!

どうも、夕です。

ちょっと短いかもしれないです。

日が進むにつれ、準備も着々と進む。

放課後も残れる人は準備を続けることになった。

外では体育祭の練習が始まっている。

とは言っても、借り物競争に出る僕らはとくに練習することもなく、教室の窓からグラウンドを眺めていた。

「真実、花作りはかどってる?」

「まあ…嫌いじゃないし」

何気なく聞くと、真実はボソッと答えた。その時の由輝が何か企んでいるように見えたのは、きっと間違いではないはず。

「ただのバスケ男じゃなかったんだな!」

「バスケ男ってなんだ!朝弥!」

あー、またぐりぐりくらってる。

朝弥もこりないなぁ。

「ちょっといい?」

声をかけられ、肩越しに振り返る。

向こうで作業をしていた女子のひとりが立っていた。

「これ、喫茶店で着る衣装の図案。ひとりずつ描いてみたんだけど、これでいいかな」

人数分ある紙の中から四枚を抜き出して渡してくれる。

「どれどれ」

僕のは軍服ということになってたけど…。

かなり精密にデザインされた衣装に目を通す。が、思わず固まった。

僕は大量生産されてそうな、ごく一般的な兵士服を想像してたのに、おや?

「なんか海軍隊長だよね、これ」

「おわっ、茜のやばい!」

真実がやけに興奮して言った。

「そういう真実のは?」

僕の図案を覗き込んで無防備になっていた真実から由輝が紙を奪い取る。

真実は海賊だっけ。

「うわー真実っぽい」

腰には剣、赤い布地の上着。

どことなく『悪ノ王子』を思い出すような、そんなかなり真実らしい衣装だった。

「由輝のは?侍」

「ほい」

渡された紙のには黒い袴がデザインされている。日本刀みたいなのもある。

「あれ?ちょんまげは?」

「要らない!」

絶対要らない!と叫んでいる由輝を見て、朝弥が侍の図案を持ってさっきの女子のほうへ走っていった。

「なー、これにちょんまげ付け…へぶっ!」

由輝によって阻止されたけど。

僕は、ちょんまげ、いいと思うけどなー。

「朝弥も見せろ」

床でのびている朝弥から図案を盗って帰ってくる由輝。そのあとを追って朝弥も慌ただしく帰ってくる。

「朝弥はなんだっけ」

「オレ、狼!」

そうそう。

一斉に朝弥の衣装を見る。

そして一斉に吹き出した。

「なんだこれ!」

「どう見ても狼だろ!」

「いや、それはわかるけど…」

描いてあったのは確かに“狼”なんだけどさ。

「普通は、茶色い服に尻尾と耳くらいだよね」

それなのに朝弥が着る予定のこれは。

「なんで着ぐるみなんだよ!これ考えたのだれだ!」

上下つなぎで、顔は出るようになってるけど、耳付きフードの狼衣装。いわゆる着ぐるみ。

これ朝弥以外は絶対着れない。むしろ着ない。

こんなの喜んで着るのって朝弥くらいだと思う。

「ま…っ、まさに朝弥だな…っ」

「何が可笑しいんだよっ、かっこいいだろ!」

これでカメラマンするのか。

真実にぐりぐり仕返ししている朝弥を見て想像する。

「あーなんか急に楽しみになってきた」




次は秋雨さん、お願いします。

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