衝撃的事実!
緋絽です!
「姉さん?」
身のこなしがすっきりした女の人が近づいてきた。声も張りがあって凛としている。
「茜、何やってるの?」
茜の傍まで来ると目を瞬かせて首を傾げた。
茜が目を逸らし答える。
「ちょっと…部活で…」
「部活?あら」
茜のお姉さんらしい人が俺達の方を向いた。
「お友達?」
「あ、はい。どうも初めまして東山 真実っす」
笑いかけて自己紹介をする。由輝もそれにならった。
「北村 由輝です」
「初めまして、茜の姉の綾子です」
にっこり笑って返事が来る。
んなんてこったいー‼茜のお姉さん綺麗すぎる‼茜のお姉さんでさえなければ‼…一体どうしようというのかね。
「よろしく…あら?朝弥もいるの」
「お久しぶりでぇす…」
朝弥が茜を横目で見ながら小さく返す。
「ところで、どうしたの?部活って、社会見学部?」
「そんな部活ないよ‼姉さん、今暇じゃないんでしょ、授業あるって言ってたじゃん‼」
茜がグイグイ綾子さんの背中を押した。
「今、終わったけど」
「そ…」
茜が苦虫を噛み潰したような顔をして黙り込んだ。
すごいな、茜を黙らせる人がいるなんて。
「綾子姉さん、鎌田って人知ってる?」
朝弥が励ますように茜の背を軽く叩きながら言った。
「鎌田?」
「なんか教授やってる人らしいんだけど」
「…教授…」
綾子さんがしばらく考え込む。
「茜さ、どうもお姉さん苦手っぽかったけど、別に変な人でもねぇじゃん」
由輝が小声で話しかけてきた。
「おぉ」
「なんで茜は、あんなんなんだろうなー?」
美人なのに、と由輝がもらす。
「そうだよな…」
あぁと綾子さんが声をあげた。
「あなた達が捜してるのって鎌田 梨沙さん?」
「あ、はい」
頷いて返す。
「どうして会いに行くの?まさか知り合いなわけじゃないわよね」
綾子さんが指を傾げた。
え?どういうことだ?
「まさかって?」
朝弥が尋ねる。
「すごい有名な方じゃない。美術品考古学者よ」
思わず口が開く。
水の中の金魚のようにパクパクと口を動かした。
『マジで!?』
全員の素っ頓狂な声が響く。
うんと綾子さんが頷いた。
カマさん、なんでそんな人と関わりがあるんだ?まさか、梨沙って名前してるけど、実は男で、名前変えてて、オネエ系の人なんだろうか。…オネエ友達?世界は意外と狭い。でもその世界では権力のある人みたいだし、そしたらちゃんと名前は出すか。じゃあ女の人かな。
ん、待てよ?鎌田って…鎌…。
ピシッと脳内自己映像がひび割れて粉々に砕けた。
「ゆ、由輝」
由輝もギシギシと音が鳴りそうなほどぎこちなく俺の方を向く。
同じ事を考えているに違いない。
「まさか…」
「あ、ほらあそこに。教授っ、鎌田教授ーっ‼」
綾子さんが大声で呼ぶと人ごみの中を歩いていたショートカットの髪の女の人が振り返った。
次は夕さん!