見学
プー太です!
「腕痛いんだけど」
「黙って付いてくる!!」
茜は何も言わねぇし、朝弥は目をぎらつかせてるし…
俺袴のままだし……。
ま、いっか別に。
「とーちゃーく!!さてさて真実はどこかなぁー」
「朝弥、レンズ覗いたままだと前みたいにボールが…」
と、そこでグシャリ。
……グシャリ?
「か、かかか…カメラぁぁあ!!」
うわぁ…悲惨。
ご臨終じゃん。俺の楽器がああなったら泣くぞ即効で。
朝弥の肩に手を置いて一言。
「まぁまぁ落ち着けよ」
「これが落ち着いていられるかーー!!」
うん、決まった。
やっぱ1日に1回は言わないとな、このセリフ。
「あ、真実いたよ。…ってカメラまた壊したんだ、馬鹿だよね朝弥って」
茜の一言で朝弥が吠えた。
が、俺は真実を眺める。2人をそっちのけで。
「かっけー…」
練習に集中してる真実は俺達にまだ気づいてない。
ケータイ持ってくればよかった。
盗撮してファンの子に売れば───……むふふ。
おっとっと。危ねぇ。つい裏の俺がでちゃったよ。
「すいませーんボール取ってくれませんかー!!って由輝!!…と朝弥と茜!!お前ら部活は?」
「俺は2人に今連れてこられたとこ」
「ふーん。で、こっちは?」
「見ての通り」
転がってきたボールを拾って渡す。
うん、一日一善だな。
「えーっと、大方カメラが壊れてそれを茜が馬鹿にしてる、って感じか?」
「大正解。どうにか止められねぇ?」
「ほっとけばいいだろ別に。それよりなんでその格好?」
「それも推理してみて」
うーんと唸りながらボールを回す真実の手には俺が前にあげたリストバンドがある。
使ってくれてんのかぁ。
なんかむず痒いぞ。
「連れてこられたから?」
「うん正解。俺拉致られたわけ2人に」
「へードンマイ」
そんなこんなで真実が2人を宥めてくれて一件落着。
平和が一番だな。
「ねーねー真実!!ダンクやってみてよ!!」
「僕も見たい」
「は?!お前らなぁ…まぁいいよ!!やってやるよ!!」
「そうこなきゃ!!」
今知ったんだが朝弥は常にカメラは2つ持ってるみたいだ。
しかも代用が最新のデジカメ。いいなぁー
「見てろよ!!」
「「うん!!」」
真剣な顔でドリブルを始めた真実。久々に見るなぁ、ダンク。
ぽんっ
「ん?」
「ハロー北村」
「げっ部長」
「部活、ちゃんとしような。マネージャーがお前用のメニュー組んでくれてるぞ」
ずりずり引きずられていく俺。
真実のダンク見たかったのに……
「部長なんか嫌いだぁ」
次は緋絽さん!