依頼でごまかせ!
秋雨です!
課題から逃げる口実を見つけた。
「依頼内容は?」
「待って。真実と由輝呼ぶから」
茜が真実に電話をかける。
「もしもし、真実?僕だけど――」
その後、由輝にもかけていた。
数分後、汗だくの真実と由輝が来た。
「あ″ーあ″ぢー」
「何でここにいるんだ?」
「「涼しいから」」
窓全開だから涼しい風が吹いてくる。
「たしかに涼しい」
由輝がイスに座り、真実は机に顔をつける。
「あー、つめてー……」
「で、どんな依頼?」
「これだよ」
白い紙を出す。
「依頼主はカマさん。内容は、“書類を届けてほしい”」
「場所は?」
「それは書いてないよ」
というわけで。
くわしい話を聞くために、オレ達は職員室に向かった。
机から離れない真実を引きづりながら。
「失礼しまーす‼」
いきおいよく扉を開ける。
ガラガラガラ ガンッ ガラガラガラ……ピシャッ
………あるぇ?
後ろで3人が笑いをこらえている。
「あ、朝弥……、いきお……ぶはっ!」
言い終わる前に真実は噴き出した。
「真実……っ、笑っちゃ………ぶっは!」
茜も噴き出した。
「お、落ち着け……。朝弥、ゆっくり開けような」
「?おう」
今度は由輝に言われた通りゆっくり開けた。
職員室の中にいた先生の視線が集まっていた。
「あ、えっと、カマさ……鎌田先生いますか?」
笑いから脱した茜が言う。
「私に用かしら?」
カマさんが来る。
「依頼内容について聞きたいんスけど」
「ああ、それね。ちょっと待ってて」
自分の机に戻って封筒を取ってくる。
「これを大学に届けてほしいのよ」
「どこのですか?」
「獅心美術工芸大学。知ってるでしょう?」
あー、あそこか。
「誰に渡せばいいっスか?」
「鎌田 梨沙って教授よ」
「鎌田 梨沙だな。鎌田 梨沙……」
忘れないように何回も繰り返す。
「じゃ、よろしくね」
次はプー太さん!