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白紙に綴る夢  作者: 緋絽
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まずは課題を終わらせろ

夕です!

「よし、これでおしまいっ」

夏休みの課題をばんと閉じる。

今日は

8月1日、夏休みはあと1カ月まるまるある。

「それにしても暑いなぁ…」

姉さんの部屋にはエアコンがあるのにさ、なんで僕は扇風機なわけ?

差別‼

んーーっと伸びをして携帯を取る。

送信先はもちろん朝弥。

「…あ、もしもし?朝弥生きてる?」

「生きてる…とは言い切れない」

「どうしたの」

「課題が終わらないからに決まってんだろぉおおっ‼」

思わず携帯を目から離す。

「あとどれくらい?全部じゃないよね?」

「……激しく全部に近いけどなっ。あぁっ、しゅん‼それオレのアイス‼」

電話の向こうで走り回る音が聞こえた。

ほんとに勉強してんのかなぁ…。

「ごめんごめん。なぁ、茜ー、教えてくれよー」

「いいけど、僕にそっちに行けって言うんじゃないよね?」

「言わねえけど…じゃ、これから茜ん家行こうか」

そう言われて部屋をぐるりと見渡す。

僕の部屋には扇風機が1台。

ここに朝弥が来たら室温上昇しまくる決まってる。

「あー…ううん、来ないで。僕の部屋暑いからさ」

「オレん家よりはいいと思うけど」

「と、なると…」

「あれ、ムシ?…って、おい‼今度はじゅんかっ、オレのアイスーーっ」

「真実と由輝は部活中だからなぁ…うん、部室にでも行こうか。あそこなら風通しいいし、扇風機借りれるし」

弟、妹と騒いでいる朝弥はほっといて一方的に電話をきった。

「母さーん、ちょっと出てくるからー」



久しぶりの学校。

朝弥はもう来ていて、いつものアメの代わりにアイスをかじっていた。

「あっかねー」

「よくそんなに元気だね、暑くないの?」

「アイス様のおかげで‼」

ぐっ‼じゃないよ、まったく。

これまた久しぶりに校内を歩いて部室にたどり着く。

「で、何ができてないって?」

窓を開けると風が入ってきた。予想通り。

「だぁーかぁーらぁー、全部に近…」

「今まで何してたの」

「…遊んだり、遊んだり、遊んだりしてました」

朝弥が持ってきた課題をぱらぱらめくっていく。

やけに白いページが多い。

「よし、それじゃここから―――ここまでしようか。今から30分で」

「うそぉ!?オレの3日分!?」

「いいから、や・れ」

できるわけねーし‼とか言いながら1ページ目にとりかかった。

さて、僕は何しようか。

部室をうろうろ(朝弥の見張りをしながら)歩き回っていると、カマさんのくれた依頼箱に目がいった。

「まさかとは思うけど…」

これで依頼があればやることができる。

ふたを開ける。

底にぽつんと入れられた白い紙。

「あ」

「茜ー、ここわかんね。…ん、どした?」

紙を出して朝弥に見せる。

「依頼見つけた

次は秋雨さん!

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