4人プラスα
プー太です!
「ただいまー」
「おっかえりぃマイブラザー」
がばっと熱い抱擁付きの出迎えをしてきたのは俺ににーちゃん。
俺と似ている顔でキョーレツなキャラの持ち主だ。
そのせいで何度トラブルに巻き込まれことか…。
「にーちゃん熱い。離れて」
「ちぇー冷たいのぉ」
指と指をツンツンし合って口をとがらせても可愛くない。
いつものことだからスルーして部屋に行こうとして思い出した。
「土日、俺の友達が泊まりに来るから」
「え!?マジ!?真実もいるのか!?」
「そうそう。母さんにも伝えといてー」
「いやったぁー‼」
うれし過ぎて飛び跳ねるにーちゃんを放っておいて俺は部屋の片づけをすることにした。
――土曜日。
朝、珍しくにーちゃんが起きていた。
どこかに遊びに行くのか知らないが服を着替えて、髪までセットしていた。
「今日何かあんの?」
「あるよ!あるに決まってんじゃんか!」
鼻歌まで歌いだした。
勝手にデートか…?なんて決めつけて、あえてのスルー。
「早く来ねぇかなー」
…来ねぇかなーだって?
「にーちゃん、もしかして…」
ピンポーン
「来た!」
ダダダダと光の速さで駆けて行ったにーちゃん。
最悪だ…。
「まっことー!久しぶりだな!でっかくなってー!本っとお前可愛いぃぃ!」
後をおっかけて玄関に行けば真実がにーちゃんに捕まっていた。
「あいかわらずっスね、秋良サン」
その後ろにはこの場面を激写する朝弥と、硬直する茜。
真実に助けてくれと目で訴えられて苦笑いしながらにーちゃんをひきはがした。
「とりあえず入らない?」
「そうさせてくれ」
1日目から疲れそうだ…と頭を抱えた。
所変わってリビング。
俺は飲み物を準備していると話声が聞こえてきた。
「初めまして、僕は西川 茜です。よろしくお願いします」
「どーもオレは南沢 朝弥です!よろしく!」
「ふむふむ…みごとに東西南北がそろったわけね…。おもしろい。えーっと俺は知っての通り由輝の兄で、秋良。よろしくぅ!」
…なんか空気やばくないですかね。
シラけてるよな、これ。
「よし、飲み物準備できたから俺の部屋行くぞ」
「「「うん」」」
なんとかあの空気から救出してそそくさと逃げる。
「うわーなんか由輝ってカンジだな」
「あ、ギター…じゃなくてベースがある。由輝音楽やってたんだ」
「由輝のベースは上手いぞぉ?弾いてみろよ」
「…なんでいんの、にーちゃん」
「いーじゃんよぉ!俺だけ仲間外れにするな!寂しいじゃんか」
どさくさにまぎれて参加してるにーちゃん。
「大丈夫だって!勉強は邪魔しねーよ!」 キラーン
グッ!っと親指を立てて、ウインクされてもねぇ…。
「いーじゃん!人多い方が楽しいって。なー茜」
「…え、うん…そうだね」
なぜ君はそんなにルンルンしてるんだ朝弥は…。
もう知らないぞ、俺は。
次は緋絽さん!