疲れた時には甘いもの
秋雨です!
地獄のテスト週間が幕を開けた。
オレ達4人は、放課後、図書館に寄って勉強することにした。
部室使えないって不便だよなー。
てことで、ここは図書館。
シャーペンの音とアメをなめる音しか聞こえない。
ガリガリ………ガリガリ……コロコロ…ガリガリ…ガリガリ……ガリ……ガリ……ボリッ
「あー、くそっ、朝弥アメ食うのやめろ!」
真実がいきなりオレに怒鳴った。
その瞬間、館内にいる人の視線が真実に集まる。
「まあまあ、落ちつけよ」
由輝に腕を引っ張られながら座った真実。
「さっきからコロコロうっとおしい。気が散る」
「えー、いいじゃんか。そんなに怒るなよー」
「よくない。集中できないんだよ」
集中できない=疲れてる=甘いもの。
オレの頭の中にそんな方程式ができた。
真実に棒付きアメを差し出す。
「…………何だ、コレ」
「棒付きアメ」
「じゃなくてさ。何でアメ?」
「疲れた時には甘いものじゃん」
「普通はチョコだよな」
「オレ、チョコ持ってねーし」
「……ま、いっか」
真実は棒付きアメを取ると食べ始めた。
そして勉強再開。
長くは続かなかったけどな。
「も、無理……」
真実が机の上に突っ伏した。
「オレも…」
真実と同じように机に突っ伏す。
「はぁ、これじゃあ赤点で補修になるよ」
「「それは嫌ー」」
「なら、勉強会をしようか」
突然の茜の提案。
「そうだなぁ、土・日を使ってしようか。もちろん泊まりで。持ってくるのは勉強道具と必要なもの。いいね?」
「どこですんの?」
「言いだしっぺの茜ん家」
「僕ん家は駄目。ってか来るな」
茜がにっこーっと笑みをはりつけて拒否する。
「真実ん家は?」
「俺ん家?んー、無理…だろうな。朝弥は?」
「オレ?別にいいけど、勉強にならないと思う。……ふっ」
「じゃあ駄目だね」
特に何も聞かずに茜の視線はある一点に集中した。
オレと真実もそこを見る。そこには、
「俺?」
由輝がいた。
「そ。駄目かな?」
「別にいいけど、何もないぞ」
「いいよ。勉強しに行くだけだから」
「そーそー。勉強(泊まり)に行くだけだし」
あー、楽しみだなー、泊まり。
次はプー太さん!