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白紙に綴る夢  作者: 緋絽
31/111

終わり、そして始まり

夕です!

僕は1人家に向かって歩いていた。

映研部の依頼が終わって早3日。

同好会がないと僕はすることないから、さっさと帰れるんだよね。

「…かえったら姉さんいるかな」

「へぇ、西川って姉さんいるの」

「ぅおいっ」

いきなり耳元で声がした。

「あはは、ヘンな声」

いつからいたのか、僕の後ろに立っていたのはあの吉野さん。

吉野さんはあの日から学校に来るようになって、由輝も安心してた。

「…なんか、用?」

「うん、よく考えたら西川にお礼言ってないかなーって」

「お礼?僕、なんかしたっけ」

はやく帰りたいなーとか考えながら適当な受け答えをする。

なんで僕は1人のときに女子と会っちゃうんだろ…面倒くさい。

「私の家まで来て、学校につれてってくれたでしょ」

「……」

あれは映研部と由輝のためなわけで、僕がお礼言われるようなことじゃ…。

「西川のおかげで北村君とも元通りだし‼とにかくっ、ありがと‼」

「え…あ、」

吉野さんは突然走りだして、ひとつめのかどを曲がると見えなくなってしまった。

なんか…なんで?

え、ええぇぇええっ?うん、緊張しただけだよね、うん、うん‼

それにしても、女子にそんなこと言われたの初めてかもしれない…。

「うあーー…なんだろ…僕なんて言えばよかったんだろ…」

吉野さんが曲がったところにあったカーブミラーをなにげなく見ると自分でひいてしまった。

「なんで…はぁ」

顔が赤かったのは、たぶん夕日のせい‼そう思うことにして。

「姉さんにアイスでも帰っていこっかな」



次の日、朝弥と同好会の部室にいた時のこと。

まぁ、なんでここにいるかというと…他のどこよりも落ち着くから、かなぁ。

カタンとドアが小さく音を立てた。

「あれ?カマさんかな」

「いや、カマさんならもっとでかい音で入ってくるはず」

朝弥が棒付きアメを一気に噛み砕いてドアを開ける。

「いたずらなら堂々と来いやぁっ‼」

「きゃっ」

「あぁん?」

朝弥でよく見えないから、僕もそっちへ行ってみようと…する前に朝弥からお呼びがかかった。

「あ、茜ー‼」

「なに」

「泣かせちまった…あははー」

「はぁ?」

ドアの向こうに立っていたのは、かなり身長の低い女子生徒。

とにかく中に入れる。

イスを出してあげて、そこに座らせると朝弥がわたわたし始めた。

「ご、ごめんな‼つい、いたずらかと…悪気はないから、絶対‼」

「はい、わかってます…え、と…びっくりしちゃっただけで…」

「よかったぁーっ」

イスにどっかり座る朝弥を見て、その子は笑った。

「で、用があってきたんでしょ」

急に顔を赤くして俯く。

「あ、あの…実は…」

「なんでも言ってみろ‼オレらは万屋同好会だからな‼」

そんな朝弥にもう一度ふわっと笑った。

「写真…写真を撮ってもらいたくて…き、来てみたんです」

次は秋雨さん!

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