運命の仲間
夕です!
運命の出会い?ってほんとにあるん
だな。
入学から一週間、僕達はやっぱりつるんでいる。
チャイムが鳴った。
「よっし、部活だ!!ぶっかつー!!」
朝弥が慌ただしく僕のところまでやってきた。
「茜、行こーぜ!!」
「いいけど、僕と朝弥は別の部」
僕は迷うことなく文芸部に入った。
スポーツが向いてないってのもあるけど、文芸部ってサボれそうなイメージだったから。
「ほら立て」
「少しくらい待てよ」
教科書やらなんやらをカバンに詰め込む。
「うし、行くか!!」
「はいはい」
教室を出るときに、真実と由輝にひらひら手を振る。
「また明日」
2人も部活の準備をしてるようだった。
「またなっ」
真実は笑って言ってきて、由輝はひょいと手を挙げた。
部室の前で朝弥と別れた。
「失礼しまーす」
部室といっても、文芸部は人数が少ないから、図書室を使っている。
カバンを机に投げる。
今日は僕一人かな。
図書室には利用者はいるけど、文芸部員の姿はなかった。
またみんなサボりかよ。
じゃあ僕もどっか行こうかな。
することもないし、朝弥のとこにでも…。
いきなりドアがスパーンと開いた。
「茜ー、写真撮らせろ!!」
「朝弥かよ」
「なんだよー」
「なんでも?」
「うそつけ!!」
「今から朝弥のとこ行こうと思ってただけ」
カバンを掴む。
「なんで?茜、部活は?」
「サボろうかと」
朝弥を置いて図書室を出る。
朝弥が来る前にドアを閉めてやったら、勢いよくドアにぶつかってきた。
「あぁーかぁーねぇー!!!」
「何?」
さっさと昇降口に向かう。
ドタドタと朝弥が追いかけてきた。
「な、弓道部行かね?由輝のとこ」
「なんで」
もう機嫌は元通りなわけ?
「オレの部活動!!由輝の写真を撮るんだ」
「ふーん……」
でも、ちょっと行きたいかもな。
入学してから他のみんなの部活って行ったことないし。
くるっと向きを変えて歩き出す。
「あ、行ってくれんの?やりぃ!!」
「僕が見てみたいだけ」
スピードをあげる。
「おい、待て!!」
全力疾走で弓道場へ向かう。
「待たなーい」
ほんと朝弥は面白いな。
次は秋雨さん!