最終手段は……
秋雨です!
茜が必死に由輝から逃げる、というおかしな光景。
珍しいから撮っておこう。
先回りして写真を撮る。
いつも写真を撮ると怒る茜も、今日は怒らない。
こっちに気付いてないからだけどな。
「真実、いい写真撮れたぞ!」
「マジ?見せて」
さっき撮ったばかりの写真を見せる。
茜が軽く涙目になりながら由輝から逃げ、由輝は楽しそうに追いかけていた。
「ぶはっ、何だこれ!」
写真を見た真実が噴き出す。
「こんな茜、滅多に見れないからお宝写真だぜ!」
茜の写真もあんまりないけどな。
「あ、そうだ。由輝ーっ」
何か思いついたらしい真実が由輝を呼ぶ。
「呼んだか?」
茜を追いかけるのをやめて、由輝がこっちに来た。
「呼んだ呼んだ。あんな、………」
真実が由輝に耳打ちする。
「おっ、それいーな!」
「だろ!?」
「オレにも教えろ!」
我慢できなくなり、真実にタックルした。
「どふぅっ!何すんだ!」
もちろん怒られる。
「オレに教えない真実が悪い!」
「はぁ?ったく……。あんな、茜の弱点って姉さんっぽいだろ?で、その姉さんに由輝が似てる。それを利用して茜に何か役をさせるってわけ。わかったか?」
「おう!いいな、それ!」
すっげー楽しそうだし!
「「「ということで」」」
くるっと茜のほうを向く。
「何?」
由輝が追いかけるのをやめたせいか、いつもの茜に戻っていた。
「由輝、レッツゴー!」
「おうよ」
少し咳払いをする。
「あーあー、よし。茜」
「だから何?」
由輝の声はいつもより高い。
それに比べて茜の声は低い。
すっごく不機嫌だな。
「何かの役をしなさい」
にっこり笑って言い放つ由輝。
「嫌だ」
茜もにっこり笑っている。
「茜。や・り・な・さ・い」
「い・や・だ」
茜はやっぱり拒否する。
しぶてー。
「こうなったら最後の手段だ。由輝、よろしく」
「まかせろ!」
由輝が泣きまねを始める。
「茜………、姉さんの言うことが聞けないの………?」
「ぐっ………」
何も言えなくなったのか、茜は黙った。
「うぅっ………」
「ああ、もう、わかったよ!やればいいんでしょ!」
うっし、茜がOKしてくれた!
何の役になるのかなー。
次はプー太さん!