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白紙に綴る夢  作者: 緋絽
21/111

立ち位置的な?

プー太です!

「すっげー…のめり込んでるなぁ真実」

「バスケやらすのがもったいなく感じるまでにね」

腹をくくった真実は本気で演技をしている

見ててこっちがゾッとする。俳優顔負けだ。

「シャッターチャンス!フフフッ、いいのがいっぱい!」

茜はその様子を見て何か企んだような顔してて、朝弥はシャッターきらしまくってて…

なんかつまんないんだけど、俺。

1人だけ取り残された気分。

「はい 10分休憩ー!」

ぼけーっと眺めていると休憩になった。

真実がこっちに来る。

「なぁ真実」

「………」 ブツブツ

「真実!」

「…あ わりぃ由輝。今ちょっとセリフ覚えるのが大変でさ」

それだけ言うと台本と睨みあって熱中してしまった。

「朝弥、ちょ…」

「話しかけないで!今すっごいいいとこ!」

朝弥も駄目か。――――なら、

「茜。なんか俺にすることない?」

「うーん、ちょっと待ってくれない?あと10分もあればこれが終わるから」

真実も朝弥も茜も駄目。

俺って用なし?

だったら俺――――ここにいる意味なくね?

また練習が始まって、それぞれのことに集中してる3人を見てると胸がムカムカする。

だからか知らないけど、俺は1人で映研部を後にしていた。



屋上に来て、朱くなり始めた空を仰ぐ。

…何してんだ俺。依頼中だろ。

髪を掻き乱し、大きな溜め息を吐く。

胸のムカムカは消えない。むしろでっかくなった気がする。

「やっぱ戻んねーと…だよね」

重い重い腰を上げた。映研部までの道を行く。やっぱり気がのらない。

「はぁ…。うわっ」

「きゃっ!ってまたあんたね!」

また平方と激突。かんべんしてくれよ。

「ストーカーですか平方サン」

「んな!?なわけないでしょーが!あんたこそ!」

「はいはい。じゃーね」

「ちょっと待ちなさい」

肩を掴まれる。

「あんた元気ないけどどうかしたの?」

は?

「平方さんに関係あんの」

なんかイライラする。

「ないわ。これっぽっちも。でもね、そんな顔してる人をほおっておけるような人じゃないの私は」

「だから?」

「この前のお礼に相談にのってあげるって言ってんの!」

私にまかせなさい!みたいなノリで胸を叩く平方に、つい笑みがもれた。

「ほら言いなさいよ、吐けば楽になるもんよ?」

「…しょーもないことだから笑うなよ?」

「ええ。もちろんよ」

ニカッて笑う平方に、俺はさっきの事を全部吐いてしまった。

言ってる内に依頼の内容も少し言ってしまったんだが、吉野さんのことは伏せておいた。

「うーん…そうね、わかったわ。要するに仲間はずれにされた気持ちになったわけね。あんた達は常に一緒にいて、異常に仲がいいから、ふと1人になってそれを感じたってわけ。おわかり?」

「なんとなく」

「それで、みんなに無視されたのがあなたは嫌だった。そうね?」

「………そんなカンジ…かも」

ゔぅ 今のはちょいハズい。けど、平方は笑わずに真剣に聞いてくれる。

そこはありがたかった。

「なら自分から環に入りなさいよ。私が思うに、あんたは皆と心のどこかで距離をとってるのよ、きっと。じゃないと普通ならそこで食い下がらないもの友達って」

距離…?

「だ・か・ら!今から戻ってやってみなさい。差し入れなりなんなり持っていけば自然に入れるから“環”に。そっれで駄目だったら気持ち正直にぶつけてみなさい。それ以外の解決方法は私は知らないから」

「…そういうもん?」

「ええ。そういうもんよ人間って。ほら行きなさい早く」

「りょーかい。サンキューな平方!」

「どういたしまして。私こそこの前はありがとう!」

うん、なんかスッキリした。

平方に話して正解だったな。

「何を買おうか…。もうここは飲み物でいっか別に」

自販機で大量に買い物をして映研部へ戻る。今度は足取りが軽かった。

「差し入れどーぞ!」

「「「どこ言ってたんだよ!」」」

「ちょっとねー」

1人1人にジュースを配る。みんな無視はしなかった。平方の言った通りだ。

「お勤めごくろう!」

「差し入れどーも。でさ、ここどうやったらいいと思う?」

「もっとこうダイナミックに…とか?」

「いやここはそんなんじゃないぞ由輝」

「由輝!ジャッジャーン!王子様そのものだろ!」

「すっげー!カメラマンだな!本物だその腕は!」

「ねぇ由輝、僕こんなの考えたんだけど」

「プッ それは流石にキツくね!?」

俺、ちゃんと環に入れてる。

「でさ…俺って何かすることある?」

「「「そこで見とくこと!」」」


けど、なんかビミョーだ。

次、緋絽さん!

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