逃げ場はない!
秋雨です!
それから数日後。
「台本できたよー」
茜が台本を持ってきた。
さっすが茜。やることが早い!
「いやー、大変だったよー」
そう言ってるわりにはすっごく楽しかった雰囲気が……。
「見ていいか?」
「もちろん」
真実が台本を受け取りペラペラめくる。
両隣にオレと由輝が行く。
読んでいくうちに真実の顔が青くなっていく。
最後まで読むと真実は音をたてて台本を閉じた。
オレまだ読めてねーのに!
「俺、ぜっっっっっったいやらない!」
真実のやらない宣言。
「えー、なんでさ」
「だってこれ!……これ……」
俯いて肩を震わせる。
「最後に死ぬじゃん!」
えー、そんなことかよー。
「それぐらいがまんしろよなー」
「なら朝弥がやれよ」
「オレ、やらねーし」
「ジャンケンで負けた真実が悪い」
「ゔ……。とにかく、おれはやらねーからな!」
真実、逃走。
「あっ、逃げた」
「追ったほうがいいのか?」
「そりゃ、まぁ」
「よし、由輝行くぞ!」
由輝の右手を掴んで走る。
「ぅおっ」
由輝が茜の右手を掴む。
「ん?」
由輝は茜を道連れにした。
「まっことーーっ‼」
道行く人々をふっとばしながら真実を追った。
数十分後。
真実は追い詰められていた。
「もう観念してよね」
「いやにきまってんだろ!」
「あきらめわりぃなー」
さて、どうしようかと困っていると、由輝が真実に近づいた。
真実の肩に手を置く。
「……真実」
「由輝……?」
由輝の手が真実の肩を掴む。
「あきらめなさい」
真実、逃げ場なし。
「ナイス、由輝!」
「そのまま映研部に行くよ」
いまだに暴れる真実を由輝が引っ張って行く。
じゃんじゃん写真を撮ってやる。
次はプー太さん!