一件落着
プー太です!
次の日の朝、茜に5時に起こされた。しかも電話で。
「電話出るの遅いよ。6時30分に学校に集合してね」
開口一番にグチ。その次は…待ち合わせ?
あくびをしながらベッドから出る。
うわぁ…寝癖がぁぁあ!にーちゃんみたいになってる!ギャル男かよ!
プルルルル
「あ、真実。もしもし?…うん。15分くらいに待ち合わせでよくね?んじゃ」
それから寝癖を直そうとしたけど直んなかったから、そのままにして登校した。
「…秋良さんかと思った」
「そんなに変わる?なんかイメチェンした気分…」
真実に言われた後、2人には俺が誰か気付いてもらえなかった。
「まぁ由輝の髪は置いといて、こんなに早く呼び出したのには理由があるんだ。由輝、あのモンス…キーホルダー持ってる?」
「あぁ持ってる」
「なら真実と届けてきてあげてよ」
「は?」
茜のメガネがあやしく光って、ニヤリと一瞬不気味な笑みを浮かべた。
「平方さんの机の上に置いておくんだよ、数種類ね。そうしたら彼女が取りに来ないで済むし、いろいろといいんだよ、僕達にも彼女にも」
手に4つくらい(昨日落とし物入れで見つけた物もある)キーホルダーを握らされた。
「行ってらっしゃい」
「でも俺らじゃなくてもいーじゃん別に。なぁ真実」
「確かに」
「い・け」
「「はいただいま!」」
ゴゴゴゴと茜の後ろに黒い物が見えたから一目散に駆け出した。
「…さて、僕は帰って寝ようかな」
「んじゃオレも。でさ、オレが来た意味…」
「何か文句でも?」
「いえ、ないです。これっぽっちも」
「なー、どれが机かわからなくね?」
「出席番号順だろ。ほらあれに書いてある」
「頭いいな真実。高校入ってから頭よくなったのか?」
「………。違う気がする」
平方の席到着。渡されたキーホルダーを置いて…これでよしっ
「いやいやいやいや。そのまま帰っちゃまずいだろ。本物のキーホルダー置き忘れてるぞ」
「………。アッハッハ!わざとに決まってんだろ真っ実クン!」
ああ俺、なんで真実と一緒なのかわかった気がする。
「えーっと、“この中に平方さんのお探しのものはありますか?違った場合は落とし物入れに戻してくれると助かります“っと。こんなもんだろ」
「じゃー任務完了ってことで」
「「一件落着!!」」
パチンッとハイタッチ。
やっぱいい気分。なんかいいな、人助け。
「早く次の依頼こねぇかな…」
────後日談
「なーなー、平方のキーホルダー事件ってさ、結局モンスター捜索だったじゃん。あのモンスターが大事な物って…。いろんな人がいるもんだな」
「お前が言うなよ変人のくせして」
移動教室中に廊下を歩いていると角にさしかかる。
ドンッ
「きゃっ」 ポロリ
「うおっ」
いってーなぁ…って!
「またお前か!」
「あんたこそなんなのよ!」
「朝弥、茜、アレ」
「「…あ、モンスター」」
次は緋絽さん!