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白紙に綴る夢  作者: 緋絽
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モンスター?

緋絽です!


台風が大変ですね、皆さん、お気をつけてー!


草を掻き分けてキーホルダーを探す。

「どこだー?つーかどんなやつなんだ!?」

由輝が後ろで喚いている。俺は茂みで見つけた土まみれのペットボトルのキャップを摘んで土を払った。

「そうだよなぁ。平方さん、なんで教えてくんないんだろ」

「せめて色だけでも教えてくれたらいいのに」

茜が草を千切りながら言った。

「おい、毟るなよ」

「いいじゃん、別にさ。草取りもついでにしてるってことで。悪いことしてるわけじゃないし」

朝弥が茜の横腹をつついた。小さく茜が悲鳴を上げて飛び退く。

「やめろよ!」

「いや、つい。ごめん」

朝弥が両手を顔の横に挙げた。

「もー」

茜が口を尖らせる。

「でもさー、なんで俺ら外探してんの?落とし穴なら普通中じゃね?」

俺がそう言うと他3人がピタリと動きを止めた。

「…………え?」



「そうだよなー普通中だよなー」

朝弥が背伸びをして言った。

「すっかり緑の魔力に取り憑かれてたね」

真剣な真顔で茜が賛同する。

「何、緑の魔力って」

「いや、落とし物っていうとつい茂み探したくなんない?」

「なんねーよ!」

中の廊下を曲がる。

「うわっ」

「っ!」

由輝と誰かがぶつかった。

よろめいた相手の腕を慌てて由輝と俺で掴む。

「すいませ…」

「あ」

平方さんが由輝を見て声を出した。

「あ、平方!…さん!またか!」

由輝が平方さんの腕を離して言った。その声には驚きと呆れが混じっている。

「あなたこそ!」

その言葉に平方さんは噛み付くように反論した。

腕を離して平方さんを見る。

どうやら彼女もキーホルダーを探していたらしい。

「あ、丁度いいや、平方さん。キーホルダーのさ特徴もう少し教えてくんない?」

思い出して問いかけると平方さんは考えるように口の前に握り込んだ手を当てた。

あれ、もしや聞いちゃダメパターン?え、マジで?

「あ、ダメだった?」

「ううん。え…っと黄緑かな」

「黄緑、ね…」

「一応さ、いくつか見つけたから見てもらえる?」

茜がポケットから見つけたキーホルダーを出して見せる。

「あった?」

「ううん…」

「大切な物なのか?」

いつの間に取り出したのか朝弥が口の中で棒付き飴を転がしながら言った。

「大切…うーん…まぁ、うん、大切、かな」

「ふーん」

朝弥が写真を撮る。

「なっ、何!?」

「いや、部の活動の瞬間を納めようと思って」

「びっくりしたー」

「じゃ、俺達落とし物入れに行ってついでに見てくるよ」

「うん、ごめん」

「じゃ」

平方さんが行った後、由輝が声を出した。

「あ」

その声に由輝の方を振り返る。

「どうした?」

「これ見せるの忘れた…」

ポケットから変なキーホルダーを見せる。モンスター?

「後ででいいんじゃん?」

「そっか、そうだな」

落とし物入れの方に歩き出した。


次は夕さん!

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