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白紙に綴る夢  作者: 緋絽
13/111

始動

プー太です!

精神を集中させて矢を引く。

的の狙いもちゃんと定まった。

ググッ 弓のしなる音が静かな道場に響く。

「由ぅー輝ぃー!」

「うわっ!」

手を放そうとした瞬間、名前を呼ばれた。

手がジンジンしたから見てみると血が出てた。

ばんそーこー…はないんだった。真実にもらわねえと。

指をくわえて大声で俺を呼ぶ朝弥(バカ)の下へ行く。

「ていやっ」

「~~~~~~っ!」

未だに言い続けるもんだからチョップをくらわせてやった。

「茜コイツどうしたわけ?」

「初めての依頼が来たから呼びに来たんだよ。今、大丈夫そう…?」

「ん″ー…部長いねぇし、いんじゃね!」

弓を指定の位置に置いてくると体育館へ向かった。

「まーことっ!」

「ん?」

朝弥が手をブンブン振り回して真実を呼ぶ。

依頼のことを告げると快く承諾してくれ、俺たちの初めての仕事が始まった。



「キーホルダーか…どんなやつか書いてある?」

「いや、書いてないよ。でも依頼主の名前ならある」

「なら本人に訊いた方が早そうだな」

1ーDの平方サン…?

見たことある気がすんだけどなぁ、どっかで。

平方(ひらかた) (さき)さんっている?」

真実が言う。

「もう帰ったのかも。号令かかってすぐに教室を出てったから」

「そっか、ありがと」

「本人いねぇならどうすんだよ。何探せばいいのかわかんねぇじゃん」

さて、どうしたものか。

「…まだ校内にいると思うよ僕は。他人にまで頼って探す物なんだから、きっとどこかで探してる」

やけに真剣な茜。

その言葉は間違いじゃない気がする。

「じゃあ最初に平方 咲さんを捜しますか!」

「「「ラジャー」」」

みんなバラバラになって捜索をする。

俺が向かったのは校舎裏。

理由はこれといって自分でわかんないけど、そこに行ってみたかった。

「平方さーん、いるー?」

返事はなし。

いないのか。

次を捜すのもあれだし…ここらへんちょっと探しとこっかなぁ。

地面や草を見たが、それらしき物は見つからなかった。

「あー腰痛ぇ」

腰に手を当てて、仰け反る。ボキボキって音がした。

「んあ?」

あれ何だ?

上を向いたら、木の葉の中で何かが反射した。

念のため、木に登ってみる。

うわー、袴動きにくっ!

「あと少し…とれた!」

何だこれ。

キーホルダーっていう部類に括れるんだろうかコレ。ま、いっか別に。

チェーンの部分を指に引っ掛けてクルクル回して遊ぶ。

あ、平川さん捜さねぇといけねぇんじゃん。

遊ぶのをやめて手に握ると平川さん捜しに戻った。



「いたぞ平方さん」

「あ″ー!この人が平川さん!?俺知ってる!」

「いや、平方さんだからね由輝」

真実に連れてこられて来た平川…平方さんに見覚えがあった。

「なんであんたがここにいるのよ!」

「そっくりそのままお返ししてやんよ!」

「由輝、平方さんと知り合い?」

「こいつ、俺のストーカー!」

「ちっ、違うわよ!廊下の角を曲がるたびにコイツが私にぶつかってくるのよ!」

「お前がぶつかってんだって!」

平方 咲ってコイツだったのか…。

名前からしておとなしい感じの子だとばかり…。

「どうどう。…で、平方さん。俺たち君のキーホルダーを探してるんだけど、特徴とかあったら教えてほしんだ」

「えーっと、その…普通よ!ごくごく“普通”のやつだから!───って、あんた達が万屋同好会だったの!?うわぁ…やっちゃった」

「キーホルダーの普通ってなんだよ。何を基準にしてんだよ、お前」

「うっさい!」

普通、普通って…。

その普通が何だっつーの。

「と・に・か・く!“普通”なの!モンスター系じゃないから!よろしくね!」

モンスター…。

俺がさっき見つけたやつもそんな感じだった気が…。

「わかった。そのキーホルダーは僕たちが必ず見つけて届ける。約束する」

「ええ」

「よーし由輝、真実、茜ぇー!そーさく開始だぁ!」

「「「おー!」」」


次は緋絽さん!

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