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白紙に綴る夢  作者: 緋絽
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大掃除

夕です!

もとからあったテーブルとかイスとか、棚をパタパタすると、埃が立ち上った。

「ゲホッ……朝弥、窓開けて」

「はいはーい」

朝弥が窓を開けると気持ちいい風が入ってきた。

「に、してもさー、この部屋どんだけ使ってなかったんだろーな」

「何年間かほったらかしだったのかねぇ」

雑巾がけしてる朝弥を飛び越える。

まじめにやってるみたいだね。うん、珍しくエライ!!

「茜ー、これ終わる気がしないー」

「もうすぐ2人共来ると思うけど」

今日は火曜日で、由輝と真実は部活中。

だから僕と朝弥だけで掃除してるってわけ。

依頼がないかぎり2人は休めないから。

あれ、でも依頼がたくさんだったら2人共部活はどうするんだろ。

「掃除終了ー!!茜、次は?」

それくらい自分で考えなさい。

「床はキレイになったじゃん」

「オレのおかげだ!!あ、次はテーブル拭くなー」

「僕もここ終わったらそっち手伝うよ」

はたきから雑巾に持ち替えて棚の上を拭く。

あっという間に真っ黒になった。

バケツにぶち込もうと振り返ると朝弥がテーブルからイスに移っていた。

「うりゃあぁぁあーーっ!!」

なんかすごい笑顔で一心不乱にイス拭いてる。

それ、そんなに楽しいですか?

「イスも終わり!!茜、全部終わったぞ!!いやー、楽しかったー」

楽しかったんですか、そりゃよかったです。

じゃあついでに棚もやってもらおうか。

「朝弥、僕はバケツの水捨ててくるから、棚の上も……って、もうやってんのか」

と、まぁそんなわけで僕が戻ってくる頃には棚の掃除は終わって、得意気な朝弥がイスに座っていた。

単純作業が好きな人って便利だなー。

今日、また新しい朝弥の使い方を発見してしまった、かも。

「2人でも終わるもんだなー」

僕も朝弥の向かいに座る。

「今、何時?」

「んー…なんだよ、この部屋の時計止まってんじゃん!!」

「うわ、ほんとだ。朝弥、ケータイ持ってるよね?時間見て」

「5:45…ですねー。そろそろ部活終わるはず」

ちょうど朝弥がそう言った時、ドアノブの回る音がした。

ドアが開いて由輝と真実が入ってきた。

「おぉー、すっげえキレイになってる!!」

「床も全部拭いてある」

「「待ってました!!2人共!!」」

2人共まっすぐテーブルにきて座った。

「すっげえだろ!!俺頑張っただろ!?」

「僕もやったんだけど、ちょっと」

ほとんど朝弥だけど。

「お疲れさん」

真実も由輝もすっごい汗かいてる。走ってきたの?もしかして。

───と、ドアがまた音を立てた。

「ん?誰だ?」

音はガタガタするものの、何故か開かない。

「イタズラか?」

真実が立ち上がる。

「心霊現象だったらどうする?」

「んなことゆーな、茜!!」

と、言いながらも、カメラを構えているのは何故?

「見てくるか?」

由輝がドアの方へ歩いていった時、ドアが開いた。

「わっ」

「あら、引くドアだったの?」

入ってきたのは……カマさん、だった。

「4人共まだ残ってたのねぇ。早く帰りなさいよ?」

カマさんは、ズカズカ部屋に入ってきて、品定めでもするかように、グルリと見回した。

「結構掃除したのねー」

「だろっ?俺……」

「2回目」

「でっ!!」

由輝の肘が朝弥の腹にクリーンヒット。

へぇ、由輝も朝弥のしつこさにはキレるんだ。

「で、カマさんはなんで来たんすか?」

「ああ、そうそう。4人にいいものあげようと思ったのよ」

後ろ手にゴソゴソしてる。

なんだろな。

「これよ。使えるなら使ってちょうだい」

カマさんが持ってきていたのは、お手ごろサイズの箱。上の面に穴開けたやつ。

「昔、なんかの部が使ってたポストなんだけと、使えるんじゃないかしら」

少しボロいけど、ここに依頼を入れてもらうってわけさ。

「カマさん!!」

「ありがとな、カマさん」

「カマさんならやってくれると思ってたぜ!!」

「カマさん最高!!」

箱を真実が受け取った。

「あのねぇ…あんた達…カマさんは止めなさい。まあ、いいわ。今日はそろそろ帰りなさい」

カマさんはドアを静かーに上けて聞けて出て行った。

真実の持つ箱に視線が集まる。

やっと活動開始、かな。

この箱に依頼が入ってくれれば、きっともっと面白いことになってくんだろうな。

次は秋雨さん!!

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