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04杜撰な捜査で意地悪妹にされたなんてやってらんない。あなたたちの願望入りで都合がよかったからと思考停止させてるだけ

 奴隷にするつもりだったのなら、ノンファンたちも彼らを奴隷にしようではないか。


「ブラーシュ、あれ、つけてあげて?」


「ああ。用意はしてある。特上のものをな」


 ブラーシュは獰猛な笑みを浮かべると輪っかを手のひらに浮かべて、ぐるんぐるんと会場にいる人たち全員に向けて放つ。


「きゃあ!」


 黒い輪っかは一人残らず、触れると呪いは染み込んでいく。その光景になにがおきたのかと、大パニックになるがなにも変化しないことに少しずつ落ち着いていく。


「なに?なんだったの?」


「黒いものが当たったけど消えたわ?」


「なんともない?」


 周りは安堵したり不安がったり。ガオンやメーライたちも触れたはいいが見えなくなったことに、不安げにこちらを見る。

 周りに対してやはり、不安が拭えないらしい。それでいい。合ってるから。

 今の黒いものは消えたのではなく、体に染み込んでしまったからなくなっただけ。


「ノンファン様、今のは」


 最初はノンファン嬢といち令嬢扱いだったのに、今では格上の呼び方だ。笑える。


「人の肩書きが変わって媚びを売るくせに、随分と軽く扱ってくれたお礼」


 声を高くさせて、機嫌よく答える。答えになってないけどわざとだし。相手の男は顔面を蒼白にさせて虚な顔にさせていく。


 あれがなんなのかわからないけど、少なくともよいものではないことは察している。あんなことをしておいて、よいことをされるなんて思ってないのだったらいいや。


「私たちは帰るけど……あ!」


 声を張り上げるとケモノとケモノの番がびくりと震えた。


「私!あなたたちの奴隷だったんだ!忘れてたなあ!ごめんなさいね!ご主人さまたち!?帰ってもよろしいですかあ!!!??ゴミが話してごっめんなさーい!でもぉ!許可取らないと!さっきみたいにぃー、無理矢理引っ張られるしぃ!ねえ!?帰ってもいいですかぁ?」


 国が認めた罪人落ち。今更違いましたねごめんなさいね、なんてものはこの精霊王に通じはしない。通じさせない。これからネチネチ「奴隷」としてご主人様呼びをして、妖精や精霊たちの前で奴隷堕ちさせられてと言ったりする。


 さらに言うと他の種族達の前だろうと奴隷とご主人呼びを強調して、理不尽なことをしてきた経緯も大きな声で説明。

 そうすれば服を取っただけで奴隷堕ちをさせられるのか?精霊王を?という本当のケモノを見る化け物扱いをやつらが受けるわけだ。


 この土地の大国の王ではあるが、本来は秩序を慮る土地。それが今回の騒動を起こしたのは愛しい番が家族たちに冷遇されており、気合を入れて今回のことをプロデュースしたため。


 結果、精霊王を激怒させることになった。

 大大大失敗。変更は効かない。王を死刑にしようとしたので国は滅ぶ。決定している。この国も獣人国の滅びるのだ。全く可哀想にならない。

 そんな風に思うなんてよっぽどなんだけど?


 国民を亡国にさせた歴代最悪の辞書に名が乗る。恐らく姉も片棒を担いだか、担がせた悪女として名を馳せさせるのだろう。

 にんまりと笑って悪役妹をやってあげた。特大サービス。


 ノンファンとブラーシュは顔面を蒼白にさせて何も言えずにいる自国の王に視線を向ける。

 やつの体にも隷属魔法を仕込んでいるのだから、報復対象だ。そんなことは知らずに黙ってても許されることはない。


 さっき王が言った言葉をリプレイさせた。


『で、おれの番を虐げたもののことについてだが』


『ええ、当然、処刑も視野に』


 最初の間違えを声で再生させる。


「あ、ああ、あああっ!?」


 王は顔を益々震わせるとがくがくと体を歪ませた。今更膝を床に落としたところで、なにも変化はしないのに。


『で、おれの番を虐げたもののことについてだが』


『ええ、ええ、当然ながら、処刑も視野に』


「処刑されるんだ?私、姉のお下がりをもらっただけで、国民を処刑するんだね?すごいね、この国!皆にも知ってもらおう?」


 他国への手紙を用意して目の前で国々の名前を書いて、目の前でこれ見よがしに妖精たちに運ばせる。ふわっと散らばる光。


「や、やめてくれ!」


「ひぃ!そんなことをされたら!」


 貴族たちが唇を震わせる。


「お願いだ!うちの国が滅ぶ!」


「ガオンさんのことも書いておいたから〜」


 必死に頼んでくる彼らのことを構わず、獣人国の王の言葉も初めから最後まで映像付きで送ったことを言っておく。


「……な」


 それだけ言うと、何も言わなくなる。自分の国もとんでもないことをやらかしたと今更ながら、実感したのだろう。

 妹にも親と同等の罪を被せることを。連座されそうになるなんてとんでもない!


 だって、ノンファンとて姉よりも大変なのに、なぜ自分まで巻き込まれなくてはいけないのか?

 杜撰な捜査で意地悪妹にされたなんて、やってらんない。


 そも、自分に誰か一つでも質問してくれたら発覚する放置度具合だったんだけど?どうして連座対象??はぁ?


 そんな感じだ。これは柔らかく言ってあげているだけ。それ以上でもそれ以下でもない。

 ノンファンの逃さないという気持ちを察したのか誰も何も喋らない。いいよいいよ、奴隷にする魔法を使ったのでいつでも本音を話させてしまうし。黙っても意味はない。


 彼らが何を思おうと思わなかったとしても、ノンファンのやることは変わらない。この人たちは、この世界で生きるに値しない。


「奴隷の私はもう、行きますね?主人様よろしいですね!」


 これみよがしに叫ぶ。今後会うときも奴隷の私!主人様!


 私を罪でもない罪で奴隷や処刑しようとした大国の主君さまぁ!と叫びながら声をかけてあげるのだ。

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