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 ノネジットの威信をかけたアレジーナの素性

 アレジーナの監視員五人がエリンキの後ろから出てきた。

 シュベッタが。


 「そう。ホワイトゴッドネスの仲間」


 「わたくし、アレジーナの監視員。リトアズと申します。

 人ごみで故意にまかれて見失いました。ご迷惑をお掛け致しました」


 「いいよ。アレジーナの隠蔽を見破れる連中なんかそうそう居ないよ。気にしないで。

 それに楽しかったから」


 「足止めいただき、ご連絡まで頂きました。

 この女が関わっている事件が陛下が威信を・・・失礼しました。

 それで特例でこちらは些少ですが本部からお礼です」


 「何これ?」


 「金貨で五枚です。お受け取りいただかないとわたくしの立場が」


 「あたしのお金だぁぁあたしが貰うぅぅ


 「口を封じろ」


 「ふんがぁぁぁ


 「ドンコ。サインして」


 「へい」


 「で、どうなるの?」


 「猶予期間中大人しくしていれば、調査等もありますが普通の暮らしは出来ましたが、逃走となりますので犯罪奴隷落ちで国営農場送りかと。

 各所に借金も有りまして、その返済も含めると五十年は出て来れません


 「ふんがぁぁ。ふんがぁぁ


 「国営娼館の方も手に負えない性格と逃亡の危険が有りますので採用を拒否。多少はマシな暮らしが出来たのでしょうが。

 現にこうして逃亡を図っております。

 現在候補の収容先は南西端の国営開拓地。ブラッドドライヒル


 「ふんぎゃぁぁぁ」


 「おいおい」「あそこぉぉ」

 「血が蒸発する程。灼熱の。地獄」


 「こいつ十分も持たないだろう。借金は?」


 「皆様がご心配なさる事ではございません。

 アレジーナを頼む」


 「「「「はっ」」」」


 「お三方。少々離れたこちらへ」


 「「「はい」」」




 「お耳を」


 「ああ「はい「おうっ」」」


 「ノネジット陛下から、ガーリッシュ騎士爵には秘密となっております。

 陛下直下の極秘案件となっておりますので、お願いいたします。

 お聞きください。

 万が一、ガーリッシュ騎士爵がアレジーナの件でご心配なさる時は真相を話さず旨く宥め下さい。

 実はアイファウスト・カミミヤ王子殿下がアレジーナの件をご存じで甚く心痛められ、大激怒をなさっております。

 アイファウスト・カミミヤ王子殿下曰く、アレジーナは隠密系の術に加え、人を思い通りに操る術を習得しております」


 「嘘ぉ「そんな事が「リーダー。やれた」」」


 「はい。全ての人に可能ではないそうで、適合者はかなり少ないようです。

 その中でガーリッシュ騎士爵と他数名が金を巻き上げられていたようです。

 そして好みの男に貢いで心の平穏を保っていたようです。

 今回結婚した相手も巻き上げられるその一人でかなり吸い上げられていたようです。

 その相手の事はもうご存じだと思います」


 「それで陛下の肝いり」


 「はい。アイファウスト・カミミヤ王子殿下のご指示も御座いますが、このような術を習得している者が他にも居る可能性が否定できないと言う事です。

 今回は金の亡者でしたからまぁまぁ。

 しかし、これが野心家だとしたら」


 「「「国がやばい」」」


 「はい。今回はアイファウスト・カミミヤ王子殿下が見抜かれましたので、早期対応が出来ました。

 それで収容先がブラッドドライヒル。と、なっているのはアイファウスト・カミミヤ王子殿下のご指示であちらに既に収容されている者達で実験をする予定です。

 人を操れる術の研究で今後に生かすためです。

 特にどのように人心掌握を行っているかが課題となっております。体の接触が無くてもお金を貢いでいますので。

 本人に聞いても言わないでしょうから」


 「「「それかぁぁ」」」


 「以上です。ご質問は?」


 エリンキが軽く手を挙げて。


 「監督官とかが操られたら逃げちゃうのではないですか?」


 「こちらをご覧ください。

 これはアイファウスト・カミミヤ王子殿下から下賜された呪術を跳ね返す水晶です。

 皆様は今まで接触が有っても操られた形跡が御座いません。アイファウスト・カミミヤ王子殿下がお認めです。つまり適合者では無かった可能性が有ります。

 ですので、わたくし達五名とこれからアレジーナに関わる者達はこちらの水晶の携帯が義務付けられました」


 「「「凄い」」」


 「さすがはイサム陛下とサチ妃殿下の息子様で居らっしゃいます」


 「「「てか、いつアレジーナと?」」」


 「神のみぞ知るです」


 「「「使徒様だからぁ?」」」


 「その一言に尽きます。

 それでガーリッシュ騎士爵の方ですが、アレジーナとの接触が無くなれば、自然に消滅するようです。

 アレジーナは定期的に接触を計っていたのでは?」


 シュベッタが。


 「ああ。三日から一週間の間。

 遠征から戻ったら最低三日は一緒に居たかな」


 「他でも同じようです。

 ですから時間と共に解呪されて行きます」


 「判った。ありがとう」


 「では、これにて失礼いたします。

 連行しろ」


 「「「はい」」」


 「ふんがぁぁふんがぁぁ


 「皆様。ご協力感謝いたします。では」


 「ご苦労様ぁぁ。はぁぁあ」


 「姉ご。これで付きまとわれることも無いね」


 「そうだな。アレジーナは普通じゃないとは思っていたがぁ。

 フジ君に助けられたと思っても過言じゃないね」


 「イデピッドの件も」


 「だねぇ」


 「フジミヤ様。リーダーを助けに来た。王子様」


 「「それだぁぁ」」


 「ヒロインが。ごつい」


 「ドンコ。フジ君なら案外ガーリッシュが好みかも。

 きのう玄関でフジ君に抱き着いていただろう」


 「「羨ましかった」」


 「あのなぁぁ


 「俺も。好まれたい」


 「「バカぁぁ」」


 「でも、可愛いよね、フジミヤ様」


 「エリンキぃぃ」


 「ひゃいぃぃ」


 「ったく家の連中は何言いだすか分ったもんじゃないね。だけど、あたしも人の事言えた義理じゃ無いかもねぇ。

 フジ君から『お姉ちゃん』かぁぁ。可愛いだろうねぇ」


 「「惚れちゃった?」」


 「るっさいよぉぉ。だみ声二つで現実に戻すんじゃないよ」


 「噂の。リーダー。帰って来た」


 「あたしが説明するから、あんたたちはしゃべるんじゃないよ」


 「はい」「へい」




 「あれ?アレジーナは?」


 「今日は帰った。今度また来るってさ」


 「何しに来たんだあいつ」


 「これ。金貨五枚。返しに来たらしいよ。利息にも満たないけど」


 「へぇぇマジで」


 「受け取ったらこの百倍ケツの毛がむしられるのかもな?」


 「そういう金はパァァっと使った方がいい」


 「バカだねぇこれからお世話になる都の屋敷の執事様とメイドさんにお土産を買っていくんだよ」


 「なんか返済の金だと気が引けるなぁ」


 「ドンコ、同じ金貨で何が違うの」


 「落ちていたお金。苦労したお金。プレゼント買う。気分が全く違う」


 「だってさ。姉ご」


 「うんじゃぁ銀行から引き下ろした金か今日の報酬の金を使いやいいじゃん」


 「おおそうだな」


 「しっかりしな。いい物を自分で買って行けよ。相手は目が効くからな。

 ガキでも騙されねぇ屑石のダーマスカスの野郎の露天には間違っても行くなよ。

 明日ギルドでな」


 「お前らは?」


 「今日は部屋のベッド寝る」


 「おっちゃんに四人分解約して来た。もうここにお前達の部屋は無い。荷物は全部収納の中」


 「やりやがったな。下着見たのかよ」「えぇぇ僕のもぉぉ」


 「おめぇらぁの下着なんぞに興味はねぇ」


 「エリンキのベッドの下。リーダー。そっちに興味」


 「ドンコぉぉ何もないよぉぉ


 「いや、本が落ちてたぞ」


 「エリンキ。それ。見ながら


 「何もしてなぁぁい」


 「魔法の本だった。大事な物なんだろう」


 「そこに在ったんだぁぁ」


 「で、あたしたちが付いて行かなきゃならない理由は?」


 「リーダー。寂しがり屋。みんなが好き。でも。ボッチも好き。フジミヤ様と一緒。都の屋敷広い。丁度いい」


 「ドンコ凄い。よく見てる」


 「エリンキに褒められると、ちょっとうれしい」


 「そのでっかい図体で照れるドンコ可愛いぃぃ」


 「まぁ大泣きの、泣き虫も付くけどな」


 「うるっせぇぇ。つべこべ言わずにリーダーの俺に付いてこい。屋敷で一緒に暮らす。顔見せの土産買いに行くぞぉぉ」


 「「「おぉぉ」」」

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