ガーリッシュ騎士爵のホワイトゴッドネス
この件に関しては、以上です」
「「「「了解」」」」
「それと、東門から西へ五キロ。南北凡そ二十キロはアイファウスト王子殿下の土地となります。後程詳細を述べます。
もう一点。ガーリッシュはノネジット・ファウス・ノルトハン国王陛下から貴族階位第七位騎士爵の位を叙爵されます
「何ぃぃ「何だってぇぇ「何ですかそれぇ「何だって?」
「ですからガーリッシュは騎士爵です」
「「「「はぁぁぁぁ」」」」
「何ですかその溜息は。
続けますね。
準男爵は現在空白の爵位ですが序列として残っています。
陛下への謁見が必要ですが、王城内が大混乱中。二か月ほど待って頂きます。
最長二か月が解かって頂けたと思います。先程の招待状と同期となる予定です。
領地はアイファウスト王子殿下の南隣り。ほぼ倍の領地です。現在領民はゼロ。五年間は幾ら儲かっても非課税。献金は受け付けます。勿論貴族手当は出ますよ。
廃村が数か所に点在しますのでエマルサーラ商会とご相談してください。
暫くはアイファウスト王子殿下と西隣のガウレシア・ト・シャウトリーゼ辺境伯爵の支援が受けられます。
既にガウレシア・ト・シャウトリーゼ辺境伯爵の方から私設軍五十人が派遣準備にかかっています。
ホワイトゴッドネスは貴族の依頼も多くこなしています。それなりの風習や所作はご存じだと思いますが簡単な教育は受けて頂きます。
お三方はガーリッシュ騎士爵からお好きな役職や肩書を貰ってください。王城へ出向く時に必要です。
勿論。今までのように冒険者を続けて頂いていいですよ。
領地経営に関してはアイファウスト王子殿下とエマルサーラ商会が完全サポートします。傀儡騎士爵でも全く問題ありません。
もう、騎士爵の爵位は名乗っていただいて結構ですよ。
こちらが陛下から下賜された騎士爵の短剣です。ここにアイファウスト王子殿下のお作りになれたあなたの紋章をはめ込んでください。
一気に話しましたが、詳細は後程。
本来はギルドの仕事ではないのですがクエストとして国王陛下と宰相がわたくしを指名依頼してきました。
先ずは、わたくし共のギルドの方の話しをさせて下さい。
ちなみに騎士爵の領地には楽しいお相手が沢山います。暇は無いと思います
「シュベッタ」
「いきなりどうしたのガトリング」
「トロールとは別の場所で、殿下が討ち取ってはいるが、五メーター級のゴブリンキングが出た
「「何だってぇぇ」」
「「何それぇぇ」」
「「「「五メーター?」」」」
「レベルは1200
「「「「はぁぁぁ?」」」」
「後他のゴブリンは身長が一点八メーターで凡そ八十体
「「「「八十ぅぅ?何じゃそりゃぁぁ」」」」
「伏兵も置くほどの知恵持ちで、木の上から弓での襲撃も有ったそうだ
「ちょぉぉっと待ってガトリング。
そのでかさで頭も良かったって事?」
「ああ」
「その上でその数かよ」
「全く死を恐れない統率の執れたちょっとした軍隊だな。
聞くところによれば、押して引き。集団戦。共闘。誘い込みなんかも有ったそうだ」
「「ゴブリンじゃねぇぇ」」
「ゴブリンではありませんよぉぉ」
「正に人」
「ハルサーラ様達凡そ二十名で全て討ち取っている
「「すげぇぇぇ」」
「「凄いぃぃぃ」」
「現物は殿下がお持ちだ。
そんなのがウロウロしている場所だ。暇はないぜぇ」
「「だなぁぁ「「ですねぇぇ・・・ひゃっふぉぉぉ」」」」
「何ですかそれは。
嬉しいのは判りますが・・・ガーリッシュはもう少し貴族としての威厳を持ってくださいよぉ。一緒に大喜びとは・・。
まぁいいです。
そのゴブリンの件の情報は各ギルドで共有して注意喚起する予定です。
魔王討伐に従軍したハルサーラ様やマルック隊長から聞くところによると、どうも魔王討伐戦の最終決戦の前哨戦辺りに出て来たゴブリンと酷似していたとか
「「何だってぇぇ」」
「そんなのが居たのですかぁ」
「そんなのが出た」
「マルック隊長の話しだとキング並みは各部隊の隊長らしく、一点八メートルから二メートル級のゴブリンを二百体程従えた隊が百近く居たそうですよ
「「死んだぁぁぁ」」
「過酷すぎますぅぅ」
「イサム陛下とサチ妃殿下。マジ。すげぇ」
「本当にそう思いますね。これにまだオーガやトロール。各種オオカミなども居ますからねぇ。で、ドラゴンも」
「本当にイサム陛下とサチ妃殿下には感謝しかねぇな」
「ああ。協力した先人達にも感謝だな」
「そんなに大変だったんだぁぁ」
「ギルド長。そう言った話し。本とかは?」
「ドンコの言う通り必要でしょうね。
アイファウスト・カミミヤ王子殿下がクラウス様から聞いていらっしゃるでしょうから、今度伺ってみましょうか。
ハルサーラ様やマルック隊長の十名。まだ、ご存命のお方も多いですから」
ガトリングが。
「ガーリッシュ。こうして考えると、俺達魔王戦の事なぁぁにも知らねぇな」
「そうだったなぁぁ。その事実は有った。だが、その苦労は全く知らない。
って、エウマイアー。国王陛下も?」
「恐らく。詳細な報告は上がってはいないでしょうねぇ」
「あたしたちイサム陛下とサチ妃殿下に不敬だよね」
「そうだな。その謝罪も含めて、アイファウスト・カミミヤ王子殿下をお守りしようじゃないか」
「「「おうっ」」」
「話しは纏まりましたか?続けますよ。
ガーリッシュ騎士爵の領地の続きです。
暫くは冒険者の派遣や転居者はアイファウスト王子殿下の許可無く騎士爵の領地には入れません。
それも含めお話ししましょう。十五分程度です」
「一点確認だ。王城で何があった」
「気になるよねぇ。爵位伝達をクエストとしてギルド長に発注するのは。本来は謁見の間」
「エリンキ。感がいい子は嫌われますよ。まぁ誓約書も有ります。いいですか、これも含みますからね。
王城の謁見の間にエルファサ女神様がご降臨なさいました。
ほぼ全ての貴族がたまたまアイファウスト・カミミヤ王子殿下発見の可能性の報を受けている時でした。
ノネジット陛下とご会見。アイファウスト王子殿下の件です。
その会見を聞き、国外と内通していた貴族、スパイを含めたおよそ六十名が消し炭になりました。現在も増え続けています」
「まじかよ」
「そりゃあんたの爵位どころじゃないわぁ」
「それは創世の女神エルファサ様の御力?」
「その様です」
「リーダー。俺が思うに。アイファウスト・カミミヤ王子殿下を。全力で。創世の女神エルファサ様が。守る」
「「だなぁぁぁ」」
「ですねぇぇ」
「で、ガーリッシュへの叙爵は議会も経ることなく陛下の単独決済。特例の異例中の特例。
その爵位が早急に必要と判断したマウレス宰相様が上申。即刻、わたくしの所へと。
そして、即日名乗っていいとの思し召し」
「そうなの?」
「何かあんのかい?」
「わたくしもそこまでは聞いておらず、解かりかねますね。
で、こちらをご覧ください」
エウマイアーがテーブルに置いた書類をシュベッタが見て。
「イデピッド達四人共国営の奴隷に成ったの?」
「はい。昨晩は色々有りましてね。
イデピッド達はフジミヤ君に金貨五百枚の借金。
均等割りで百二十五枚。
彼らの全ての財産では全く足らずに奴隷落ち。
ですが、ご自身への借金奴隷を拒否なさいました。
国営奴隷で借金の返済先はフジミヤ君が運営する孤児院。
一生出てくる事はありません。なにせ陛下と宰相が超お怒りですから。
で、この後一時間ほどギルドの話しをいたしますね」
「もうお腹がいっぱいなんだが」
「さっきより増えてますよ」
「余計なことに気が付く子は女の子に嫌われますよ。エリンキ君。
さぁ始めますよ」




