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 成り行きで兄妹奴隷を手元に置く

 (やられたぁぁ。完璧にハメましたよねぇ。そりゃ、僕の勘違いでぶっ飛ばしてぶっ壊しましたよ。でも、端っからそのつもりでしたよねぇ。

 僕が奴隷って言わなかったら誘導されていたでしょうしぃ。世間知らずの僕ちゃんを丸め込むなど赤子の何とか。一人旅の冒険がぁぁ。もぉぉ。

 あっ、そうだ。ギルドも巻き込んで、ちょこぉぉっとお返ししちゃおっと。今夜はもう寝られませんよぉぉ。

 スカイメインは僕のせいじゃないしぃ。ギルドの銀行部と繋がっているなんて知らなかったしぃ。

 でぇぇ、仲の良さそうな兄妹を引き離す訳にもいきません・・・はぁぁ。そこまで見透かされていましたねぇ)


 「木こり様?いかがなさいましたか?」


 「ハルサーラ様少し考え事を。

 えっと、マスケットさん。カスミナさん。付いてきますか?」


 「よろしいのですか?「いいの?」


 「ガルカクさん。ご両親は?」


 「天涯三人」


 「ガルカクさんは僕の奴隷になりますが、あなた方はそのままで」


 「奴隷にしてください。僕はCランクです。お役に立てると思います」


 「あたしもCランク。隠密系だよ」


 「食べて行けそうですが?」


 「僕達兄さんの指示が無いと全くダメなんです」


 「それでも失敗しちゃった」


 (カスミナちゃんお洋服も含めて仕草も可愛い。って。ダメダメ。何を考えちゃってるんですか僕わぁぁ)

 「なるほどねぇ。でも、知らない男の子ですよ」


 「僕の勘。ハルサーラ様が居て、デービッシュさんが居て、スカッシュお嬢さんが居て、エウマイアーギルド長の腰が低い。

 絶対悪い人じゃないと確信が持てます」


 「あたしもお兄さんから悪い気配が全くしない。どちらかと言うと温かい。

 もぉぉし。悪い人だったらあたしたちの目が曇ってた。諦めるよ」


 (はぁぁもぉぉ)

 「エウマイアーギルド長。奴隷契約ってどうやるんですか?」


 「このチョーカーをフジミヤ君が魔力を乗せて彼らに着けるだけです。術はもう載っています。

 形式上は借金奴隷。この場合、勝負に負けていますので、返済しても契約解除は基本出来ません。

 戦争奴隷よりはかなりマシです。今のランクのまま冒険者が続けられますので。

 クエストの完了報酬は全て主の物。

 必ず月一回以上のクエスト受注も残ります」


 「給金を支払う事は?」


 「聞いた事が有りません」


 「支払った場合にお咎めが有るかを聞いているのですが」


 「その様な規定は存在していませんよ」


 (えぇぇい。腹くくれ俺。ど 奴隷なら・・いいのかよぉぉ俺ぇ。ダンジョン奥に置いて行かないでよぉぉ)

 「では、まずガルカクさん。ごめんなさい」


 「はい」


 「契約完了です。デービッシュ殿、教えてあげて下さい」


 「了解」


 「マスケットさん。確認です。いいんですね?」


 「はい。お願いします」


 「契約完了です」


 「カスミナさん」


 「エッチはちょっと待ってくれる?心の準備が


 「なななに言っちゃってるんですかぁぁ。しません。絶対にしません。魅力云々ではありません。僕が僕を嫌になるからです」

 (ド直球で何言っちゃってるんですかぁ。怖いなぁもぉ)


 「その時は言ってね。うっ」


 「契約完了です。これが借用書です。返済期間は


 「はい。七枚です。観客席と木剣は?」


 「即金なのでサービスしておきます」


 「毀損項目と毀損理由及び金額。請求しない旨の覚書証と借金返済完了の証書を双方受領で下さい」


 「既に出来ております。こちらです。さすがですね」


 (最初っから作ってあったんかい。はぁぁ)

 「完全にハメられました。サインしました」


 「わたくしも致しました。ご確認を。

 彼らでは一生ここで奴隷のようなものでした。助かりましたよ」


 「そう言う事ですか。まぁ良かったですが。今日はお酒を飲まない方がいいかも」


 「わたくしですか?」


 「今、ここの全員かな?」


 「復讐ですか?」


 (あっ。バレてる)

 「そんな怖い事はしません。出来ません。やれません。

 色々ありがとうございました」


 「はい。ご苦労様でした」


 「ポートハウスに宿を取っています。行きましょうって、何々?何で跪いているの。奴隷と言ってもそう言うのは止めましょうよ」


 「フジミヤ様。弟妹を助けてくださりありがとうございました。このご恩は一生忘れる事無く従順に付き従いついていきます。

 これから弟妹共々宜しくお願いします」


 「宜しくお願いいたします」

 「あたしの救世主の王子様。きゃぁ言っちゃったぁ」


 (照れるじゃないですかぁカスミナさぁん)

 「はい。皆さん立ってください。こちらこそよろしくお願いいたしますね」


 「フジミヤ様。依頼達成の報告があるのですが」


 「マスケットさん、ここまで待っていますよ」


 「ありがとうございます」


 「はい、報酬。後処理はやっておきますよ」


 「ありがとうございます。エウマイアーギルド長」


 「いえいえ」


 「フジミヤ様。これ報酬です」


 「それは今の状態の前のお仕事の報酬です。受け取っておいてください」


 「いいのぉ。普通は巻きあげるよぉ」


 「カスミナ。フジミヤ様が良いと仰っているんですよ」


 「はい。ハルサーラ様。

 やっぱり超優しぃぃ王子様ぁぁ」


 (カスミナさん知ってて言ってます?)

 「お宿に着いたら、お三方のお部屋を取りますね」


 「今日は野宿じゃないんだ」


 「そんなこと理由も無く女の子にさせられません」


 「はぁぁ普通は取りませんが?」


 「いくらハルサーラ様の意見でも曲げませんよ」


 「解かっていますよ。そう言うお方ですから」


 「あぁぁぁなんてこったいぃぃ


 「フジミヤ様どうしました?」


 「ハルサーラ様・・・お店が閉まってるっ」


 「酒場以外はみんな閉店時間過ぎていますね」


 「あぁぁお買い物ぉぉぉ」




 ポートハウスに向かう道すがら木こりが。


 「ハルサーラ様。そう言えばスカッシュさんのお店ってブティックでしたよね」


 「そうですが何か?」


 「スカッシュさん」


 「はい」


 「女性向けの冒険者の衣装は?」


 「勿論あります・・・


 「「「「「あ”ぁぁぁぁぁ」」」」」


 「いっぱい売れると良いですね」


 「「「「「ありがとございます」」」」」


 「スカッシュ。直ぐに念話を入れて看板を掲げなさい」


 「はい。そのコーナーの売り場面積を増やします。待ってください・・・もうすでに店の中も前も女性冒険者で一杯だそうです」


 「あの場にあなたが居たから」


 「口々にそう言っているようです。

 初登録Aランク冒険者で王様のご友人に認められたスカッシュで暁のエマルミューズとして。うっうぅうぅぅ


 「お姉様ぁ」

 「良かったわね」


 「はいっ。

 フジミヤ様。ありがとうございます」


 「いえいえ」


 「スカッシュ。在庫は足りるの?」


 「今迄作り貯めてきた分が山の様にあります。

 ですがそれも無くなりそうな勢いなので今、増産に入るように協力してくれて来たおばちゃん達に指示を出しました。いきなり寝る間も無くなっちゃうかも」


 「給金は弾んであげてね」


 「勿論です。お母様。

 嫌気も差さず付いて来てくれたお方達です。大切にします」


 「時間を作ってご挨拶に伺いますよ」


 「はい。是非。

 それで新作のデザインも既に置いて来ているので大丈夫なのですが、いつもの糸と布、ボタンなどの装飾品が足らないです」


 「任せなさい。

 マインシュ。今いいかしら?そうよ。でね・・・・

 明日の早朝には届くわよ」


 「ありがとうございますお母様」


 「それであなたは行かなくていいの?」


 「来ないでください。って、言われちゃいました」


 「どうして?」


 「店内でわたくしを探し回っているようです。直接買いたいのとサインが欲しいとかで。

 それとフジミヤ様に是非ご紹介を。と


 「えぇぇ?」


 「今はうまく対応しているようです」


 「行かない方がいいわね」


 「はい。それで既に半年分以上の販売量のようです」


 「まだ一時間も経っていないわよ」


 「試着が追い付かないようで、もう直ぐ閉店時間なのですが一時間延長させました」


 「お姉様良かったですね」


 「滅茶苦茶嬉しい」


 「他店に流れそう?」


 「看板を出しちゃいました。

 【暁のエマルミューズ・スカッシュの店】って」


 「フジミヤ様」


 「全く問題無いですよ。むしろ他店に行かれる方が僕としては嫌ですよ。思いっきりエコ贔屓しちゃいます。

 そうならないようにまた考えますね」


 「「「「「ありがとうございます」」」」」


「それとスカッシュさんお願いがあります」


 「はい」


 「ウリットママシスターとシャラースシスターの子供達に装飾品や小物の生産技術を教えてはいただけませんか?」


 「「「「「あぁぁぁ」」」」」


 「どうでしょうか?」


 「うんもすんもありませんよ。全く気付きませんでした。直ぐに連絡を入れて相談いたします」


 「ありがとうございます」


 「フジミヤ様。何から何まで」


 「ハルサーラ様。これからですよ」


 「「「「「はい」」」」」


 「それで今回のエコ贔屓の件です。

 もしかしたらハルサーラ様もデービッシュさんもエセ教会もお忘れになっているかもしれませんねぇ」


 「何をでしょうか?」


 「デービッシュさんなら直ぐに気付くと思ったのですがねぇ。

 ウリットママシスターの孤児院は教会のアキツシマ自治区の中


 「「あぁぁ生産品の非課税対象」」


 「はい。今、その認定を受けているのはあの孤児院だけ。

 スカッシュさんのお店の原料が他より安く手に入りますよぉ」


 「「「「「すごいぃぃ」」」」」


 「これは子供達を護ると言う正当な利益の供与ですから、誰からも恨まれません。

 横槍や邪魔立て。危害を加えようものなら、全て逆恨みになり


 「「「「「警察沙汰ぁぁ」」」」」


 「お貴族様なら」


 「「「「「マウレス宰相と近衛兵」」」」」


 「はい。ご名答。

 で、悪党の近衛兵は


 「「「「「もう居ないぃぃ。あ”ぁぁぁぁ」」」」」


 「エセ教会が出て来たら」


 「「「「「エルファサ女神様真教会近衛公安騎馬隊」」」」」


 「何処も手出しできません」


 「お姉様ぁぁ」


 「もうね。涙が止まらないのぉぉ」


 「ハルサーラ様」


 「ガルカク兄妹には後でお話しします」


 「「「はい」」」

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