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 ノネジットも呆れるギルドと冒険者の資質

 「宰相のマウレス・ジルミナです。

 この者らは近衛兵。

 全ての出入り口を警戒。出入り禁止。逆らえば捕縛。五人行け」


 「「「「「はっ」」」」」


 ノネジットとフジミヤ。ハルサーラ。アルミス以外は傅いた。

 周りからは小さな声で。


 「ハルサーラとアルミスも立ったままで許可かよ」

 「宰相様は完全に傅いているよ「やべぇやべぇよ」

 「あたしどうしよう「文句言ってた「笑ってたぁぁ」


 イデピッドの仲間は。


 「俺達死んだか」

 「あの子を侮り過ぎた」

 「もうダメよ。処刑一択だわ」

 「でも動けばここで死ぬ」「「はい」」


 玄関の近衛兵が。


 「マウレス宰相様。玄関前に一人倒れています」


 「マウレス宰相様。放置で」


 「はい。フジミヤ様。

 一旦、放置」


 「了解」


 「当ギルド長エウマイアーです。ご無沙汰をしております。ノネジット・ファウス・ノルトハン国王陛下」


 「久しいな。

 それで、ここに如何ほど居るのだ野次馬は」


 「冒険者だけで、凡そ七十名」


 「そりゃまた暇そうでなにより。平和なんだな。

 それでフジミヤ殿。こんばんは」


 「はい。こんばんはです」


 「マウレス。発言を許可するぞ」


 「はっ。

 フジミヤ様。昨晩は有意義なお言葉を賜り、幸甚の至りです。

 わたくしのような大バカをこれからも末永くお導き下さいますよう、伏してお願い申し上げます」


 ギルド内に押し殺したような。


 「「「あぁぁぁ」」」

 「「「えぇぇぇ」」」


 「これから仲良くお付き合いいたしましょう」


 「感謝の極み」


 「それでフジミヤ殿。

 これから王城でお茶でもしながら雑談でもいかがですかな」


 「お誘いは嬉しいのですがまだ、お仕事が沢山残っておりますのでまた、次回にお願いいたします」


 「そうですか。その仕事とはこの愚かで冒険者として資質に欠ける十三名の者達の事ですかな」


 「近衛兵。フジミヤ様を嘲笑ったこの者らを囲め」


 「はっ。宰相閣下。抜剣。囲めぇ」


 「「「「はっ」」」」


 「「「「ひぃぃぃ」」」」


 「で、この場でご処分で良いですかな?」


 「いえいえ。今はまだ処分しません。少々考えがございます」


 「判りました。近衛。そのまま」


 「はっ。

 少しでも動いたら陛下と宰相様。フジミヤ様への殺意有りとして処刑せよ」


 「「「「はっ」」」」


 「「「やべぇぇマジもんだぁぁ」」」」


 「それでお仕事とは?」


 「後ほどマウレス宰相様に念話を入れます」


 「お待ちしております」


 「エウマイアーギルド長。良いのかね。フジミヤ殿に危険な仕事をさせても」


 「冒険者に御成りに成ったご本人のご希望です」


 「それならば仕方あるまいな。

 しかしまぁ何と言うかぁ、久しぶりにギルドに来たが何だねそこの女性陣の格好は。

 エウマイアーギルド長。ここはいかがわしい店か?」


 「申し開きもございません」


 「ハルサーラ殿」


 「はい。ノネジット・ファウス・ノルトハン陛下」


 「どう見た」


 「陛下の見識と同じです」


 「これは考え物だなぁ。冒険者の質が下がっておると聞いてはいたが聞きしに勝るな。

 正に酒を提供するいかがわしい店だ。いや、聞いているそのような店の方が露出が少ないと思うぞ。

 エウマイアーギルド長。この場にイサム・カミミヤ元陛下とサチ・カミミヤ元妃殿下が居らっしゃったらギルド規定違反で剥奪か処刑だろ。

 違うのか?わしの認識は間違っておるのか?」


 「いえ。至極当然のご認識でございます。

 今暫く、お時間を頂戴出来ないでしょうか」


 「いやいや、国がギルドに口出しできるはずも無かろう。

 勝手にすればよいが、魔王戦の時に強姦率と死亡率の高いビキニアーマーは禁止にしておったであろう。

 まぁクエスト中に規定違反で犯されようが死のうが国の方は調査も救済もせんでもいいことになっているからどうでもいい事だからな。

 しかしだ。国に届け出もしていない、いかがわしい酒場に国民の税をつぎ込むわけにはいかん。

 いや、いかがわしいだけでは無く、ギルドの名を借りた連れ込み宿か?」


 「そのような事実は一切ございません」


 「似たようなもんではないか。

 ここで出会って、他の宿に行く。

 あそこの掲示板にそのクエストでもあるのではないか」


 「一切ございません」


 「あの姿を放置している時点でお主の。いや、冒険者とギルドの信用は失墜していると思え。

 運営補助金と協力金や報奨金の見直しをせねばならんな。

 もしかしてここの者らは国家の職員と同じで税金で賄われていることを知らぬのか?」


 「その認識は有ると思っております」


 「で、この酒臭い店であの裸か?」


 「申し開きもございません」


 「エウマイアーギルド長。今あそこに掲げられているクエストで一番古い物は何だ」


 「一年前のマッドアリゲーター


 「一年前だとぉぉ」


 「はい」


 「何をやっておるのかぁぁ」


 「も 申し訳ございません」


 「もういい。マウレス。そのクエストは国軍で処理する。もってこい」


 「はっ。フジミヤ様。前を失礼いたします」


 「どうぞ」


 「エウマイアーギルド長。全ての協力金の見直しを直ちに行う。半額は覚悟せよ」


 「今暫くの時間を下さい」


 「検討はする。良いな」


 「はい」


 「これより最低一か月間。ノルトハン王国全土のギルドに監査官を派遣して冒険者の資質調査を行う。

 国税をつぎ込んでいるのだ、当然だろう。それも加味するからな」


 「はい」


 「今、酒臭い者と裸同然は全員剥奪しろ。一時的に冒険者が減ろうが問題は無い。一年もクエストを放置出来る奴ら等いらん。

 エウマイアーギルド長。お主も身の振りを考えた方が良いかもな。

 全国の陛下とフジミヤ殿でギルドの今後を協議する。良いな」


 「はい」


 「「「「「ギルド閉鎖本物だったぁぁ」」」」」


 「陛下ぁぁ」


 「どうされたフジミヤ殿」


 「剥奪発言は越権行為ですよ。それに一気に冒険者が減るのはどうかと。それと半額はやり過ぎではないかと。

 それにエウマイアーギルド長は全土のギルド一優秀ですよ。今は様子見と言う事で」

 (って、ギルドを消滅させようとした俺がそれを言うかぁ)


 「そうですか。少々頭に血が上りましたな。判りましたぞ。

 エウマイアーギルド長。発言を撤回し謝罪する。申し訳なかった」


 「陛下ぁぁ頭をお上げくださいぃ。こちら側の失態でございますぅ」


 「「「陛下が従ったぁぁ」」」

 「「「「「終わったぁぁ」」」」」


 「受け入れてくれてありがとう」


 「フジミヤ様」


 「マウレス宰相様。どうなさいました?」


 「皆が尋常ではない恐怖と言うか、全身が硬直して震えているように見えるのですが」


 「わしも思っておったぞ。皆が青ざめておる。フジミヤ殿は何かご存じかな?」


 「ノネジット陛下の威厳に戦慄を覚えているのですよ」


 「またまた愉快なご冗談を」


 「何れ機会が有ればお話しします」


 「なれば今から王城で茶を飲みながら」


 「ですから、まだお仕事が御座います」


 「そうでしたな。それで、そこの裸の女達。国営の娼館で働く気は無いか?少々人手不足らしいのでな」


 「「「「申し訳ございません」」」」


 「国の認可であれば別に悪い職業では無いぞ」


 「「「「申し訳ございません」」」」


 「そうか。まぁいつでも来てくれ。歓迎するぞ」


 「「「「申し訳ございません」」」」


 「マウレス宰相。勧誘の手続きを」


 「はい」


 「「「「申し訳ございませんでしたぁぁ」」」」


 「マウレス宰相。クエストに彼女等の物は無かったか?」


 「「「「出しておりませぇぇん」」」」


 「そうか。残念だな」


 「「「「申し訳ございませんでしたぁぁ」」」」


 「フジミヤ殿、一点確認なのですが」


 「はい」


 「今この中でお気に入りの冒険者は居りますかな?」


 「今この中ではハルサーラ様。デービッシュさん。スカッシュさん。アルミスさん。リッシュさん以外に冒険者は居ないと思っていますよ」


 「エウマイアーギルド長も?」


 「今は燃える寸前。燃えましたねぇぇ。のグレーゾーンにいらっしゃいますからね」


 「はぁぁぁ」

 「「「「え”ぇぇぇぇ」」」」


 「わぁぁはっはっはっは。そうですかぁぁ。居ませんかぁ。あちらでもお認めになりますかな?」


 「全てエウマイアーギルド長 様 に、一任致しますよ」

 (クラウスぅぅ。こうなることが分かっててノルトハン王国をお勧めしたよねぇ。世直し道中はやらないって言ったじゃんかぁもぉぉ。

 でも、ギルドがこれではねぇ。しゃぁあない)


 「グレーゾーンのエウマイアーギルド長。大任だ。頼んだぞ」


 「はい。心機一転努力いたします」


 「で、フジミヤ殿。お茶でも」


 「ですからこの後仕事が有ります」


 「そうかぁ。では、そろそろ戻ります。

 有意義な時間でした。ありがとうございます」


 「たまには遊びにいらして下さい」


 「はい。今度はビキニの子を連れて帰ります。是非に」


 「ではお送りいたします」


 「近衛整列」


 「はっ」




 「フジミヤ様。お待たせいたしました。揃いました」


 「エウマイアーギルド長。三秒で戻ります」


 「はい」

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