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 奴隷落ちを賭けて一騎討のフジミヤ

 二階から降りてくる階段の踊り場でエウマイアーが。


 「何ですか。騒がしい。ご近所迷惑ですよ」


 「ギルド長。そいつらがいきなりAと昇進組かぁ?」


 「そうですよ。何か問題でもありますか?」


 「ハルサーラが戻ったのかよ」


 「あれアルミスだよなぁ。目を怪我していた」


 「いきなりAはどいつなんだ」


 「いなさそうだがなぁ」


 「ハルサーラだ。

 今日再更新してAランクに成った。娘のスカッシュとアルミスはBランクだ。

 で、遠い親戚の子で、この子が今日登録でAランクだ」


 「なんでぇひょろひょろの女じゃねぇかぁぁ。ギルド長が気に入って不正でもしたんじゃねぇの?」


 (ぎっくぅぅん)


 「あぁぁはっはっはっ


 「不正ねぇ」


 (ぎっくぅぅん)


 「ちゃんと模擬試験したか?闘技場を使ってねぇよなひょろひょろちゃん?」


 (ぎっくぅぅん)


 「ああ。エウマイアーギルド長がベッドで確認したんだな」


 「「「わぁぁはっはっは」」」


 「俺が試験官で模擬試験してやるぜ」


 「全く何を言っているのですか。

 ちなみにですがこちらは男の子ですよ。失礼ですよ」


 「おぉぉぉゴクリ


 (男達の目つきが変わったぁぁなんでぇぇ)


 「男の子大好きが多いんです。気をつけてくださいね」


 (ひぃぃ)


 「なぁ俺んとこに来ないか?手取り足取り一晩中色々教えて やる からよ」


 (おっさぁぁん。なんで やる を強調してんのぉぉ)


 「彼女たちは既にパーティーを組んでいます。【暁のエマルミューズ】これがパーティー名です」


 「ちっ


 (なんでみんな舌打ちしてんのぉ)


 「てかよぉいきなりAはおかしいだろぉ」


 「ケツの青い奴がなぁ」


 「おぉぉい男の子ちゃんよぉぉ。どうやったらカードをAランクに出来るかおじちゃんに教えてくれねぇか?」


 「俺がベッドの上で聞いてやるよ」


 「「「わぁぁはっはっはっはぁぁ」」」


 「ギルド長のわたくしが認めているのですよ。これでいいですね。では帰り支度を」


 「それすら怪しいぜ」


 「まったくだぁ。ぜっていに何かある」


 (またまたぎっくぅぅん)


 「何で二階で登録なんだ」


 「俺達だぁぁれも二階で登録した奴なんていないぜ」


 「疑うのは自由ですが、騒がしいのは認めませんよ」


 「ちょぉぉっと待ったギルド長。

 こいつらの言う通り、二階での登録には何かあるはずだ。Aランクを疑う訳じゃねぇ。経験値の力量疑っている。模擬戦無しで登録だろう。

 今ハルサーラを除けば俺が経験豊富なBの上だ


 (うな重?)


 手合わせさせな」


 「はぁぁ。やはり出て来ましたかガルカク。フジミヤいいかい?」


 「はぁ」


 「地下の模擬戦場に行きましょう」


 「はい?」




 四角いほぼ正方形の一辺が二十メートルほど。地面は砂。周りは長椅子の観戦席。


 「フジミヤ。ここでは何を使っても破壊は出来ない。一応。

 ケガも暫くすれば治るはず。一応。

 模擬戦なので転移は反則。一応。

 何でもありの一本勝負。判定か参ったで終わり。一応ね」


 (一応がゲシュタルト崩壊。どう言う意味だったっけ?)

 「判りました。この木剣でいいですか?」


 「はい。では中心迄行って五メートルほど間を開けて下さい。

 あの男はガルカク。Bランク。鼻に付く奴です。

 がんばってねぇ」


 「はい」

 (鼻に付くって事は悪い奴。エウマイアーギルド長も困っているんだろうなぁ。

 結局絡まれちゃったし、後々怖いし、全力で行くかぁ)


 「ギルド長。賭けは有りだろうな」


 「勿論どうぞ」


 「おい。俺が勝ったら即金で金貨十枚。払えねぇなら金貨十枚分俺の言う事を何でも聞く」


 (悪役にしてはえらく控えめですねぇ。まぁいいでしょう)

 「いいですよ。払えなかったら、この体。好きに使っていいですよ」

 (なに言っちゃってんの俺。払えるじゃん。能力を隠す主役アニメの影響かぁ)


 「ギルド長聞いたな」


 「はい。聞きました。あなたは何を賭けるんです?」


 「こいつに負けたらもうAランクの実力を認めて冒険者を辞めてやるよ」


 「辞められる


 「ちょっと待ってくださいよぉぉ。僕にはなぁぁにもいい事ないんですが?」


 「確かにそうです。変更しなさい」


 「おめぇは何が欲しいんだ」


 「あなたです。僕が負けたら金貨十枚かこの体を自由に使う。あなたが負けたら僕の奴隷。どうですか?」

 (えぇぇぇどっからそんな言葉が出て来たぁぁ。思ってもいないよぉぉ。あっ、女神ぃぃ?)


 「おいっ。聞いたかぁ。あいつガルカクに勝つ気でいるぜぇぇ


 「「「あぁぁはっはっはっはっ」」」


 「エウマイアー」


 「何ですデービッシュ殿」


 「あいつ使えるの?」


 「ええ。付き従えば何でもやります。

 ガルカク兄妹はご存じかと思いますが、今、押さえる上がいないんですよ。

 では、奴隷でいいですね」


 「それでいい。それよりあの体を金貨十枚分ご自由にどうぞ。だろう」


 「「「わぁぁはっはっはっはっ」」」

 「俺にも回せよぉ」

 「俺にもだぁぁ」

 「気持ちよぉぉく使ってやるぜぇぇ」


 (何言っちゃってんのおっさんたち。もぉ怒っちゃったもんね。プンプン)


 「では、対峙して」


 「どっからでもかかって来な」


 「始め


 「ぎゃぁぁぁぁ


 フジミヤが一気にガルカクの横に出て、バットのスイングのように高速半回転で腹に木剣を当て、振り切った。

 ガルカクはくの字で、後方の客席にめり込んだ。幸い観客は避けて無事だった。


 (フジミヤ選手の弾丸のようなセンターバックスクリーンへのホームラン。ファーストベースを回って観客の声援に笑顔で・・あっ木剣が折れた。弁償?)


 観客が。


 「めり込んで、気絶して泡を吹いています」

 「動きが全く見えなかったぞ」

 「剣の振り抜きも俺達じゃ出来ねぇ。間違いなくAランク」

 「何だよあの剣技は?」

 「何処の流儀だ」

 「こいつを一秒かよ「敵う相手じゃねぇぞ「やべぇぇ笑っちまった」


 「フジミヤに転移魔法の痕跡は見られません。風魔法か身体強化の応用。

 よって勝者はフジミヤ。ガルカクはフジミヤの奴隷。以上。

 上位ランクAのフジミヤをバカにし嘲笑った者はガルカクを連れて、受付前へ。

 フジミヤに対し、フジミヤが受け入れるまで謝罪。冒険者としてあるまじき行為とみなし、ランクに応じた罰金を科します。

 解っていますから逃げたら更にギルドカード剥奪も含めたペナルティを課します」


 「やべぇよぉ「やっちまったぁぁ「謝罪かぁ」

 「つえぇならつえぇって言っとけよぉぉ」

 「いきなりのAだって言ってただろぉ」

 「おめぇもここで笑ってた」

 「なんでだよぉもぉ。で、罰金ってお幾ら位?」

 「俺Cランク。大銅貨五枚。おめぇBランク規定で銀貨三枚」

 「ふんぎゃぁぁ


 「あのぉぉ観客席が壊れてしまいましたが。それにこれも折れちゃいました。弁償します。お幾らですか?」


 「どちらも彼が払います。必要ありませんよ」


 「はい」


 「ハルサーラ。デービッシュ。少々お静かに」


 「「はぁぁぁ」」


 「フジミヤ君すごぉぉい。流派とかあるの?初めて見たんだけど」


 「えぇぇっとぉぉ駿河灘流?フルスイング打法?」

 (滅茶苦茶だぁぁスカッシュさんがぁ困ってるぅぅ)


 「凄い流派なんだね。後で教えて」


 (えぇぇぇ?)

 「幼い頃からやらないと

 (嘘です。ごめんなさい)


 「そうだよねぇ右足にあった重心で左足を前に突っ張って、足腰のバランスを一瞬で整え、顎を引き背筋を伸ばし、目線は敵の腹部一点集中。

 右脇を目一杯絞って高速で回転。木剣が当たった瞬間に腰から力を送り込み振り抜く。何故か目線は四十五度上。無理だわ」


 (いやぁぁ出来そうですよ。アナウンサーもビックリの解説のスカッシュさん)


 「魔法の痕跡無しで、あの木剣で巨体が持ち上がって、およそ十メートルも吹き飛ぶのね」


 (いやぁてれちゃうなぁぁアルミスさぁぁん。いかんいかん。浮かれると落ちる。慎重に)

 「エウマイアーギルド長」


 「フジミヤ君。どうぞ」


 「本当に奴隷にしなきゃいけないんですか?」


 「はい。正式な模擬戦です。周りに示しが付きません」


 「そ そうですよね」

 (やっちまったぁぁ)

 「他の人が主とか」


 「出来ません。契約不履行となります。最悪、公文書偽造罪なんかに問われフジミヤ君が奴隷に」


 「ひゃぁぁぁ

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