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 スカイメイン。一件落着

 ララヴールと共に店の中から大慌てで出てきた警官は。


 「ホラノベールぅぅ貴様何たる不敬ぇぇぇ。他国の貴族に抜剣とわぁ何としたぁぁ。マウレス宰相様がお怒りではないかぁぁ


 「ほ 本物


 警官の隣りのララヴールは腰を抜かし地面に座るホラノベールに冷静に。


 「そう言っておるであろうが」


 蹄の慌ただしい音が近づいて、先頭の馬の男が馬上から。


 「民達よぉぉ道を開けよぉぉ。王国近衛騎士だぁぁ道を開けよぉぉ。

 タジット巡査。わたくしは近衛騎士隊第三隊長サジタリエ・リートッシュ。後方の者十名は私の部下だ。

 不敬を働いた輩は?」


 「この者達六名です」


 「あぁぁ間違いなく本物だぁぁあああのっ俺は何もしていないぃぃ


 「バカを言え。マウレス宰相より他国の伯爵令嬢への無礼を確認せよとの火急のお達しだ。

 ハルサーラ殿」


 ララヴールの隣りに立ったハルサーラ。


 「スカイメインが本日休業の立て看板を朝から出しているのを無視し。入り口の扉が壊れんばかりに叩く横暴。独善。

 マーガレットお嬢様との歓談と食事に土足で割り込み、伯爵の爵位を出しても引きませんでした。

 そしてホラノベール殿が偽伯爵と仰り、そこで苦しんでいる者らが狼藉を」


 「民に聞く。そこの者。どうなのだ?」


 「はい騎士様。扉の壊れるような音と喧嘩腰の声が激しかったので、この辺りの者は何事かと」


 「そりゃ凄ったよぉぉ。ホラノベールが『やれぇぇ』って、そこの五人が剣を抜いて襲い掛かってあちらのお二人が瞬く間にそこの五人を打倒したよ」


 「こんな往来で剣を抜くなんて滅茶苦茶だよ。あちらの騎士様達は剣を抜かずに鞘で殴っていたよ」


 「騎士様ご覧ください。今朝までは奇麗だった花壇のお花が滅茶苦茶


 「あぁぁぁ扉に足の裏がぁぁ


 「壊れているな。そちらの護衛のお方はどう見る」


 「お忍び故、家名は名乗らず爵位を名乗った後にお嬢様に傅くことなく直視し、金を恵むと申された。聞けば中堅の商人と。

 そこの者も名を出さぬ男爵が知り合いに居ると恫喝された。

 何処の国でも貴族の爵位を騙れば重刑。

 懇意にして頂いてるガウレシア・ト・シャウトリーゼ辺境伯爵閣下のお名前をお借りしました。

 そちらのお知り合いの男爵を通じて嘘か誠かを確認する術を持っていた。

 そして真意を確かめる事無く、偽伯爵と怒鳴り、この者らを差し向けご覧の通り真剣を抜き殺意を持って向かってきております。

 わたくしとこの者で討ち取りました。全て切ってはおりません。骨折程度です。

 マーガレットお嬢様が他国の伯爵のご令嬢とマウレス・ジルミナ宰相もお認め。

 偽伯爵と罵倒され真剣の矛先を向けた。

 当然わが国でしたら貴族への狼藉と不敬罪。

 貴殿のお父上ならお許しになるのか?伯爵のご子息様」


 「なぜそれを?ミドルは名乗ってはいないぞ」


 「当然、マーガレットお嬢様のお忍び先の貴族の事は些少ではありますが調べております。

 それが大切なお方をお守りする護衛と言う者では?」


 「納得した。声を荒げ、申し訳ない」


 「いいえお構いなく。

 偶然か。はたまた必然か。

 踏みにじられたお花達はお嬢様のお名前のマーガレット。そちらのお方は知っておられたのでは?と、疑いたくなる所業です。

 目の前で踏みにじられたお嬢様の心中は如何ばかりかと。

 それで、このお花たちや扉は故意による器物の損壊。その上、貴族に向かい殺意を持って襲撃。

 わたくしとこの者が狼藉者より強かった。そうでなければ今頃はマーガレットお嬢様のご遺体が横たわっていた。

 貴殿のお優しいお嬢様方がこのようにされたなら、貴殿や貴殿のお父上はどうなさるのでしょう」


 「捕らえよぉ」


 「はっ」


 「陛下がマーガレットお嬢様を王城へお招きしたいと申されておりますが?」


 「マーガレットお嬢様。あまり前に出てはなりません。お花」


 「ララヴール。ここならいい?」


 「はい」


 「ハルサーラ様もお嬢様のお隣りへ」


 「はい」


 「サジタリエ隊長。ここのお食事がまだ済んでいませんの。冷めてもしまいました。

 暖かい物を頂きたいのでこのままを望みます。お忍びですから招請に応じなくとも良いと伺っておりますが?」


 「サジタリエ隊長。お許しの程を」


 「畏まりました。そのようにお伝えしますが、確認を。

 お怪我などはされておりませんか?」


 「はい」


 「ご無事で何よりです。

 ハルサーラ殿。護衛を残しましょうか?」


 「いえ、あくまでもお忍び」


 「判りました。マーガレットお嬢様。良い旅を」


 「ありがとうございます。近衛騎士隊第三隊長サジタリエ・リートッシュ殿」


 「失礼いたします。連行しろ」


 「はっ」


 「タジット巡査」


 「はい。マーガレットお嬢様」


 「静かに食事を楽しみたいわ」


 「畏まりました。そのように対応いたします」


 「お願いね」


 「はっ」


 「ララヴール」


 「はい。そちらの五名のご婦人がた。少し前に来ていただけるか?

 そうです。証言をなさった、あなた方五名です」


 「はい」


 「少々お時間を頂いても?」


 「こちらの花壇のお掃除ですか?」


 「扉はそのままで。お願いできますか?」


 「「「「「はい」」」」」


 「もっとお近くへ。こちら少ないですが、お嬢様からのお礼でございます」


 「金貨?」


 「しっ」


 「「「「「んっ」」」」」


 「お願いいたします。ただお店の扉は開けず静かに。

 終わりましたら中への確認は必要ありません。

 そのままお戻りください」


 「「「「「はい」」」」」

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