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 王都でアイファウストの初仕事

 「クリアスカイ。やっぱりいるじゃないかぁぁあぁぁん?」


 「ホラノベール殿。こちらの看板が見えませんか?本日は休業と書いてございますが」


 「いや。聞いていないのだが?」


 「何時からホラノベール殿の許可が必要になったのでしょうか?」


 クリアスカイの隣りに並んでいるララヴールが。


 「ホラノベール殿と申されたか。

 わたくし達はとある国の貴族のお嬢様の見識を広めるお忍びの旅の途中。

 わたくしとこの者はお嬢様の護衛。

 たまたま窮地を救ってくださったハルサーラ様のご厚意でこちらの店をご紹介いただいた。

 ホラノベール殿がご予約されていたとは露知らず、強引に押しかけてしまった事は謝罪しよう。

 それで、ご予約は何時からでしたか?」


 「ご予約は頂いていないのですよ」


 「本当ですかホラノベール殿」


 「あぁぁうん。一応中が


 「近寄ることは許しませんが、この位置からでしたら構いませんよ。後ろの者達は動くな。ルミアス。警戒」


 「はい」


 マーガレットお嬢様役のスカッシュが。


 「あの男は何ですの?ハルサーラ様」


 「知ってはいますが、お客でしょうか?」


 「クリアスカイが看板を出しておいたと聞いていますわよ」


 「商売を営んでいるので文字は読めるはずなのですが」


 マーガレットお嬢様が座ったまま玄関口の外に見えるホラノベールに向かって。


 「そこの者。その文字は読めなくて?」


 「いえその


 「マーガレットお嬢様。高位貴族のお方が無暗に声をかけてはなりません」


 「何を言っているのかしらデービッシュ殿。教養を広める旅の途中と申しましたわよ」


 「申し訳ございません」


 「それで休業の看板を見ながら扉を壊した。

 その上、わたくしのお食事を邪魔してまでのご用件は?

 まぁさぁか。後ろのお怖い男達をけしかけ、看板を無視して入店しようと思ってはいませんわよね」


 「うぐっ


 「ハルサーラ様。あの男『うぐっ』っと、申しましたわよ」


 「そのつもりだったのでしょうねぇ」


 「この国はそのような横暴をお許しになるのかしら?」


 「一部ではございます。今のように」


 「わ わたくしの 男爵が知り合いに居るぞ い いいのか?」


 「何かとぎれとぎれだったような?

 デービッシュ殿わたくしの教養が足らなければ教えてくださいな。

 他国と言え、伯爵のお父様とどちらが上なのかしら?」


 「伯爵です」


 「は 伯爵?」


 ララヴールが。


 「はい。伯爵のご令嬢でございますよ。

 ホラノベール殿。男爵にお知り合いがいらっしゃるとの事。作法は勿論ご存じですよね」


 「わ わっ 解かっておるわぁ、護衛如きに諭されんでも知っておるわぁ」


 「そうですか」


 「お友達になってくださったハルサーラ様。

 このような場合のこの国での最善の対処は?」


 「お忍びではなくなってしまいますが、警察を呼んでから身分を明かし近衛兵でしょう。その後は陛下への謁見になりますね」


 「へっ陛下?謁見?」


 ホラノベールは少し後ずさりした。


 「そう。あの者のお陰でお忍びが台無しに」


 「致し方ありません。伯爵の位を出しても引きませんので。

 ララヴール殿。

 大事になる前に確認のためガウレシア・ト・シャウトリーゼ辺境伯爵に念話を」


 「はい」

 (このおっさん超我が儘。の、ような気がする。

 何か面倒な事になりそう。

 今のうちにマウレス宰相に念話入れておこおっと)


 「おぉぉぉまちくださぁぁいハルサーラ様ぁぁぁ


 「いつもの上からの呼び捨ては?」


 「そのような輩ですの?お世話になっているハルサーラ様の事を?」


 「えぇぇまぁぁ」


 「全ての代金を持ちますのでご容赦をぉぉ」


 クリアスカイが。


 「既に前金で頂いております。必要ありません。人だかりが邪魔なのでお帰り下さい」


 「伯爵令嬢と聞いて、この期に及んで金を恵と申すか?」


 「いや兵士殿。そうではりませんよ


 「何故、マーガレットお嬢様を直視している」


 「いやいや、そうでは


 「不敬だぞ」


 「ですから私も男爵が・・・・こうなったらぁぁやれぇぇ偽伯爵のお嬢だぁぁたかが二人だぁぁ


 「「「「「はいっ」」」」」


 「デービッシュ殿ぉ玄関へぇ」


 「了解ぃ」


 「ルミアスやれるか?」


 「全く問題はございませんよ」


 「かかれぇぇ」


 「ルミアス殺すなぁ」


 「はいぃぃそりゃぁ」


 真剣を抜いて立ち向かって来る五人の男。

 アルミスことルミアスが鞘のままで剣を持つ腕を上から叩きつけた。

 鈍い音がして。


 「うぎゃ


 ルミアスはそのまま。


 「バカ者どもがぁぁ」


 「うごっ「おふぉ」


 ララヴールも。


 「そのへっぴり腰で、勝てる気が有るのかぁせいっ」


 ララヴールの鞘はその男の胸を突いた。


 「ぐふっ」


 「お前で最後だ。ルミアスやれ」


 「はい」


 「舐めるなぁぁうぎゃぁぁ」


 「ルミアス確認」


 「誰も死んではおりません。出血すらありません。全員何処かしらかの骨折」


 「おいっホラノベール殿。伯爵令嬢に向けての抜剣の指示。どう責任を取る気だ」


 「つ 強い」


 「伯爵令嬢の眼前で、尻もちをついて失禁とは無礼極まりないぞ」


 「警察だぁぁぁ何だこの人だかりわぁぁ。往来の邪魔だぁぁ。えっ?乱闘騒ぎ?ホラノベール殿?ご説明を願えますか?あちらの近衛兵?と」


 「いや。その


 「ルミアス。抜剣。

 ホラノベール殿他を逃がすな。抵抗すれば切れ」


 「はっ。動くなよ。今度は遠慮なく切るぞ」


 「「「「はいぃぃ」」」」


 「警官殿。お一人中へ」


 「はぁ。警官隊囲め」


 「「「はっ」」」


 一瞬で五名の警官がホラノベールに剣先を突き付けるルミアスと男五人の周囲を取り囲んだ。

 その周りを取り囲むように野次馬の人だかりができていた。

 警官の隊長らしき男とララヴールが店の中に入って行った。

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